「ウマ娘プリティーダービー」における名鉄杯についていろいろ思うこと

「ウマ娘プリティーダービー」がリリースされた後、鉄道趣味者プレイヤーの間で少し話題になったのは「ウマ娘に名鉄杯はあるのか」というような内容の話であった。

名鉄杯とは?

名鉄杯が一体どういうものかというと、名古屋鉄道からの寄贈賞で2002年に創設されたレースである。というだけなら、関東に京王杯と京成杯、関西にも京阪杯や阪急杯というものがあり、「まあ競馬場の沿線を走っている鉄道だから」くらいにしか思われないのだが、名鉄杯の場合はファンファーレがパノラマカーのミュージックホーンなのである。

で、「ウマ娘に名鉄杯はあるのか」という疑問の回答から先に言えば「ある」。名鉄杯というと3月ごろに開催されるイメージであるが、2017年から2019年までは名鉄杯は7月に開催されていたので、もともと2018年リリース予定だった「ウマ娘」においては7月前半の開催となっている。ただしファンファーレはパノラマカーのミュージックホーンではない。そもそもG1レースのファンファーレからして実際のものとは違うのだから、ファンファーレの違いについては目をつぶることとしたい。

ところが、意外にもウマ娘の名鉄杯については、結構多くの人に「あったらいいのに」と思われている節もあるし、またあると分かっていても「出走した報告がなかなか出てこない」ような気がする。

実装されているにもかかわらずそのような状態になっているのはなぜなんだろうか、といろいろ考えてみたので、列記してみたい。

ゲーム内の名鉄杯は7月前半開催

まず、「あったらいいのに」と思われているということは、つまり「名鉄杯が入っていない」と思われているということである。この理由は、先ほど書いたように「3月に開催」というイメージが強いからではないかと思われる。

ゲーム内での名鉄杯は7月前半に行われる(これも先ほど書いた通り、2017年から2019年までは7月開催だったので間違いではない)ので、3月ごろにいくらレースを探しても出て来るはずはないのである。

夏合宿と名鉄杯は時期が重なる

「出走した報告がなかなか出てこない」理由については、こちらについてはやや複雑である。

ゲーム内では育成中の7月から8月にかけては夏合宿の期間とされているが、名鉄杯が7月前半開催ということは、夏合宿で海に到着したものの、トレーニングもしないうちにいきなりレース出場ということになる。実際「夏合宿と重なるから出にくいのだろう」という意見はあり、確かに貴重なトレーニングの機会をレースに使ってしまうのはもったいないと思うのは無理もない話ではある。

しかし、夏合宿は毎年あるのだから、ある程度の実績を積んでからであれば、合宿期間であってもよさそうな気はするし、その時期の目標が「ファンを○○人集める」というものになっていることもあり、それだったらファン数を集めるために出場してもいいはずである。さらに言えば、夏合宿期間中には他のレースだってあるので、「合宿期間だからレースに出にくい」というのも、それだけでは理由としてはちょっと弱いかもしれない。

ダート1800mのレースである

そこで、名鉄杯が一体どのようなレースなのか、先に挙げた京王杯・京成杯・京阪杯・阪急杯との違いを考えてみる。まず重賞レースではないことが挙げられる。ウマ娘では重賞トロフィーを集めるとジュエルがもらえるので、トロフィーのないレースに出る意義が薄いといえばそうである。まあ別に重賞でなくても1着は1着なのであるが。

そして、個人的にはこちらが一番大きな理由だと思うのだが、他の電鉄会社の寄贈賞と異なり、ダートコースを使用したレースであるということである。各ウマ娘には「バ場適性」というパラメータがあるのだが、大半のウマ娘では芝適性がAであってもダート適性はGで、芝適性Aでダート適性もそこそこあるウマ娘はかなり少ない。私の確認している中では、オグリキャップとエルコンドルパサーがダート適性B、マヤノトップガンがダート適性Eである。ちなみに初期実装段階でダート適性がAというのはハルウララしかいないが、逆にハルウララの芝適性はGである。タイキシャトルは割とダート適性高い気もするが、私の育成ウマ娘には入っていない。

芝適性しかないウマ娘にダートコースを走らせるとどうなるか。サクラバクシンオー(先行・芝適性A・ダート適性G)を育成しているときに、芝レースとダートレースを連続で走らせて試したのだが、芝1800mコースならで3着以内に入れる能力があるはずなのに、ダート1800mコースでは14着であった。バ場適性が合わないコースでは、どんなウマ娘でも全く本領を発揮できなくなるのだ。

つまり「名鉄杯に出走した報告がなかなか出てこない」理由は?

以上のことから考えると、名鉄杯の出走報告が上がってこないのは、「育成しているウマ娘にダート適性がなく、そうでなくても夏合宿で能力アップを図らなければいけない時に、絶対勝てないようなダートレースに出場する意味は皆無」というあたりが一番近い答えではないかと思う。

逆に、ダート適性があるウマ娘を育成しているのであれば、むしろ積極的に出てもいいのかもしれない。ダート適性Aのハルウララの場合、「ファン数を5000人以上にする」目標の途中であり、その後も段階的に12000人までファン数を増やさないといけないのだし、名鉄杯で1着になれば2000人ほどファンが増加するのだから、出ない手はないかもしれない。ダート適性がBのオグリキャップやエルコンドルパサーでも育成途上だったらそこそこの成果は出せるだろう。