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りっぱな彼とちっぽけなわたし

令和2年5月5日、こどもの日。彼とわたしは今までで一番真剣に、交互に泣きながらお話し合いをした。これは記録として残しておきたい。

最初は、彼の「note活動」に関してのわたしの不満から。この前の話し合いで出た結論や約束は守ってくれて、毎日のLINEも週末の電話もしてくれる。GWなんてほぼずっと彼とテレビ電話を繋ぎっぱなしだし、互いの息遣いからやっていること、生活リズムもわかってしまう。ほんとにわたしのわがままに付き合ってくれて感謝していた。でも、話し合いの翌日に送られてきた「卵かけご飯が食べたい」と「自律神経バグってる」のメッセージには、「求めているのはそういうツイート(つぶやき)ではないの」と言いたくて仕方なくて、「わたしのことは気にならないんだ」というただの寂しさも確かにしっかりと存在していた。この前のnoteにも書いたとおり、関係性が移ろい、互いが納得できなくなった時点で、互いが別の道を歩むことも手段としてはありだと感じているので、その可能性もほのめかしながらの話し合いだった。

わたしは3月中旬まで「うつ状態」という診断を下されていて、それによって休職をしていた。一番ひどいときは家に閉じこもり、誰とも話さず、フラッシュバックに苦しめられ、泣きながら目覚める(そもそもなかなか寝られない)という生活をしていて、一番とは言わずとも、彼もそのしんどさはわかってくれている。年度始まりが3月の塾業界への転職が決まったときから、「診断書が出ている身ではあるけれど、3月からは出勤だ」、と腹を括っていたし、最近までうつ状態の症状も出ていないくらい順調だった。コロナのせいで激務になったりもしたけれど、即戦力になりたくて、頑張ったし、心も身体もちゃんとついてきてくれた。だが最近、常に感染の恐怖に怯え、平日はオンライン授業で頭を回転しっぱなし、休日は一歩も外に出ずに彼と話していて、入ってくるニュースは感染者が増えた、緊急事態宣言がどうこう、休校措置がうんぬんという暗いものばかりで、気が滅入るには十分の理由があった。きっと、生理前だとか、誰よりも大切な彼と2ヶ月も会えていないとか、そういうことも理由になっているのだと思うけれど、いよいよ出てきてしまった。考えはネガティブになるし、常に眠い(できることならずっと眠っていたい)し、悪夢を見ることもしょっちゅう。

わたしはあえて彼には話さないでいた。優しい彼のことだから、知ったら気を遣って、数少ない自由時間をフルに自分のために使えなくなる。それ以上に、ひとりで立てるようになりたかった。復職できたのも、彼がいてくれたから。ここまで耐えられているのも、彼のおかげ。だから、今度ばかりは、彼に頼らずに乗り越えてみたかった。

でも、話してしまった。経緯はこうだ。「関心が向いた方向へ進んでいきたい性分」で、「それに逆らうこともそれを止めることもしたくないし、しない」という彼の言葉を聞いて、「いずれ、わたしたちだけでなくなったとき、どうするの?」と尋ねたら、「それはわからない。パパが仕事で家庭にあまりいなくて、でもかっこよくて、自分のロールモデルだから。」と言われた。それは知っていた。彼がお父さんに憧れていて、それを目指していることを。でも、わたしには彼のお母さんのように、ひとりで家庭を守って、3人の子どもをしっかりと育てていける自信はなかった。その理由の一つに、一度経験すると完治することは難しいと言われているこの病気にかかり、今例のごとく再発してしまっていることがあった。

彼の関心はとても広くて、彼の思想は自由で、彼の文章は綺麗なのだ。彼は「秀才」だし、「努力家」だけれど、わたしが知っている秀才や努力家の皆とはどこか違う。彼のそんなところも好きだからこそ、好きで関心のあるものを諦めてほしくない。制御も抑制もやだった。

でも、それを強いてしまった。「なんでも話して。遠慮なしね。」と言ってくれた彼は、今まで以上に気にかけてくれるだろう。昨日も今日も、悪夢を見て泣きながら起きて過呼吸になったわたしに気づいて、どんなに夜が更けていても「かれんちゃん、大丈夫だよ。ゆっくりね。」って、誰よりも落ち着いて声をかけてくれる。隣にいれば、背中をさすってくれて、頭を撫でてくれるだろう。

わたしは彼がいれば安心していける。今日も、わたしは心の底から幸せだと感じる。彼に心配をかけずに生きることが当分の目標だけれど、こんなハンデを抱えたわたしが、なにか彼のためにできることがあればと願う。本当にありがとうね。



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