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地元の百貨店にて、夏の日に試着をする

自問自答ファッションの、あきやあさみさんのnoteに感銘を受けた。

服を買うときに必ず試着はしていたけれど、いつも行くのはユニクロや、ショッピングモールに入っているお求めやすいブランドなど。
百貨店での試着はあまりしたことがない。

ちょうど休みの日に、映画を観に行こうと思っていた。近くには地元の百貨店がある。
行ってみようかな。



7月の晴れた日に、その百貨店を訪れた。

(そう、実はこれは2023年7月のことである。半年近く公開するかどうか悩んでいたので…。それはさておき。)

都会ほどたくさんのブランドはないけれど、それでも入ったことのないお店ばかり。
あらかじめ百貨店のサイトで調べておいた、オフィスカジュアルが得意だというブランドに向かった。
身長が平均より高くて腰が張っている体格の私でも着れそうな、大きいサイズもあるみたいだし。

行ってみると、すごく賑わってる!
試着して店員さんと相談する人や、店内を見ている人。
その人たちに混ざり、ハンガーにかかった洋服をひととおり見ていく。大きいサイズもちゃんとあった。安心。

しばらく様子を伺うも、すぐには試着室が空きそうもない。
別の店舗を見にいくことにした。

いくつかのお店の商品を見て、やっぱりサイズがないなあと思いながら歩いていると、見覚えのあるブランドロゴが見えた。

華やかな印象で、以前から素敵だなあと思っていたところ。けれど、お店に入ったことはない。
ちょうど2人組のお客さんが出ていった。店内は空いている。

近付くのに躊躇する。なんなら来た道を戻ってしまう。
う〜〜〜ん。
他のお客さんがいないと入りづらいな…
サイズがないかも。
場違いだと思われるかも。
やっぱりやめとこうかな…

…いや、でもあきやさんの本を読んで、いままで入ったことのないところで試着しよう、と思って来てるんだ。
サイズが合わないかもしれなくても、とりあえず試着していいんだし。
店員さんは、そんなにこちらのことは気にしていない…!
と、自分に言い聞かせる。
あと映画まであんまり時間もない!

思い切ってお店に入った。

店員さんの姿は見えない。
ストレートのパンツが目に止まる。
いいな、サイズはこれだけなのかな。と見ていると、
「パンツをお探しですか?」
と、奥から出てきたらしい店員さんに声をかけられた。

あっこちらから挨拶できなかったな…!
(自問自答ファッションでは、自分から店員さんに話しかけるといいですよ、とお勧めされているので)
緊張しながらも、
「このパンツはこれより大きいサイズはありますか?」
と聞いてみる。
「こちらは、店頭に出ているサイズしかないんです」
そうかー。
いつもならここで試着せずに出るけれど、
「気になるので着てみたいのですが、いいですか?」
とお聞きして、試着室に案内していただいた。

着てみると、着心地はとてもよかった。
丈はちょっと短いか。ウエストはやはり小さくて入らない。
試着室を出て、店員さんにパンツをお返しし、
「やっぱりちょっと小さかったです。ありがとうございました!」
と元気に伝えて店を出た。

映画の時間が迫っていたので、その日の試着はこれだけ。
服屋に入って試着してサイズが合わなかったという、よくあることだ。
けれど不思議と心は晴れやかだった。

いいなあと思っていて、でも着ることはないだろうな…と思い続けていたブランド。
自分で一歩踏み出せば、試着できるんだ。
お店に入って、店員さんと話して、サイズが小さくても萎縮せずに服をお返しできた。
そのことが、なんとも言えず清々しい気持ちにさせた。
行けてよかったなあ。

・・・

なお、この清々しさを感じた百貨店で、数ヶ月後には右往左往することとなる。
その様子は、続きのこちらのnoteで。