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【コミュ障の趣味史⑮】サイクルロードレース

今回紹介する趣味はサイクルロードレースです。
サイクルロードレースとは自転車(ロードバイク)で街中を走るレースで、ツール・ド・フランスはサイクルロードレースの中でもっとも有名な大会です。

私は自転車に乗れません。自転車に乗れないのにもかかわらず、学生時代には競輪とサイクルロードレースに熱中しました。

サイクルロードレースを知ったきっかけ

サイクルロードレースを知ったきっかけは、たまたまYou Tubeで動画を観たことです。十数人の集団が密集して自転車をこいでいる映像で、最初に見たときは何が何だかよく分かりませんでした。
しかし、各選手が戦略をもって走っていることは理解でき、わずかながら興味を持ちました。

ツール・ド・フランスの概要

ツール・ド・フランス(以降ツールと呼ぶ)は24日間にわたって3000km以上を走るレースで、7日間走って1日休息日というスケジュールで1日200km前後を走ります。選手たちが走るコースは平たんな道のりだけでなく起伏の激しい山岳コースも設定されており、スピードやスタミナだけでなく急坂を上るパワーも要求されます。

サイクルロードレースは基本的にチームで出場し、1チーム6~9名で協力して走ります。チームで走るというのが面白い点で、基本的にチーム内で一番強いエースと呼ばれる選手を勝たせることを目的として走ります。エース以外の選手はアシストと呼ばれ、エースの風よけになったり水分補給をしたりとエースを勝たせるために献身的に働きます。

レース展開

ツールでは1チーム8人出走できるため、様々な駆け引きが生じレース展開も複雑になります。
サイクルロードレースにおいて特徴的なのは、序盤は数人~数十人で構成される逃げ集団と有力選手たちが集まるメイン集団に分かれ、メイン集団は体力を温存しながらレースを進めていきます。選手はそれぞれ無線をつけており、互いの集団の距離を把握して走っています。
レースも中盤に差し掛かると、それぞれの集団で戦略的にスピードを上げる選手が現れます。これをアタックと呼び、アタックが入るとレースが活発になります。

各選手の狙い

また、メイン集団で走っている選手の中にもそれぞれ思惑があり、21ステージの合計タイムで競う「総合優勝」を目指す選手、各ステージのゴール地点や中間地点を通過した順位に応じてもらえるポイントを競う「ポイント賞」を目指す選手、山岳の頂点を通過した順位に応じてもらえるポイントを競う「山岳賞」を目指す選手等に分かれ、それぞれの思惑は異なります。

例えば、総合優勝を狙う選手であれば、無理にステージ優勝を狙う必要はないためほかの総合優勝を狙うライバルに差をつけられないように走ります。

ポイント賞狙いの選手であれば、平坦なステージではステージ終盤までメイン集団で脚をため、ステージ終盤でアシスト達の力を借りて前に出て、他チームのスプリンターと順位を競います。

逃げが残る熱い展開

基本的に、逃げ集団よりメイン集団の方が力のある選手がそろっています。そのため、レース終盤にはメイン集団が逃げ集団に追いつきます。しかし、思いのほか逃げ集団が速かったり、メイン集団でけん制が入ったりすると逃げ集団がメイン集団に追いつかれずにレースが終わるケースもあります。ゴールまで残り数kmになっても逃げ集団が追い付かれていないと、逃げ切るか追いつくかハラハラする展開になります。

たくさんのレース動画を見ることで、様々な試合展開を知ることができ、サイクルロードレースの魅力にハマっていきました。

チーム名の響きが格好良い

また一風変わった視点かもしれませんが、チーム名や選手名の響きの格好良さもサイクルロードレースに興味を持った理由の一つです。

「AG2R(アージェードゥーゼル)」「グルパマFDJ(エフデジ)」「モビスター」等最初は解説を聞いていてよく聞き取れないチーム名が多かったです。
チーム名を覚えていくにつれ、海外のチーム名を知っている自分はすごいという充実感と謎の優越感に満たされ、結果的に100名近くの選手名を覚えました。

ちなみに、ツール総合優勝者のみが着ることの許される黄色いジャージを「マイヨ・ジョーヌ」山岳賞ジャージを「マイヨ・ア・ポア」ポイント賞ジャージを「マイヨ・ヴェール」と呼び、ジャージを着ている選手のことを指すこともあります。

「マイヨ・ジョーヌが先頭に立つ」「マイヨ・ア・ポアがリードを広げる」といった具合に、そのジャージを着ている選手をジャージで呼ぶ文化もかっこ良いと思います。

ぜひ皆さんもツール・ド・フランスの動画を観てみてください。ハマる人はとことんハマる奥深い競技だと思います。

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