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この家のコンセプトの一つに「可能な限りリサイクルや天然の素材を使って作る」と考えています。2020年初頭、私たちはメキシコ版土壁Bajalequeバハレケの講習会に参加し、その方法を学んできた。仲間もできた。その講習会についてはこちら


 
2020年7月、年明けにメキシコシティから運んできた竹のうち、細いものを選び、土壁の基礎となる骨組み「竹小舞」ように細く裂いた。日本の職人さんが持っている竹を均等の幅に裂き割る道具などないので、マチェテ(なた?)で一本ずつ。長さを揃えて切っていく。

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 竹小舞を作る土壁スペースには、上下左右に木の板をネジではめていく。生まれて初めて、電動ドライバー(って言うんだ!)を使うことになる。初めてよ!
 縦横それぞれ30cmごとに支えとなる強めの竹を、上下もしくは左右に打ちつけた木に食い込ませて固定するよう、木に少し彫り込みを入れておく。

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ちょっと大きめに切った竹を支えにしつつ。

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 竹を切ったものを、一本一本、麻紐を括り付ける。始めは縦に、全ての竹をくくりつけたら今度は横に向かって麻紐で括り付ける。麻紐が結構ガサガサするので、指が痛くなる。

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 そんな作業をしながら、昔は各家庭でこの作業を行ったり、冬など農作業ができない時期に他のお宅のために作業されたりしたんだなぁ、と思いながら。

 何となくネットの情報から見様見真似でほんの60cm幅の竹小舞を仕上げる。途中やんちゃなエビに邪魔されつつも結構集中してできたので、満足。

 数日後、庭から出た黒土と、乾季の間に集めておいた干し草を水で練って竹小舞に押し付けるようにして貼っていく。ねっとりずっしり重い干し草をつなぎに入れた黒土を隙間なく入れていく。

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 今は雨季なので、完全に乾かすには時間がかかる。およそ30日後に、上塗りをする。のだが、何だがカピカピすぎて、これでいいものか悩んでしまう。

 と、ここまではこの60cm x 2.8mの部分を試験的に土壁にしていた。
 実は、大半の部分を2月の講習会の主催者と話を進め、今後彼らが講習会を行う際の実地研修場としてうちを使うことでイベントの計画を依頼していた。講習会を行うのは彼らで収益も上がる、うちは場所を提供するだけで参加者がうちの壁を「実地訓練」として作っていくが、うちには何の収益もない(いやいや、いらないです)。
だがしかし、世界中に新型コロナウィルスが蔓延し人だ集まることなどは全て延期。Arkadia で計画されていた講習会も結局数回流れてしまい、2021年6月現在、まだ行われていない。
取らぬ狸の、と思うと少し悔しいのだが、実際ここで週末を使って十数人で土壁づくりを学びながら実地でやって(もらえる)ことを計画していたので、コロナ禍の影響、こんな田舎までやって来たか、と実感している。「逃げるは恥だが役に立つ」ではないが、時事の流れにしなやかに、「エコな家じゃなきゃ嫌だ!」と固執せずに、多少方向転換するのも致し方ない。私たちにも時間のリミットはあるのだ。
と言うことで、残念だけれども数々の計画を方向修正し、土壁予定地が他の素材になるのは今、2021年6月、ちょうど進行中なのでまた後ほど。

ちょうど今日、このnoteを書く前に、上で作った竹小舞と土壁(途中)を、これもやむなし、と撤去したところ。ふむ。まあちょっと残念だけど、しゃーない。

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