見出し画像

【どんぶり経営】 生き残りを賭けたサバイバル時代に「どんぶり経営」のままで本当に良いのか?


1.どんぶり経営

・売上は上がって忙しいのに、なぜか預金残高が増えていかない。
・業績が厳しいけど、人手が足りない、新しい社員を入れても大丈夫か?
・自分の給料は、どの位がちょうど良いのか。
・設備投資を考えているが、銀行からどの位までお金を借りても大丈夫か?
・ボーナスはいくらまで払えばいいのだろう、年に何回払えばよいのか?
・売上目標をどの辺りに設定したらいいのだろう?

など、迷うことがたくさんあります。

そんな時に、
・何となく感覚的に判断してしまうのか?
・きっちりとした判断基準に従って決断するのか?

その違いがどれだけ今後の経営に影響があるか、
認識されているでしょうか。

画像1

入ってくるお金は、
・売上
・お釣り
・銀行から借りたお金
など、全て「収入」で、ひとくくり。

出ていくお金は、
・社長の生活費や経費
・借金の返済
・税金
など、全て「支出」で、ひとくくり。

画像2

こんなお金のイメージでも、
ちゃんとお金は回っているときは、問題視はされません。

結果、支出よりも収入が上回れば、
「余ったお金」が発生し、これが貯金となる。

こんな入りと出のバランスを考えずに、
先ほど示した「どんぶり経営の図(引用:和仁達也先生)」
の様な行き当たりばったりの経営を「どんぶり経営」
と私は呼んでいます。


2.ライバルに勝った会社だけが生き残るイス取りゲーム

1990年代以降、日本の経済成長が止まっています。
終戦から1989年までの「バブル」までは、
マーケット(市場)も大きくなっていました。

マーケットが大きくなれば、
少々の粗悪品や首を傾げるサービスでも売れていきます。

需要が増えると供給が間に合わなくなるため、
それなりにどんな会社も売上を伸ばし、
会社の規模や社員を増やすことができました。

画像3

今は、日本の人口が減ってマーケットが小さくなると、
ライバルに勝たなければ売上をつくることができません。

現在のマーケットは、
「すべての会社が成り立つ時代」ではなく

「ライバルに勝った会社だけが生き残る時代」
イスがどんどん減り続ける「イス取りゲーム」です。


世の中の急速な変化は、自社の都合を待ってくれません。
変化は、自社の都合を置いていきます。

たとえ「いま」儲かっていても、
5年後に会社が潰れたら、意味がありません。
時代は、必ず変化します。


3.「正確さ」を追求せずに「根幹」を押さえる

経営者の皆さんは、
やりたいことを実現するために、
社長になったと思います。

そして、経営をするなかで、
どうしてもお金のことが付いてきます。


ただ、学校や社会の中で、
キャッシュフローについて学ぶ機会がないんです。

苦しい・痛い思いをして、
覚えたという方も多いのではないでしょうか?

キャッシュフローについて、
早いうちから覚えたほうがいいと思いませんか?


そうは言っても、、、
という心の声が聞こえてきます。

どうして、財務や数字が苦手になってしまうのでしょうか?
どうして、難しくなってしまうのでしょうか?


実は、「難しくするコツ」というものがあるんです。
何だと思いますか?

それは、「正確さを追求する」。


税理士が会社の決算書を作る時は、
正確である必要があります。
ざっくりの決算書を出したら、税務署が黙っていませんよね。

ただ、経営者にとっては、
・ざっくりでいいから早く知りたい
・ざっくりでいいから、シンプルにわかりやすく知りたい
これが、経営者目線だと思います。

なかには、ざっくりでなく、
完璧にしてから知りたいという社長もいます。

完璧主義は、
商品のクオリティを上げたりするという点においては、
いいことなんです。

ただ、完璧を求めすぎて、
すぐに行動に移せないという弊害もあります。

行動を起こしたり、
何か新しいことにチャレンジする時には、
脱完璧主義が必要です。

ざっくりでいいから、
根幹だけを伝えて、枝葉をばっさり切り落とす。

つまり、数字の全体の2割だけ伝えて、
後の8割をばっさり切り落とす。

画像4

これができると、とたんに財務や数字の話は、簡単になります。
「これだけでいいんだ」ということが、分かります。

では、その2割を残す根幹って何でしょうか?

ここは重要ですよね。
どこを切っていいのか、どこを切っちゃいけないのか?

これをわかっていないと、大変なことになりますよね。
間違って大幹を切ってしまったら、木自体が倒れてしまいます。

この2割残す数字の根幹の話というのは、何でしょうか?
それは、「経営判断に繋がるお金の話」です。


4.経営判断に繋がるお金の話

本当に大事なので、もう一度言います!

「経営判断に繋がるお金の話」です。

これは経営者は学ぶ必要があります。
では、経営判断に使えるおかねの話ってなんでしょうか。


①人を雇いたい時

画像5

例えば、新たに人を二人入れたいと思ったとしましょう。

人がふたり増えると給料が増えるのは当然ですが、
それ以外の、交通費、社会保険、労働保険、
福利厚生費なども増えますよね。

ふたり増えてもいいだけの収入が見込めて
初めてバランスが整うわけですが、
いくら売上が増えたらいいのでしょうか?

400万円の給料ふたり分、
800万円の売上が見込めたら
いいかなと思っていたらどうですか?

アウトですよね!

給料以外に発生する費用がありますし、
売上の金額がお金として残るわけではなく、
そこから仕入れの代金を払った、
残りの粗利がお金として残るわけですよね。

となると、社員ふたりいれるのに、
もっと売上が必要だぞということに気が付きます。

その時に、いくらの売上が必要という計算が
事前にできたらいいと思いませんか?


②設備投資をしたい時

画像6

例えば、設備投資をする時に、
これを買ったら当然大きなお金が出ていきますよね。

売上をさらにあげるために買うわけですが、
・いったい何年で回収することができるだろうか?
・本当に買った方がいいのかどうか?
この計算できた方がいいですよね。

できれば、悲観的な数値と、
楽観的な数値の両方で知りたいところです。


③新年度の売上目標や事業の計画を立てる時

画像7

例えば、新年度の売上目標を立てたい、
何か根拠のある売上目標の決め方ができたらいいなと思ったとします。

多くの経営者の方は、
・去年の数字よりは少し上に行きたいなという過去との比較
・前年比10%アップ
・あの会社にだけは負けたくないな!という他社比較
で決めたりします。

目標を立てない会社に比べたらそれだけでも立派なんですけれど、
もっと根拠があって、
社員にとって説得力のある数字にしたいと思った時の数字の立て方。

これ知っていたらいいと思いませんか?


④お金を借りたい時

画像8

どこまで借入があっても大丈夫なのか?
借入の上限をってみなさん持っていますか?

借入金の上限は、
銀行が貸してくれる金額が上限になってしまっている会社もあります。

バブルの頃は会社の実力以上に貸してくれた時代もありました。
今は銀行も貸す会社をかなり選別していて
簡単に貸さないからむしろいいのですが、
借りたものはいずれ返さないといけませんよね。

当然金利も発生しますから、
金利だけ返すのが精いっぱいで元本返せなくなって、
こんなに借りなければよかったなんていうことになりたくないですよね。

自分の会社の適正な借金の上限、
計算できたらいいと思いませんか?

以上のようなことが、「経営判断に繋がるお金の話」です。


5.まとめ

こういうことを経営者の方が判断できたら、
もっと本業に集中できると思うんです。

こういうことを知らないから、
・借金をして無謀な設備投資をしたり
・人は入れてみたものの人件費で利益が吹っ飛んでしまったり
・目指す目標の根拠がないから社員は、
 「なんでやらなきゃいけないのか」
 というやらされ感でやる気がなかったり

と、そういうことが起こって
しまうのではないかと思うんです。


自分で考えられるというのがとっても大事で、
答えを人から与えられて、
この通りやってくださいと
言われても納得感がないですよね。

なんでこういう風に考えるのか?
というロジックがわからないと。

このロジックをまずは自分で考えて作ってみて、
どこか見落としているところがあるかもしれないと思って、
そこで、専門家に確認のために聞く
という風に専門家の力を借りる。


依存ではなくて、
自分で自主的に経営しながら、
そのうえで外部の専門家の力を借りる。
こういう経営ができると思います。

この経営のやり方が、
これからの時代にふさわしいやり方
ではないかと思っています。


なぜかというと、
周りにいるコンサルタントや税理士は
100%会社の情報や現状を知って
アドバイスしているとは限りません。

一番会社のことをわかっているのは、社長ですよね。


社長の頭のなかと専門家の頭のなかは、
相当な情報と時間を共有して
コミュニケーションを続けなければ
なかなかイコールにはならない。

そう考えると、
社長自身の頭のなかにある情報をうまく組み立てて、
ベストな選択肢に行けるような経営の仕方とか、
専門家との付き合い方をされるのが良いと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?