今年のシーズンの展望(リリーフ編)

複数回に渡ってお送りする来シーズンの展望
今回はリリーフ編です
昨年のカープのリリーフの全体的な成績をざっくり振り返ってみますと全体の防御率は3.87と全体的にそこまで悪くはないですが好不調の並みが激しく駒不足は深刻で夏場にはフランスア投手が月間最多登板を記録するという不名誉な事態を引き起こしました
また、クローザーの中崎も無敗を保ってたとはいえ全体的に安定感にかけてました

そういう意味でリリーフ陣は来年のもっとも不安な要素であり四連覇に向けた最大の課題です

ではまず勝ちパターンの投手から見ていきましょう

勝ちパターンに入り込むことが予想されるのは
一岡、フランスア、中崎の三人です
一人ずつ見ていきましょう

一岡投手は昨年59試合に登板して防御率2.88奪三振率9.75を記録しました
前半戦は芳しくなかったですが徐々に調子を取り戻し夏場には崩壊していたリリーフ陣の救世主となりました



前半戦不調だったのは色々な要因があるとは思われますが不調だった時期は少し違いますが過去数年は前半戦の成績が後半戦に比べて芳しくなかったことからしてもしかしたら一岡自身が前半戦を苦手にしてる面はあるかもしれません(神がかってた2014の前半戦がありましたし違う可能性もあります
求められる役割としてはおそらく七回を投げるセットアッパーが濃厚でしょう
十分それがこなせるほどの実力はありますし普通にやれば問題ないでしょう

次フランスアです
フランスアは昨年育成契約から途中で支配下契約を勝ち取り当初は先発をこなしていましたが途中からリリーフにまわると左としては圧倒的な出力によって打者をねじ伏せ47試合を投げて防御率1.66とリリーフの救世主となりました
左というのも右投手軍団になっている今の広島のリリーフの中では貴重な存在です


今の広島のリリーフでは間違えなく最強投手なので他球団も研究してくるでしょうがあの出力を維持すれば中々打ち崩すことは出来ないと思うので大崩れはないと思います
求められる役割は昨年の終盤同様に八回のセットアッパーでしょう
個人的には奪三振率が11.22と飛び抜けて高く、ジョーカー的な役割をした方がよい気もするんてすが緒方監督は八回に最強の投手を置くという考えの持ち主であり現状八回を任せられるほどの選手がいないことからここの役割が濃厚だと思われます

最後は中崎です
中崎は昨年はシーズン通してクローザーとして活躍し68試合を投げて防御率2,71という成績を残しました
シーズンの終盤まで無敗と騒ぎ立てられましたがセーブ失敗も多くクローザーとして安定感に欠けました


中崎の課題としてはやはり春先やポストシーズンといった気温が低くなる時期の投球でしょう
春先はシーズンの残りと比べて明らかに成績が落ちてますしポストシーズンは昨年や2016年の日本シリーズから分かるように散々です
原因としては血行障害があげられます(この点についてはYumaさんという方がノートにまとめられてますのでそちらをご覧いただければ理解できるかと思います)
血行障害という理由ですから改善は中々難しいと思われますしひょっとすると春先やポストシーズンは中崎にクローザーを任せないのが賢明かも知れません

求められる役割として例年通り九回を投げるクローザーでしょう
昨年の成績ではやはりクローザーとしては不足してますしシーズン通して安定感のある投球が求められます

ここまでの投手は勝ちパターンとしての起用がメインになるでしょう
次は接戦での試合で投入されそうな投手です

筆頭はアドゥワでしょう
高い身長と長い手足から投げるムービングボールが持ち味の投手で昨年は高卒二年目にも関わらずリリーフとてずっと一軍に帯同し53試合を投げて防御率3.74を記録しました
接戦の場面での投入やロングリリーフなどの回跨ぎなどをこなし便利屋として申し分ない働きをしました 
(高卒二年目の投手に任せるポジションかは疑問ですが)
特に前半戦はアドゥワなしでは回らないぐらいチームの核となる存在でした



来シーズンは先発にも意欲を見せているようなのでリリーフかどうかは分かりませんがリリーフなら来シーズンもこの位置を任されそうです
ただアドゥワは絶対的な武器に欠けていて慣れや研究によって攻略される可能性も高く来シーズンは成績の上澄みは難しいかもしれません

次にヘルウェグです
ヘルウェグはシーズン途中で加入し終盤で投入されて結果を残すと日本シリーズでも登板し来年の契約を勝ち取りました
球威のある高速ストレートという大きな武器を持っておりイニングの途中からでも使える貴重な投手です
多くの皆さんが知ってる通りの制球力で日本シリーズでは死球を多発するなど制球力が課題ではありますがそれを差し引いてもとても価値が高く来シーズンのリリーフの核となる可能性が高いです
使い方としては接戦の時にイニングの最初からも火消しもこなさせるという感じでしょう
外国人枠の関係もあるので先発が不足となったらローレンスなどが昇格する可能性が高く実力だけではどれぐらい活躍するかわからないですがリリーフとしてそこそこの成績は使えば残す可能性は高いと思われます

永川も接戦での役割が期待されます
永川は近年は芳しくない成績でしたがモデルチェンジが嵌まって昨年復活を遂げリリーフとして活躍を見せつけました
年齢もあるので過剰な役割は期待したくないですけど現状のリリーフを見る限り彼に期待せざるを得ません
ただ年齢もあるので昨年と同水準のはたらきを見せれば十分かと思われます


ここらへんが接戦で使われるだろう投手です
ここからはビハインドの時に使われるだろうという投手についてのべます

まずは今村です


今村は野村政権時代からリリーフの核として活躍しましたが酷使がたたり二度潰れてしまいました
昨年も往年の力は無く調子の並みが非常に激しく安定感に欠けてました
キャンプも二軍スタートと今期も不安な投手です
ただ力のあるストレートやきれのあるスライダー、フォークといった球を持っている投手なので復活すればまたリリーフの核として機能するでしょう
ただ二度も潰れたことを考えると復活は厳しいと言わざるを得ません

飯田は左のリリーフとして昨年14試合に登板して防御率6.23という数字を残しました


左のリリーフとしての貴重ではありますが球速の速い球が多く緩急に乏しいのが課題です(チェンジアップはありますが)
左のリリーフなので台頭すれば左右のバランスが改善されるという面で大きくさらにワンポイントでの起用も可能であり大きいです
ただ当面はビハインドがメインだと思われます

高橋樹也も同様に左として台頭が期待されます


高橋は昨年も9試合に登板して防御率5.91という成績をおさめました
きれのあるスライダーが武器の投手です
素質は十分あるんでしょうけどイマイチ伸び悩んでますし覚醒が期待されます
ただキャンプ二軍スタートといった感じなので開幕一軍はキツいでしょう
昇格したときにどれだけインパクトを与えられるかが重要になります

長井も可能性がある投手です


彼の武器はなんといってもフォーシームの速さでしょう
昨年は一軍に途中昇格してその素質をまじまじと見せつけました
ただ球速以外はまだまだな面が多く現時点で期待はそこまで出来ません

オフに福井とのトレードで加入した菊池もここに入ると思われます


昨年はわずか三試合登板に終わりましたが直球に力のある投手でここに割ってはいる可能性は十分にあります


ここら辺がビハインド要員として候補となる投手です

こうして全体的に見るとやはり層は薄く実力としても劣ると言わざるを得ません
ここの穴をいかに上手く無くすかがポイントになるでしょう

そして個人的にもっとも懸念しているのは勤続疲労や酷使による劣化です
勝ちパターン候補や接戦候補としてあげた投手の多くがこの不安を掲げてます
リリーフは消耗品であり長年登板を重ねたり短期間に集中的に登板させると疲労が蓄積し怪我のリスクや劣化が高まるポジションです
フランスアは昨年夏場の酷使がありましたし、中崎や一岡はここ数年ずっと多くの試合に登板しておりここら辺の投手が劣化する可能性がありそうなるとリリーフ全体の崩壊に繋がりかねません

ここ何年もの広島の投手起用を振り替えると特定の投手に依存して酷使して潰すという起用が多く、それにより多くの投手が潰されてきました

原因としては首脳陣にこびりついた負け犬根性で一試合に拘りすぎて全体を、見据える観点が欠如していることがあげられます
カープはFAでの補強もないため自前の戦力でチーム作りを行うことが必須になってきます
そのなかで今ある戦力をいかに長持ちさせるかと言うことは当然重要な課題であり本来もっとも投手起用が上手い球団であるべき球団です
現在のリリーフの状況が作られたのも酷使によって多くの投手が潰されたからという事情が大きいです


ペナントレースは三割ぐらいは負けても大丈夫という観点は必要でしょう
ポストシーズンでも同様に日本シリーズなら三敗は出来るという観点は必要でしょう
僅差のゲーム差で順位を争ってるなかでの終盤やポストシーズンなら酷使もやむを得ないでしょうがフランスアの酷使の時みたいにシーズンの大勢が決まった場面では一試合ぐらい落とすことは何ともありませんしそこら辺の余裕は必要でしょう

挑戦者として戦うという言葉は無条件に肯定されがちですが今のカープに必要なのは挑戦者としての意識より王者としての余裕なのではないでしょうか

以上を総括するとここ数年でもリリーフの陣容は尤も劣ってると言わざるを得ませんし不安要素もかなり大きいです

しかしそのなかでも戦力のマイナスをカバーするためにはリリーフの成績の上積みは必須です
そのなかで鍵を握っているのは首脳陣の運用でしょう
選手のポジションに拘りすぎず調子のよい投手を柔軟に起用していく柔軟性が鍵を握るでしょう
今年から一軍の運用は佐々岡コーチが担います
一軍コーチと二軍コーチでは役割がまるで違うので二軍コーチで優秀だからといって一軍コーチとして優秀とは限りませんがカープのリリーフ運用に何らかの良い風を吹かしてくれれば最高です
ただ2015みたいに特定の投手に拘って調子の悪い選手を起用し続けると四連覇は遠ざかっていきます 

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