音楽データで重要な4つの "I"

アメリカの著作権管理団体であるMechanical Licensing Collective(MLC)が音楽データにおける4つの”I”というテーマでウェビナーを開催しました。

音楽配信の経験がある方ならこれらのIDどれか一つは聞いたことがあるかもしれませんが、今まで数々のウェビナーや専門の方達とお話をして私もこの4つのIDが楽曲およびアーティストを認識するのに重要だなと思います。

ウェビナーの中でもおっしゃっていましたが、それぞれのIDも問題・課題点はあり、どれがあればいいとか・ないと困るということではないので、アーティストもレーベルも必死にそろえようとすることはないのですが、使用料を分配する側としてはこれらのIDをヒントに楽曲やアーティストを確認するのであればあるほど助かり、分配がしやすくなります。(しっかり認識できないと分配できないので、そのせいで多くの使用料が分配できないままになっています。)

4つの"I"は

ISRC: 各リリースごとにつくID。同じ曲でも別のリリースなら別のISRCがつく。まれに全く同じリリースにも複数のISRCがあることがある。(複数のディストリビューターによって配信されている等)複数あっても問題にはならない。(どちらにしろ各リリースのディストリビューターはわかるので分配できる)

ISWC: Composition(作詞作曲)を認識するID。カバー曲などは同じISWCがつく。作詞作曲者が(IPIで)完全に認識できないと発行されないので、ISWCがない曲も多い。でもISWCがなくても作家には分配は可能。

IPI: 権利管理団体からもらうID。これに登録されていないと他が明確でも作家・出版会社に分配できない。また、作家のIPIと出版会社のIPIは別なので、団体に作家として登録されていても出版会社のIPIがないとセルフアーティストは作家分しか徴収できない。

ISNI: もとはイギリスの図書館が著者やCDの作家などを認識するために作られたID。最近は音楽業界でもアーティストを認識するために使い注目されている。メジャーアーティストやデジタルパブリックデータ(MusicBrainz等)があるアーティストは自動的にISNI IDを持っている可能性がある。各言語の名前も追加できる。


ISRCはデジタルディストリビューションを使って配信していればセルフアーティストでも取得できるはずで、日本ではそれを発行するサービスもあるようですね。

ISWCは楽曲をどこかの権利団体に登録すればISWCを発行する団体(CISAC)からPROを通して取得できるはずです。ただIPIは必須です。

IPIは個人情報の記入も多いのでアーティスト本人がやらなくてはいけない部分ではあると思いますが、出版会社や原盤を管理してくれるサービス(Administrator)等を通して行うとスムーズかもしれません。

ISNIに関してはまだ認識も低く、やり方もあまり多くはありませんが、比較的簡単には取れるので取って損はないと思います。


私も勉強中ではありますが、これらの取得についてのサポートはできると思います。

ウェビナーはYouTubeでも配信されています。

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