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金沢を駆け抜ける貨物列車図鑑

1.日本の貨物列車の大動脈ルート

 日本の貨物列車が走るルートとしては、大きく分けて3つあります。
①東京から名古屋、大阪を経由して九州に向かうルート
②東京から仙台や盛岡を抜けて北海道に向かうルート
③大阪から金沢、新潟、秋田を抜けて北海道に向かうルート

 日本の大動脈を担っているのは①と②で、毎日たくさんの貨物列車が走っています。③は①や②ほど多くの列車は走っていませんが、とても大事な路線の一つです。ここでは、③のルートについて解説していきます。
 ③のルートを日本海縦貫線と呼んでいます。大阪を起点に、東海道本線、湖西線、北陸本線、IRいしかわ鉄道線、あいの風とやま鉄道線、えちごトキめき鉄道線、信越本線、白新線、羽越本線、奥羽本線を通り青森に至るルートであり、海峡線、函館本線、室蘭本線、千歳線を経由して札幌に至るルートを指す場合もあります。「日本海縦貫線」は正式な路線名称ではなく、JR旅客会社さんおよび第三セクターの会社さんでは使用していませんが、JR貨物さんでは案内名称として使用しています。大阪駅と青森駅の間の距離は新潟駅経由で1,039.9キロメートルあります。

 この日本海縦貫線、現在通しで運転される旅客列車はありません。過去には寝台特急日本海やトワイライトエクスプレス(大阪⇔青森・函館・札幌)や特急白鳥(大阪⇔青森)がありました。現在は、大阪⇔金沢(1往復だけ津幡)のサンダーバード、米原⇔金沢のしらさぎ、直江津⇔新潟のしらゆき、新潟⇔秋田のいなほ、秋田⇔青森のつがる、といった特急が走っています。
 一方、貨物列車は日本海縦貫線を走破する列車が多数設定されています。代表的なのは、日本国内最長距離を走る列車である福岡貨物ターミナルと札幌貨物ターミナルを結ぶ98~3098~2071列車と2070~3099~99列車です。下りの2070~3099~99列車は、2,200km余りの距離を14人の運転士さんが約43時間かけて走り、道中上り98~3098~2071列車と山口県戸田駅付近、富山県石動駅付近、秋田県二ツ井駅付近の3回すれ違います。

 では、その他に日本海縦貫線を走る貨物列車にはどのような列車があるのでしょうか。私、貨物ジャーナルが活動している石川県金沢市を走る貨物列車について、金沢貨物ターミナル駅発車/通過時刻の順に、列車や積荷の特徴について解説していきます。
 24時間走っている貨物列車において、1日のスタートをどこにするかという問題があります。発車時刻に合わせて0:00~23:59にするのか、または違う設定をするのか、色々な設定の仕方があると思います。ここでは私の普段の活動に合わせてスタートする列車を設定しました。

2.金沢を駆け抜ける貨物列車図鑑

 この項より、各列車について運転停車を含めた停車駅、運転時刻、金沢貨物ターミナル発車時及び東金沢駅通過時の主なコンテナの紹介などをご紹介しております。20,000文字を超える大作になりました。記事に下線が引いてあるものについては、それをクリックすると下に詳細が分かるリンクが出てきますので、さらに知識を深めることが出来ます。色々と押して学んでみてください。一度購入いただくとこの記事は追加料金なしで最新版をご覧いただくことができます。どうぞお楽しみください。

2.1 3092~2073列車 新潟貨物ターミナル駅発福岡貨物ターミナル駅行

 私、貨物ジャーナルの朝は、毎日この列車を東金沢駅横で撮影することからスタートします。なのでスタートはこの列車としています。
 真夜中の1:09、3092列車は新潟貨物ターミナル駅を出発します。前日集荷された荷物が積載されるので、日曜日の列車は荷物が少なめ、月曜日の列車はかなり少ない積載になっているのが特徴です。
 2:06、南長岡駅に到着します。ここで貨車の解放と別の貨車の連結が行われます。2:51に発車し、直江津駅富山貨物駅で運転停車し、乗務員さんが交代します。富山貨物駅を出ると一気に敦賀駅まで無停車です。金沢貨物ターミナル駅にも入らず、隣にあるIRいしかわ鉄道東金沢駅の本線を6:08に通過していきます。
 敦賀駅で乗務員さんが交代し、湖西線を経由して9:51に吹田貨物ターミナル駅に到着します。ここで乗務員さんが交代します。また、新潟から吹田までけん引してきた機関車EF510EF210に、列車番号が2073列車へと変わります。

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