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戦コン内定までのロードマップ
0. はじめに
本記事の位置付け
本記事は、戦略コンサル内定までに筆者が実践し、かつ読者にも再現性が
高いことが想像される、ロードマップを示すためのものである。
本記事の対象者は以下を想定している。
戦略コンサル内定に向けて動き出している学生
中途入社での戦略コンサル入りを目指している若手社会人
お前は何者だ
筆者は21卒として外資戦略コンサルに内定・入社したものであり、以降も新卒の採用の動向については知人づてやXなどを通じて随時収集してきた。
昨今のケース面接のお受験化・テンプレート化に対し違和感・危機感を覚え、一石を投じるためにアカウントを立ち上げ、情報発信を開始した。
1. 動き出し期
1.1 情報を収集する
コンサルティングファームと一口に言っても、強みや特徴はさまざまであり、BtoBのビジネスのため、就活生にとっても馴染みがない業界である。
そのため、主要なファームや事業内容について一通りのインプットを入れておくことを強く推奨する。ただし、就活サイトや各社採用ページに書かれている内容を100%盲信することは避けたい。学生を集客する側・採用する側にはそれぞれ思惑があり、情報には非対称性があることを常に念頭に置いてリサーチを進めてほしい。
【参考】有益と感じるサイト例
OpenWork
リアルな声を集めたい時には非常に重宝するが、基本的にこういうサイトに書き込みをする時点で会社に対し何らかの不満を抱えていることには注意
KOGUREさんのブログ
コンサルタントというお仕事について知りたい方は、全ページ読み込むことを強く推奨
1.2 ES,WEBテストを対策する
初期的なスクリーニングのために実施されるES,WEBテストについても、動き出しの時期に固めておきたい。
ESについては、汎用的な質問に対する答えを一通り用意するとともに、自身がコンサルティング業界を志望する理由を深く思考しておくと良い。
声を大にして申し上げたいのは、単なるミーハー・憧れで受けるような生半可な業界ではないということだ。大量採用をしている、コンサルもどきの会社は別にして、そう簡単に務まるレベルの職務ではないことをまずは自覚してほしい。偏差値主義の延長線上で何となく受けるのは、後々になって後悔することになるので、やめた方が良い。
また、可能な限り自身の志望理由を、コンサルティングの実務経験者にみてもらうことを強く推奨する。あまりに現実離れした志望理由を掲げる学生が一定数毎年存在するが、コンサルティングの実務は非常に泥臭く・細かく・日の目を見ないことを理解してほしい。
WEBテストについては、他業界と比較し高めのボーダーが設定されているため、しっかりと勉強して臨むことを推奨する。
基本的には書籍で一通りの雰囲気を掴んだ後は、実際の形式で演習を積むと良い。WEBテストを受験するために、志望度がそれほど高くない企業・業界を併願することは、(あまり褒められたものではないが)演習量を積むための1つの手段として取り得ることは頭の片隅に置いておくと良い。
なお、巷で出回っている回答集を使うことは愚の骨頂なので絶対に避けるようにしてほしい。理由は以下の3つ
正確性が確かでないものに自分のファーストキャリアを任せるのはリスクが高い
ずるしないとWEBテストを通過できないレベルの学生は、後々必ず落ちる
そもそも不正
1.3 ケースのいろはを抑える
既にこのnoteに到達している層は、一定程度ケースのことを理解していることが想定されるが、動き出しの時期からケースに触れておくことは大切であると考えている。
この時期は、いきなり短尺の面接を意識した練習をむやみにすることは時間の無駄なので極力控えた方が良い。
まず就活生が抑えるべきは以下の3要素と考える
そもそもケースとは何かを知る
これは巷の書籍を1~2冊読むと理解できると思う。
以下の書籍は初心者が最初のインプットをするには有用であると考える。
(おすすめ順)
https://amzn.to/3tIQtoV
https://amzn.to/3H9aY1m
https://amzn.to/4aK3uPKケースの勉強方法を知る
本noteはまさにここに該当している。
過去の内定者が実践した方法などはXを中心にたくさん情報が落ちているので、自分なりの勉強法を模索すると良いのではないか。
私が実践した勉強法は以下の通りである
(詳細は下記2章以降を参照されたい)
最低限のお作法を習得する(自分)
→対人ケースの場数を積む(toメンター)
→伝え方に磨きをかける(toメンター)
陥りやすいパターンは以下の通りで、要注意
・ただ闇雲に問題を紙に向かって1人で解きまくる
→ケースはあくまで生物(なまもの)であり、自己完結的な能力ではない
・同じ卒年の学生と壁打ち?
→改善点を指摘できないようでは、壁打ちではなくただの雑談である
・思考パターンを紙で一生懸命整理
→次第に考えることを放棄し、過去のパターンに帰着させることに拘泥し始めるどのような学生が評価されるのかを知る
ケース面接はあくまで面接であり、どんな面接にも必ず評価されるか否かを判定する軸が存在する。
ただ、スマートな回答をすれば良い、正解を言えば良いと勘違いしている学生が非常に多いが、あくまでこれらは数ある評価軸の一部でしかないことを自覚してほしい。
以下は評価軸の一例である
スマートさ:これは自明
思考体力:限られた時間・プレッシャー下の中でも、思考することを楽しめているか
コーチャビリティ:自己の思考に拘泥せずに、こちらの誘導の意図を汲み取り議論を前に進めようとしているか
チャーム:「こいつなら自分のPJのジュニアとして入れても良い」と思わせるような可愛さ・人懐っこさがあるか
2. 就活初期〜応募まで
以降は全て面接対策のための情報であることを念の為冒頭に記載しておく。
2.1 紙上で考える
本格的な選考が始まる前に、ケースの地力をつけることを強く推奨したい。いわゆる面接本番で実施されるような短尺・即興型の面接において、切れ味鋭いことを言うには、まずはじっくり腰を据えてケースに取り組む。
ウェブ上にある問題を、自分で手を動かして紙の上で問題を解くのが基本。かける時間としては30分〜1時間程度をかけていいと思う。その後、自分なりの仮説を検証すべく、ネットリサーチをかけ、実際の事例ではどうなっているのか、それはなぜかを深く考えてみる。
その後、各ケースを通して得られた示唆や学びを何か別の紙に書き留めておき、折に触れて見返せるようにする。
上記の内容は別に他の様々なソースでも記載されていることだろう。筆者も
このアプローチ自体は否定されるものではないと理解している。
強調したいのは、紙上、さらに言うと自分の頭の中で思考することと、他人に伝えることは全く別種の能力が求められるということだ。
まずは思考の地力獲得のためのトレーニングを、時間をかけて行っている、とご理解いただきたい。
解くべき問題については、各社の過去に出たお題をググってもらえるといくらでも出てくると思う。そこに対する模範解答を高額で売っている輩がいるが、要注意。
基本的には1人の人間の見解でしかないものを、あたかも正解であるかのように見せることに、私は明確に反対しておく。
2.2 人に伝え、議論する
紙上である程度ケースのことを思考できるようになったら、次はそれを面接官に正しく伝える練習に入る。
ここで言う伝え方と言うのは、「単に結論ファーストで話そう」といった類の話ではなく、自分の思考回路を正しく相手がトレースするための話し方を身につける、ということである。
フェルミ推定一つとっても、どこまで発表の段階で出し、どこを議論のフックとして残すか、これだけでもかなり受け手の印象は変わってくる。
また、某本で語られているような現状の確認から入り、律儀に一つ一つのフェーズをこと細やかに話す就活生は後を絶たない。
ではどう「人に伝える力」を身につけるのか。
「人に正しく伝える」と言う観点でケースを解説しているような書物は、少なくとも市販で販売されているものではみたことがない。
今は、対人で壁打ち()を実施するのがブームらしい。部分的には正しいアプローチのように見えるが、形式的な指摘に終始せざるを得ないことを考えると、学生同士の壁打ちで見えてくる課題は限定的にならざるを得ないだろう。
過去のパターンへの帰着ではなく、いかに思考しているように見せるか
単なるQ&Aの連続ではなく、議論を継続させていくために、どんな返しが有効か
臨機応変に対応できる子である、と言う印象をどう持たせるか
この辺りを論点に設定してみて、読者自身で思考してみると良いのではないかと思う。(もし質問などがあればXのDMまで。喜んでお答えします)
あくまでディスカッションであることを忘れないでほしい。
限られた時間の中で正解っぽいことを言ったもん勝ちのゲームでもない。
いかにお題に沿って、確からしい結論を2人で作り上げられるか。そう言うゲームであることを念頭に置いて練習してみると良い。
2.3 自信を持つ
思考し、それを正しく伝え、議論ができる。
これが一通りできるようになったあとは、完全に自分との戦いになる。
これはケース面接に限らずどんな面接にも言えることだが、「何を言うよりも、誰が、どんな表情・声色で言うか」が非常に肝要。
コンサルタントとしてマチュアな印象を与えるために、堂々と・自信を持って議論ができるような状態を目指したい。
自信を持って各選考に臨むために、どんな手段を取るかは人によりけりだとは思うが、考えられうるパターンをいかに列挙しておく。
前哨戦とも言える各種コミュニティの選考に通過する
現役コンサル・内定者などから、通過できるようなお墨付きをもらう
(有償メンター)圧倒的に問題数・場数を重ねる(非推奨だが一定数これで内定を取る猛者もいる)
私は、最低限の基礎を身につけたあとは、有償のメンターに依頼し実際の雰囲気を体感したあとは、どんどん企業の選考に臨むのが良いのではないかと考えている。下手に対策厨感が漂ってくる前に、自然に面接に望めるくらいで良いのではないか。
かなり本質に触れたような言い方で申し訳ないが、2ヶ月でMBBに内定する人もいれば、就活留年しても新興ファームにすら引っかからない人もいる。これがリアルである。対策で武装していっても、素の地頭で届かないのであれば、どこかで必ずボロが出る。
であれば、自分が自信を持てたタイミングで、自然体で面接に臨んでほしい。一生懸命対策してきたんだろうなあ、という学生をたくさんみてきたが、いかに効率よく対策できるかを我々はみたいわけではない。
3. 選考中〜内定まで
3.1 まずは数多く当たってみる
選考に実際に応募すると、自分の思い込んでいたよりもうまくいかず、焦る就活生が大多数だろう。(稀に全ての選考を余裕でしてくるような猛者はいるが、そういう輩と競っても仕方がないので無視する)
最終的に入社する会社は1社ではあるものの、なるべく多くの企業に対し挑戦をすることを強く推奨する。
上記の通り、自身が希望したファームの選考がうまく進むとも限らないし、志望度が低いファームであっても、現役のコンサルタントとケースディスカッションができるのであればそれほど無駄な経験にはならない。
具体定な社名を出して、どこまで受けるべきかを議論することは避けるが、自分が1%でもいく可能性があるファームならば、出すことを強く推奨する。
私の場合は、Big4各社を下限にそれ以上のファームを片っ端から出した。無論うまくいかなかったファームもあるが、凡人は大人しく「数打ちゃ当たる」で臨むのが正攻法だ。
3.2 個社ごとの対策をする
特に志望度が高いファーム・他と比較し特異なケースを出すファームに対しては、個別で対策を施すのも一案だ。
志望度が高いファームは、戦コンの中でもなぜそこに行きたいのかを真面目に考えてみたり、そのファームのパートナーが出している本を読んでみたりすることで、面接に備えておくと良いだろう。
過去に出題されたケースのお題や、議論の様子について過去の情報に触れておくことも重要だ。それらの情報を得たからといって内定に近づくほど甘い世界ではないものの、事前の準備の多寡によって、当日の気持ちの持ち方。ひいてはパフォーマンスに少なからず影響が出ることは強調しておきたい。
他と比較し特異なケースを出すのは、MckとATKくらいで、他は大差ないと言うのが筆者の見解だ。ケースの能力を高めておけば、基本的にはどんな
ファームでも対応可能になる。間違っても個社ごとの過去問を解説している謎のケース対策noteを有料で購入してはいけない。
3.3 再現性を高める
ケースには排除できない不確実性がある。
ケースのお題
面接官の当たり外れ・当日の機嫌
前後の候補者の出来
ゆえに、100%通ると断言することはできないものの、限りなく100%に近づけることは可能であると筆者は考えている。
ある日突然ケースが爆発的にできるようになるような魔法は存在しない。確かに、数少ない場数ですんなり内定を勝ち取るような天才的な人間も世の中には存在するが、ひたすら努力を積み重ねて最後に花開いた人間を何人も知っている。
努力に逃げることは簡単だが、努力を積み重ねることもできない人間にこの業界は向かないと確信している。
再現性を1%でも高めるために努力を積み重ねることができる人材と面接で出会い、共に働けることを楽しみにしている。
4. 最後に
なぜ今回アカウントを立ち上げ、こんな長文のnoteを書くに至ったか。
単刀直入に言うと、偏差値主義に染まった教育を、コンサル業界に持ち込んでくる輩に対し、強い違和感と憤りを感じているからだ。
たかだか1~2年在籍し、ドロップアウトしたようなものが、平気で時間単価1万円を超えるような法外な金額で、学生から半ば騙し取るような形で、その辺に転がっているノウハウを押し付けるだけ。そんな業者もどきが蔓延っている現状に、悲しみに近いような心情を抱いている。
このnoteがどれだけの就活生に届いているかは分からないが、どうかケースを、答えのない問いを思考する楽しさを忘れないでほしい。君たちが一生懸命覚えてきた事項ではなく、その場で考えた興味深いストーリーを面接官にぶつけてほしい。
1人でも多くの就活生が、同じ業界人として共にこの国に貢献できるようになることを切に願い、筆を置くこととする。
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casegoro1919@gmail.com
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