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前年末、人生初、アルカディア初の燻製を作った。

結果、不味くはないけど美味しい!とも思わなかった。敗因はチップ。チップというより、オガクズ。やりすぎた。あれはやりすぎたらいけないのね。臭くてラップもビニール袋もしてるのに臭う臭う。野菜と炒めても、スモークの匂いがキツすぎて全部持ってかれちゃう。

 どうにかしたいじゃない?

 お茶っぱを燻すというのを見た。

 でも、私は筋金入りのもったいない星人。お茶っぱは出涸らしのを乾かして使うことにする。9割出涸らしリユース、1割新品茶葉。

 

 今回のスモークは脂の少ないヒレ部分を使う(腹回り、という部位名なんだけど、日本ではヒレでいいのかしら)。

一週間の塩漬けでもともと締まりのいいお肉がまた一段とキュッと。

 

チーズもやってみる。

 シリコン製のオーブンシート、サイズ調整でちょっと切ってあったものの上に乗せてみた。

 あちゃ〜

チーズ、でろんでろんに溶けてしまった。ハードチーズならいいわけだな?たまたま冷蔵庫にあったのがフレッシュチーズだったので、燻製になるどころかクリーム状に逆戻りよ。でも食べられないわけではないのでパンに挟む。まずかぁない。

ベーコンの出来、素晴らしい。出涸らし9割のお茶っ葉だけどオガクズスモークとは全然香りが違う。もっとふわっとしたスモーク臭。だけど弱い、というわけではなくしっかりついている。オガクズのはツンツンした感じだった。いつになるかわからないけれど次回ベーコン作るときはこの9割出涸らしお茶っ葉でバラ肉スモークにするだな。


3月半ばの夕方

窓から入ってくる風が少しきな臭い。

乾季の後半、今の時期が一番乾燥しているのであちこちで野火や不始末からの山火事が起こる。ちょうど私たちが朝から出かけていて、その間に西側1km先の空き地が燃えているとご近所さんが知らせてくれた。大抵この「不始末」というのがゴミを燃やした延焼で、ゴミを山にして火をつけた後、ちゃんと消していかないのが原因である。というか、おそらく最初から火を消すことを念頭に置いてないんじゃないか、と思う。農場や空き地の管理を任されてゴミ処理をその一環にしている人にとっては、ゴミの山がなくなればいいだけであって、その周りがどう燃えようが知ったこっちゃない。そこに住んでいるわけではないから火をつけたらそれで終わり。

昼間の連絡以降、私たちが帰宅したのが夕方5時。帰り道にその方角を見ると、少し煙は出ていたものの大きく燃えている様子はない。なので私たちもそのうち消えるだろうと思っていた。

 しかし実際はその火は風に乗ってどんどん東に進み、私たちの家からもその炎が見えるほどになっていた。いつも犬達と散歩をするコースのあたり。

 消防車を呼んだが一向に来ない。ご近所連絡網にもメッセージを入れ、複数人が連絡したが消防車は来ない。民家が燃えてるとか出ないと来ない。空き地?燃えたって別に誰も損しないでしょ?ぐらい。



今燃えているところから一番近い民家がうちになる。石塀と金網で囲われているとはいえ、家屋の建物はブロックとはいえ、でも車もある。火が近づいてきたら溜まったもんじゃないので、少し食い止めようと、濡らしたタオルを口に巻き、スコップやら持って出ていく。

火の先端を消し、それ以上進まないように。

1月に重機を入れて開いた道が功を奏して、こちらに火が進むことはなかった。そのまま、火は消えていったが、次の一週間、もう燃えるものが周囲に無くなった古木がずっと燻っていた。


道が火の侵入を食い止めてくれた

ということで、火が落ち着いて数日後。

またもやスコップやら大きな空きタンクやらを持って現場に戻る。

倒れた木がそのままの形で燃えていた



ずっと燻っていた古木はあたり一面真っ白な灰になり、雪のように積もっている。これをそっとタンクに入れて持ち帰り、草木灰として畑の肥やしにできる。転んでもタダじゃ起きない。120Lタンクに一つ、20Lバケツに2つ。これだけあれば、畑一面に撒いて2年分ぐらい使えそうだ。


その十日後。 

昼過ぎに出先から帰宅したクマ夫が「なんか燃えてる匂いするんだけど、帰り道からは何も見えなかった。この前の匂いかな」とかなんとかぶつぶつ言っていた。

風もほとんどなく、窓から焦げる匂いもしない。

数時間後、自宅の一番裏手の部屋(第二寝室)で仕事の打ち合わせを始めた途端、窓の外からパチパチと音がして、突然煙の匂いもしてくる。狭い視界の窓からみただけでも、裏の空き地が燃えているのがわかる。打ち合わせをしている場合ではないので急遽相手にそれを伝え、中断させてもらう。

2階に上がり裏庭を見るとあらあらあら、燃えてる燃えてる。

 西側ももうすっかり燃えて、家に後数メートル。風が東から西に向かって吹いていたためか、匂いがしなかったのだ。

 昼寝をしていたクマ夫を起こし、セサールに連絡をし、近所にも知らせる。民家にこれほど火が近づいたのは初めてで、ありったけの水で消化活動をする。隣家の裏手にある切り株、薪、立木に燃え移り、持っていた合鍵で中に入りそれらを消す。

ようやく消防車が来る。

が、子供の使いのように全く役に立たない。そこじゃないだろう、という場所に水をちょいちょいとかけて、記念写真を撮って終わり。まだ燃えているから消してくれ、と頼んでも「ああ、あれは自然に消えるから」と。

全く役に立たない。

一番助かったのは、害虫駆除用の噴霧器。セサールが20L水が入るものを背負ってきてこまめにシューシューと水をかけ消していく。バケツ水をかけていてはその蒸気で火は周りに広がってしまう。霧状の噴霧器で火の先を少しずつ消していくのが一番だった。

消防車は当てにならん、近所もセサール以外は当てにならん(エクトルさん達は家の前の通りに椅子を出して眺めているだけだった)、ということで自衛手段。うちもあの噴霧器を買う。家の4隅に緊急火消し用水を置く。今年の雨季が終わったら、家の周り5mの草木枯れ木は刈っておく。

 ほんと、当てにならない消防車って一体なんなのよ。


家の周りはすっかり激変。地面を覆い尽くしていた枯れ草みんな燃えた。ノパルも燃えた。ぜ〜〜〜んぶ綺麗さっぱり燃えた。

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