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再会と永遠の別れ、そして、これから…

私の父は、 母の他界後に認知症が悪化して、数年は介護施設で暮らしていました。施設での対応が困難となって、病院に移ってから3年になります。

コロナ禍に入って面会はかなり制限されていましたが、急に可能となって、先日帰省してきました。
「残念ながら、もうお別れの時が近いと思われるので」         という特別な配慮があってのことです。


私には、姉がいるのですが、彼女は、更年期を境に心身の不調から、外出が困難になっていました。ある時期から、連絡を入れても反応がなくなり、父への面会を提案しても、返事がない状態にありました。

もう5年以上も会えないままで・・・

姉のことを思うと、「彼女の家族が守ってくれている」と分かっていても、私は、胸がキュウキュウ、と痛み・・・何かがつかえているような感覚を抱いていました。


そんな中、今回の帰省で、姉との再会が叶いました!

「父との最後の面会になるかもしれない・・・」
そのような思いが姉の心を動かしてくれたのだと思います。

驚きと感激で興奮気味の私と、こちらの目を見るのも難しいそうな姉。  そんなぎこちない再会の後、二人で父のいる病室へ向かいました。


7分足らずの面会時間。私にできたことといえば、ぼんやりと目を開けている父の手を取りながら、

ずっと会いたいと思っていた姉と、やっと会えたことの嬉しさ と、   私を世に送り出し、育てくれた、父への感謝 を伝えることでした。

私に続いて、父に近づいた姉。彼女の口から、

私に会えたことへの嬉しさと父への感謝の言葉を聞くことができた時…

じーんと、柔らかい振動が体全体に響くように伝わって、そして、温かく、やさしい何かが、喉の下から足先まで、ゆっくりと流れるのを感じました。
さらに、
父に見守られ、支えられているように感じ、深く心地のいい溜息をついたことを覚えています。


父との永遠の別れが近いと思うと、やっぱり切ない気持ちにはなってしまいます。


けれども、

あの時私の体に流れた、温かくやさしい感覚、そして、心地のよかった溜息を思い出すと、なんだか心が落ち着いてきます。

そして今、

「一人でも多くの人たちの心理的支援をしていきたい」という意欲が高まってきているのと同時に、「身内である姉も支えていきたい」という思いも強まっている私がいます。


再会の時が私に運んでくれたもの。それは・・・

「大きな喜び」と「感謝」

「気持ちを伝えられたことの心地よさ」

そして、

「未来への意欲」

でした。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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