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人生に「ただしい」答えはないのだ

今日も彼の前で泣いた。最近よく涙が出る。心のバケツがいっぱいになる。彼との4ヶ月の付き合い(交際期間は2ヶ月ちょっと)のなかで何回目だろう。

こんなに頻繁に泣き出す彼女は嫌だろう。わたし自身も嫌だった。だけど、涙は止まらない。最初は寂しかったのだと思った。単に、会えないからだと。でも、それだけではなかった。

最近、だいすきな彼のことが分からなくなっていた。
今の仕事も、コロナのせいでいつもと違った状況も、すべてがストレスとなり蓄積して、日曜日の夜という最悪のタイミングで突然涙が溢れ出した。

まず、彼を好きだった共通の友達から投げられた言葉がキツかったこと。彼のことを忘れ切れていない彼女はわたしに羨望と嫉妬の混ざった言葉を投げてしまったのはよくわかっていた。友人の輪を壊したくない、その一心で一度は押し殺した思いが溢れ出してしまった。彼とわたしに感じ方の差があることはわかっていたけれど、1番感じて欲しかった思いを感じていてくれなかったのがわかった時、注射の針を刺すように胸がちくりと痛んだ。でも、それがわかったとき、彼とわたしの中にある彼女への伝え方の違いの原因が分かった気がして、ちくりとした痛みと同時にスッと空が晴れ渡るような爽快感もあった。そのあと、こう感じていて欲しかったよという話はしたけれど、理解してくれたのかはまだ分からない。彼も彼女も、今後もkeep in touchし続けたいふたりなので、彼に任せてみることにした。彼はいつも冷静に話してくれるから。今回もきっと、ちゃんと彼女の話も聞きながらみんなが傷つかない方法で解決してくれるはず。

仕事についても話した。彼は仕事とプライベートをフラットに生きたいらしい。両者に隔たりなく、24時間考えていても楽しいことを仕事にしたいと。ワークライフバランス、そして「休むために働く」という考え方が苦手らしい。

わたしには難しい。そこに関しては、一度、その境がなくなって心を壊しているので、人一倍恐怖心が強い。

ふと、「大学生の時は楽しかった。いろんな仕事でたくさんの顔があって、」という話をしたら、そこから話が広がっていった。「あの頃はオンオフのスイッチも持っていたし、オンの中でも、各仕事で違うスイッチを入れていた。」とわたし。「そういうの聞いたことある。自動車メーカーのフォードの方式と逆の考え方の…なんて言ったっけ。」と彼は続ける。彼の言葉はいつだって的を射る。

今の仕事は好きだ。事務処理もメールの返信も宅急便の受け取りもトイレ掃除もみんなでやる。たくさん頭を回す代わりに、たくさん学べる。インプットが多いことで、気づきもたくさんあり、「ヒト経験値」も上がるので、授業中の例え話も、日常的に生徒たちも目にするような面白いものが増える。

そして、恋愛観について。家族構成も交えながら。詳しくは回を分け、次のお話に書こうと思うが、彼は感情を言葉にする経験は少ないという。わたしはその真逆。直接会っていると見えるものが人よりも多いので、余計見えないものは怖い。手札が見えていると進めやすい7並べのように(その代わりゲームとしては崩壊するが)、話し合いも今こう感じていますという手札を出した方が互いにわだかまりが残りにくいと信じている。それを伝えるのに時間がかかり、余計な「涙」(きっとI’m feeling something sad or happy, but I’m processing to find out what it isの印だと思っている)というものが出てきてしまうから、これ(感情の整理)をもっとさらりとこなせるようになりたいと思う。

思えば、留学中は感じることが日本に住んでいる時より倍増するので、3日に一度は何かしらで泣いていたし、感情の脳内処理は英語でやっていたから、英語のほうがうまいのかもしれない。特にlonelinessやjealousyなんていうよくある喜怒哀楽のちょい下位互換の言葉で表せる感情については英語で話した方がいいのかも。

たくさん泣いた夜だった。
たくさん集中力も思考力も言語力も使った。彼にも使わせた。

でも、改めて、「みんな違ってみんな良い」がよくわかった。良い・悪い、という言葉を使わないでいうなら、みんな違う、だからLet it goになるのだろうか。

〜義務自己(ought-to self)が強すぎるわたしへ〜

きょう、また彼のことがひとつわかったね。またひとつ好きになったね。

わたしは正解にこだわりすぎる。
教育者としては一種の適性かもしれないけれど、恋人としては捨てていきたい。

「ゆっくり旅してこ。」の彼の言葉を信じて、少しずつ彼の言葉で彼を、感じたままに世界を知っていくことを自分に許してあげよう。正しい・間違っているはさして重要ではないのだから。


P.S. 人生に正解はない。不正解がなにかなんて、人それぞれだし、ひとそれぞれ必要なもの・大事なものも違う。たっくさんの人がいる世の中に無駄なものなんてない。だから今日のお話には「はてなゴミ」というsanaartsさんのイラストを。



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