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金言368:廃鶏が金の卵を産みますか?

50CCの単車が数年後には電動バイクに入れ替わるような気配です。デルタやオミクロンほどのスピードはありませんが、自転車もオートバイも徐々に電動に変わっていくようです。
昔、米議会の公聴会にビッグスリーの経営者はプライベートジェット機で首都に乗りつけ、米政界や世論の強い批判を浴びたことがありました。米自動車大手3社を潰したら膨大な失業者が発生するぞと議員たちを脅して、資金調達をねらったのかもしれません。日本のドラマでよくある、暴力団が白い大型ドイツ車で獲物の玄関に乗りつける光景に似ています。

このプライベートジェット機の費用もいずれ税金で負担するとなると、納税者の票が気になる議員としては、いい顔はできませんでした。この3社のトップは、こんどは自社の環境対応車を使いました。しかし、議会ビル前でクルマの助手席から出てきた彼らのスーツには、シワひとつなかったように見えました。前日に現地入りしているでしょうから当然ですね。せっかく長時間ドライブしてきたのですから、どこかにその痕跡を残して、多少の疲労をアピールするべきでした。「事業存続のためには、なりふり構わない」という必死の様子がトップにみえません。年俸1ドルでも1億ドルでも彼らのライフスタイルには影響がないのでしょう。米国の世論の60%がビッグスリーの救済に反対していると報道されても、議会は自動車会社を潰せないはずだと車屋さんたちは、安心しているようです。

昔、日本が高度成長期の頃、借金を元手に事業規模拡大をしていた企業がたくさんありました。多角経営がビジネスモデルとして大流行し、借金して不動産を買い、取得した不動産を担保に融資を引き出し、その資金でさらに不動産を買い増して事業を拡大していきました。借金は財産だと豪語し、他人のフンドシで商いをしていました。そして、返せないほど、借金が膨らんでも、「金の卵を産む鶏を殺したら利息もとれなくなるぞ」と債権者を威嚇し、借金天国を楽しんでいたようです。
債権者は債権を放棄するかわりに金の卵を産まない「廃鶏」のような債務者をビジネスの表舞台から追放するのが世の中の定説です。

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