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テクノホライゾン(6629) 雑メモ

個人的に同社に持っていた印象は、①価値創造ストーリーの言語化が弱い、②株式市場へのスタンスが分かりにくい、等だったが、決算公表資料を見ると色々変化が出てきているのかな?と感じた。例えばテクノホライゾンとは何なのか?の再言語化、財務ディシプリンの在り方の共有、説明文付き決算資料の公表、資料上に見られる各ワーディング等。

少し前まで同社はテクノホライゾン"HD"だったのだが、Aが同じグループにいることがBにとってどういうメリットがあるのか?、テクノホライゾンで言えば、エルモとタイテック、中日諏訪オプト電子が同じグループにあることは何をもたらしているのか等、シナジーを通じた競争障壁の説明がないと、複数事業を持つ事でのデイスカウントに繋がってしまう。

で、足元ではこれらの言語化が進化している印象を受けた。言語化の洗練による資本コスト低下を通じて、投資家が高いマルチプルを許容しやすくなる(P/Eの因数のうち、欠けていたrが徐々に明確になってきた)。

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・同社は3子会社を吸収合併して純粋持株会社から事業会社へと移行。これに伴い社内カンパニー制を導入し、エルモカンパニー、ファインフィットデザインカンパニー、タイテックカンパニーが「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の分野をカバーして既存事業のシェアを高めることに注力しつつ、技術連携、共同商品開発の強化による高付加価値事業や商品・サービスの展開を推し進め、成長を目指す。直近決算短信からの引用は以下。


具体的には、以下に掲げる経営課題に取り組んでまいります。

1 次の100年もみなさまに信頼され、更なる成長企業を目指す(旧エルモ社100周年を迎えて)

1) 企業文化の異なるグループ企業集団が2021年4月1日付で合併し、コンパクトなホールディングス会社か ら大規模な事業会社になりました。従業員のベクトルを合わせ、組織の一体化を加速させるとともに、早期のシナジー創出を実現していきます。 「ベンチャー企業の機動力」と「大手企業の力強さ」を兼ね備えた他社にはできないことに取り組む企 業体とし、今後ともグローバルな「人と社会」に貢献していきます。
2) 当社は積極的な社内組織再編などにより、経営体質の改善・強化を実践してきました。また、更なる事業強化のためより一層の経営体質の強化を行い、積極的なM&Aを実施しており、借入も大きくなって います。今後も営業キャッシュ・フローを生み出す経営により財務体質を改善して、適正な借入と事業の拡大をバランスよく実行してまいります。
3) われわれもSDGsへの取り組みは必須です。商品・サービスを通じた社会への価値提供により、人と 環境に優しい企業体として活動していきます。

2 事業の強化
1) 「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の重点4市場に対し、これまでは「オプト(Opt:光学)、エレクトロニクス(Electronics:電子)技術」で価値提供してきましたが、今後は「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して企業や人々に役立つ商品・サービスを積極的に展開してまいります。
2) 映像&IT事業は、ICT(Information and Communication Technology)教育機器への世界的な関心と、企業におけるDX需要の高まりに適切かつ速やかに対応できるグローバルなマーケティング力強化と商品開発に力を入れてまいります。 ロボティクス事業は、ロボット制御機器等の性能向上、更には工場改善ソリューション商品を強化し、 より現場に密接したサービスを、日本のみならず中国・アジアを中心にグローバルに展開していきます。
3) 当社が持続的な成長を遂げるためには、「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用した商品・サービ スをグローバルに展開するとともに、事業を発展させ、社会貢献を実現するために更なるM&Aが必要 と考えています。これにより短期間で新しい商圏に参入でき、もしくはサービス・商品が提供可能となり、より良いお客様目線の活動ができる様になります。

3 社内体制の整備
1) 社会の信頼に応えつつ、企業価値を継続的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みと、有効に機能発揮させることが重要であると認識しています。経営の効率化や透明性・ 健全性の確保、監督体制の構築、遵法対応・リスク管理の強化など、経営上の組織や仕組みを整備して、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
2) 当社は企業におけるDX化需要の高まりに対応するソリューションを提供していく一方で、当社も社内インフラを強化してDX化(経費精算、ERP、タレントマネジメント、予実管理等)を推進し、生産性向上を図ることで、従業員がステークホルダーに多くの価値を提供できる企業体を目指していきます。
3) CSRに積極的に取り組み、未来を創造する企業として、従業員・お客様、社会の求める満足感に充分 応えられるよう、コンプライアンスの徹底、ステークホルダーへの積極的な情報開示、環境への配慮な ど、具体的に実践してまいります。

・以下はテクノホライゾン全社集会の模様だが、「経営の洗練」「ヒト」にもきちんとスポットライトが当てられている。

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・機関投資家を増やせる時価総額に入ってきたと思うが、機関投資家とのコミュニケーションの量と質を増やす取り組みはこれから。ステークホルダーコミュニケーションへの意欲は感じられる、コミュニケーション強化だけでも株価上昇の余地は大きいと感じる。

現在は個人投資家主導の相場だが、価格形成維持能力のない個人投資家主導の相場は水物で意味ないので、ここから機関投資家の保有へとうまくバトンを繋げるべく事業・ヒト・経営の洗練+IR活動強化を進めて欲しい。



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