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上級医も知らない臨床の裏ワザ・トリビア!

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あまりしられていない臨床の裏ワザや,慣習的なプラクティスをひっくり返すようなネタを集めました!研修医はもちろん,後期研修医以降の医師でも知らないことがきっとあるはず!
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#救急医学

胸腔ドレーンにまつわる話 〜うつりゆく医療にどう対応するか〜

【このトピックスで学べること】 ・気胸とその治療の胸腔ドレーンをかんたんにおさらい ・「鈍的穿通法」と「トロッカー法」のどちらが良いのかを根拠を持って理解できる ・なんとなくの臨床から脱却できる ある日,胸が痛いという若い患者さんがやってきた。レントゲンをとってみると原因は一目瞭然,気胸だった。しかもけっこう肺がしぼんだ状態だ。実は若い人には気胸は意外と多い病気なのだ。 「これは胸腔ドレーンで脱気が必要だなあ」 ということで,今日は胸腔ドレーンにまつわるお話。 胸腔ド

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カリウム補正に悩んだ研修医のあの日(改訂第4版)

私が研修医だったある日,指導医の先生からの簡単な指示をもらった。 「患者さんのカリウムが低いから補正しといてよ」 電解質の補正なんてありふれた治療であり,そんな難しい仕事じゃないと思っていた。しかし,いざやれと言われるとやり方がわからない。それどころか「カリウムのワンショット(急速)静注は禁忌」という呪いにかかっていた私は,たちまち身動きが取れなくなった。下手なことをして患者さんが死んでしまうかもしれない。しかし指導医は忙しい。簡単に聞きに行ける雰囲気でもない。そんなこん

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【絶対おぼえられる】理論的なアドレナリンの投与方法

※この記事は成人患者を想定して記載しています。 *** 医師になりたてのころ,とっさの場面で治療の指示が出せなくて患者さんがなくなったらどうしようと緊張していました。ドクターカーで救急現場に出場したとき,自分しか医師がいない状況で,決定的な治療をちゃんとできるか不安でした。 救急の場面では、放っておけば亡くなるかもしれない重篤な状況があります。しかし正しく治療すれば注射一発で状況が改善する場面もあります。そんないわば逆転ホームランともいうべき場面で,医師として自分が使い

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早まるな? 遅れるな? 〜AKIの透析タイミング〜

波が寄せては返すように,あたらしい知見が発表されてしばらくすると逆の知見が発表されるのが世の常。今日はそんなお話。 *** なんらかの事情で急性に腎臓が障害されることがある。いわゆる急性腎障害( AKI ; acute kidney injury )というやつだ。そんな状態を目の当たりにしたとき,どんなタイミングで腎代替療法を導入しますか? 直感に疑問を持つ腎機能が悪いのであれば透析をすればいい。直感的にはそう思う。そうと決まれば,透析のために Vasscular Ac

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