こちらあみこ 観たあとのもやもや

こちらあみこ という映画を観た。
胸がえぐられるので何度も見たい映画ではないけど、面白かった。

面白かったけど、
なんというか、、
もやもやが2、3日続いてるので言語化してみる。
※あらすじ諸々は省きます

『変な子』ですまされるラインなのか

っていうのが、ずっと疑問。

『変な子』のラインが、まあまあ攻めてるというか、

正直、弟のお墓をつくってあげることは、
よろしくはないけど、そんな変な感じはしなくて、
むしろこの子ならこれくらいするでしょって感じで

そんなことより
おかあさんが「あなたのすきなものよ」てつくった食事をイラナイって手で追い払う仕草をするほうが、ビックリした。

それは『変な子』のライン超えてるんじゃ、、?

時代設定がふわふわ

スマホなくて昭和っぽい感じもするけど、
SWITCHみたいなの持ってる子もいるし、ランドセルの色バラバラだし、
あみこちゃんに対する同級生の『は?きも』っていう言い回しとか、
テレビは薄型だし、
小学生の私服姿が今っぽいし。

お兄ちゃんの不良ファッションは、笑いどころかとおもうレベルで昭和だし。
というか、唯一声出して笑った。

そこはかとないディストピア感

なんていうか、
SFによくある『何かを禁じられた世界』感があるというか、、
『療育』『障害』という概念を消された世界、みたいな。

あみこちゃんに対する悪口は『変』『気持ち悪い』の2単語だけ。みんなかたくなに、それしか言わない。
あるいは、距離をおいて関わらない。
『頭おかしいんじゃねーの、障害児』くらい、子どもなら誰かが言いそうなもんだけど、誰も言わない。

そういう作り物感がずっとあるなかで
「私の気持ち悪いところ、全部教えてほしい」
ていうあみこちゃんのシーンがすごく良くて、一番リアリティがあった。

一周回って、この子だけがまともで、周りの世界全てがおかしいのでは?
くらい強いシーンだった。


まとめ

総じて面白かったけど、設定の不自然さが気になって、
それが意図的な演出なのか、瑣末なことなのかがわからず
混乱が後を引く映画だったなあ。

いや、素直に見れば瑣末なことなんだろうけど、あれだけ緻密な演出をする監督さんが、スイッチ持たせるかな?とかね。

療育という概念がなくても、
あみこちゃんは小柄だけど手足もすらっとして素直で生命力のある美少女なので、
いつかどこかで知識ある人物に出会って幸せになってほしいなと思いました。

この映画はあみこちゃんの映画だな、改めて。
主人公がガタイ良くて力も強い男の子っていう設定だったら、ファンタジーにはならなかっただろうし



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