見出し画像

22弦国産ヒノキ製金属弦ハープG3-E6, F#4, F#5

新たに22弦の国産ヒノキ製金属弦ハープをデザイン、製作しました。非常によく響く楽器でしかも響きすぎない上品さも兼ね備えています。しかも1.5kgとかなりの軽さで持ち運びも便利です。

音域は私が制作している20弦ハープのG3-E6ですが、最大の特徴はFの弦を2つ、F#4とF#5を追加した点です。

これにより、C(調号なし)とG(#ひとつ)のキーの曲を調弦を変えずに弾くことができます。18世紀アイルランドのハープ奏者の演奏を採譜したエドワード・バンティング Edward Bunting (1773-1843) によると、当時のアイリッシュ・ハープ奏者たちは基本的にCとGの調弦しか用いなかったといいます。

この言説に基づき、私が編纂している『20弦ハープで奏でる366の曲集』もCとGの調弦に編曲しました。

他方、アイルランドやスコットランドの音楽には曲の中でFとF#が現れる曲もあります。20弦だとオクターヴごとに違う調弦を用いるスコルダトゥーラ(変則調弦)で弾きます。例えば、F4はナチュラルでF5のみ#をつける等。22弦の場合は、変則調弦の手間が省けます。

また、同じオクターヴでFとF#が現れる曲を弾くときに今回設計したハープは大変役に立ちます。↓

これの応用として、フラット2つの調号にすると、和声的短音階の曲を弾くことができます。↓

そこからさらにE4♭を半音上げたスコルダトゥーラを用いて、旋律的短音階を弾くこともできます。↓

通常のハープと並びが違うので、はじめは弾きづらいかもしれませんが、慣れると便利で大きな可能性を秘めた楽器といえるでしょう。

楽器試奏、制作予約希望の方は横浜日吉のアトリエシナモンにて承りますので、ご予約の上、お越しください。

queenmaryharp@gmail.com (寺本)

【注意事項】制作予約について。

  • 決まった木材、色から作ります。現在、羊羹色、オリーブグリーンの2色が選べます。

  • デザインの変更はできません。

  • 代金は税込み158,000円、全額先払い(現金か振込)です。

  • 製作開始後の変更、キャンセルは一切受け付けません。

  • 納期は2, 3か月先となります。

  • オプションで日本画絵付けも承ります。1ポイント40,000円。

  • 専用のハープケースも別売で用意できます。27,000円。


羊羹色
背負えるタイプの専用ハープケース
オリーブグリーン


22弦ハープの音域


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?