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ASGSの記憶

1.ASGSの概要

 ASGSとは、碧依さくらさんが主催するAoi Sakura Gachinko Seriesの略。カジュアル大会ではあるけれども、ALGSと同じルールで行われるということで耳目を集めた。予選は各グループ総当たり戦で、40チームのうち上位20チームが一旦Winnersに進出する。下位20チームはLosers1に進出する。
 この総当たりの予選で敗退が直ちに決まるわけではなく、Losers1で上位10位に入れればLosers2に残れる。要するに敗者復活戦だ。
 逆にWinnersに行っても、そこで下位10チームに入ればLosers2に回される。
 Winnersの上位10チームと、Losers2の上位10チームが決勝に進出し、マッチポイント形式(俗称・ポーランドルール)で執り行われる。50pt獲得した次のマッチ以降でチャンピオンを獲ったら優勝で、かつそこで試合が終了となる。チャンピオンを獲らない限りは終わらない。過去最長は13試合。
 ただ、過去に4試合くらいで終わってしまったことがあるので、最低6試合は敢行することとなっている。4試合でチャンピオンが決まる可能性はあるが、2位以降は6試合終了まで決まらない、というわけだ。

 このASGSは、競技勢や有名配信者が数多く出場した。
 我らがTIE Ruも出場しているし、競技(元競技含む)の有名どころでいえば1tappy, YukaPEROdator, Parkha, 788, すでたき、きのこゲンジなどがいるし、他にも胡桃のあ、ハセシン、Civ:aなど有名配信者が多数出場している。

 そういった有名どころを集めながらALGSと同じルールで行うことにより、視聴者のALGSへの導線を作るという趣旨もあったようだ。
 ALGSは運要素を減らして実力を反映させようとするため、どうしてもルールが複雑になる。それに接することで、そういった複雑さへの抵抗感をなくそうということなのだろう。

2.ASGSで見ていたチーム

 言うまでもなく私はTIE Ruをずっと見ていたけれども、同じCグループのParkhaのチームも見ていた。そのチームのさなちやんという女子高生を、少し前から見ていたため。
 「お、ASGSに出るんか」と思って2窓で見ていた。
 予選のグループリーグは、どちらかというとParkhaチームの方が優勢だった。どっちも予選リーグは突破してWinnersに進んだが、順調だったのはParkhaチームだった。
 WinnersではRuチームが好調で、逆にParkhaチームは低調でLosers2に回った。ただ、Losers2でキャラ構成を少し変えたらハマり始めて、Losers2は波に乗って突破した。
 Parkhaはなんといっても元T1の競技勢で、ものすごく強い。ただ、やはり言語の壁は相当大きいなと思った。ファイトのときに、Parkhaが降りる判断をしても、さなにそれが伝わらない。だからワンテンポずれてダウンしてしまう。ということが何度もあった。そういったところで息を合わせるのが難しいので、相当苦戦している様子が窺えた。
 それと、Losers2の途中から、さなのキャラピックをブラハ→ワットソンに変更したが(Laivがワットソン→クリプトに変わった)、多分ワットソンを使い慣れていなかったようなので、そこでも苦戦していた。

 これに対し、Ruチームは連携力が高いのが利点だった。言語の壁がないというのももちろんだけど、RuとGianはいつもApexをやっている仲だし、Lemonも昔からTIEとよくやっているので、連携力が高いのだ。キャラも割と万遍なく使えるので、そういった点でも強い。

 なので、Ruチームは安定してポイントを重ねることができ、Parkhaは動きを合わせるのに四苦八苦していたという印象だった。
 ちなみに、途中でさな配信が荒れたので、急遽モデレーター権限を渡されることになる。BAN基準とかもよくわからないので、私の肌感覚というか、Ru配信と基本的に同じような感じでモデレートしてた。

3.そしてFinalへ

 予選やWinnersではFtyanチームが圧倒的な強さを見せていたので、正直いってこのチームが優勝候補最右翼だと思っていた。
 予選リーグでは、Ftyanチームが221ptという圧倒的なポイントを獲得していた。予選リーグ突破のボーダーラインが94pt, 2位でさえ187ptだったことから、いかに突出しているかが分かるだろう。Parkhaチームも予選3位ではあったが、170ptだ。
 WinnersでもFtyanチームが強く、1位通過。2位通過のチームとは7pt差なので肉薄していたものの、LykqがEWCに出場する関係でFinalには出場できず、Ftyanチームの有利が予想されていた。

 ただ、いざ蓋を開けてみたら、Ftyanチームも堅実にポイントは稼ぐものの、それを上回る圧倒的な勢いでParkhaチームがポイントを稼いだ。
 2位(8kill=17pt)→1位(10kill=22pt)→3位(3kill=10pt)と、高順位でポイントを稼ぎまくって3試合で49pt. 4試合目終了時点で50ptを超えてマッチポイント点灯。
 5試合目は僅差で撃ち負けて2位となり、6試合目は初動で狙い撃ちされて1人欠けた状態で戦うはめになり6位に沈む。スキンを変えて挑んだ7試合目でチャンピオンを取り、終戦となった。
 ずっと見ていたが、常に安地に先入りし、強ポジを守り抜いていた。Parkhaが常に細かく指示を出し、とても丁寧に立ち回っていたのが印象的だったし、さなもそれに必死についていっていた。

 結局、Final前までは圧倒的な強さを誇っていたFtyanチームは最終的に10位で、マッチポイントを点灯させることも叶わなかった。何があったのかは分からないけど、予選と本戦の違いを痛感した。
 そして、Ruチームも最終的に11位に沈んだ。1試合目に、安地外で蜘蛛を撃っていたらGianがエラー落ちして復帰できなくなるというバグに見舞われた。2試合目こそ2位で挽回したものの、4試合目以降で流れに乗れなかった印象だった。移動で渋滞して、他チームと足の引っ張り合いになってしまい、やりたいことをやらせて貰えない感じになっていた。この辺も、本番ならではの難しさと、激戦を幾度となく繰り広げてきたParkhaの経験の賜物なのだろう。

4.明暗分かれたチームを見届けて

 まさかモデレーターを務めてる2チームを同時に見届けることになるとは思ってもみなかった。
 さなにモデレーター権限を与えられたのは、基本的に常時配信を見てコメントをし続けてるというのと、🐧モデレーターを務めているという信頼感ゆえなのだろうと思う。
 たしかに、🐧モデレーターを3年以上務めた経験値はあるけれども、やっぱり配信者も違えば視聴者層も違うので、そう簡単にはいかない。🐧のモデレーターは、ある意味で簡単なのだ。有名配信者だし、自分の一挙手一投足を多くの人が見ているという緊張感はある。けれども、配信のスタイル等々が既に固まっているからやりやすいし、視聴者の年齢層は高めだから荒れることも少ない。
 女性配信者(&異性のモデレーター)となれば、リスナーとの関係でも難しいものはあるし、配信者の機微を汲み取るという点でも難しいものはある。配信スタイルも確立していないというのもある。たぶんこれで一気に有名になっただろうから、ここから伸びていくだろうけれども、伸びていく過程での難しさもある。Ruと違って若いから、まだ社会経験も少ないし、そういった世渡り的な問題もある。モデレーターがそれらすべてに対応する義務はないけれども、Ru配信とは違う難しさがあるということ。
 ただ、この大きな大会で勝ったことはもちろんうれしいだろうし、彼女の今後という点でも大きな意義があったと思う。曲がりなりにも色々な社会経験を積んだ身として、彼女が後悔しないような手助けをしてあげられたらな、と思う。

 これに対し、Ruチームはとにかく苦戦した。予選でもWinnersでも順調に勝ち上がったのに、Finalだけ歯車が噛み合わなかった。Lemonはランドマーク選びを間違えたかもしれないと言っており、そうなのかもしれないし違うのかもしれないけれども、いずれにせよ苦しい戦いだった。
 とはいえ、フラストレーションの溜まるような展開だったわけでもなく、雰囲気も良かったし、見ている側も楽しめた。

 モデレーターとしても、どちらの配信もうまくコメント欄の管理ができたかなと思う。行き過ぎたコメントやアンチコメントは処したし、他方で萎縮したり要らぬトラブルが起きないコメント欄にできたと思う。両配信のコメント欄を管理するというのはなかなか大変ではあるけれども、恙なく終えることができたのは良かった。

 今回の大会は、おそらくかなり挑戦的な大会だったと思う。
 拘束時間も長いし、ルールも複雑だ。競技を見ない視聴者にとっては、なかなか理解がしづらかったと思う。「ここで勝てばいい」というような明確な見どころがあるわけではないので、「この試合で何をすればいいんだろう?」というのがどうしても見えづらいのだ。
 私はRu配信でその都度説明したり質問に回答してきたけど、他の配信でもおそらくよく分からない視聴者は出てきたと思う。ただ、競技のルールに詳しい視聴者とかが、適宜教えてくれたのだろう。だからこそ盛り上がったのだと思う。
 これだけ大規模な大会を運営するのも大変だっただろうが、成功裡に終わって本当に良かった。

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