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自己開示のすすめ〜ここちよい仕事編〜

自己開示を勧める理由④ ここちよい仕事に出会える

わたしは元教員だ。中学時代から続く長い長い努力トンネルを全力で走り抜けて、留学経験と200単位近い取得単位、中高英語・高公民・司書教諭の教員免許を自信に変えて、満を持して夢であった教員になった。

しかし、理想と現実の乖離に心を、是正するための14時間労働に体を蝕まれ、初年度11月にうつ状態になり、3ヶ月休職→2月末で退職している。その後は中学時代は自身が通い、大学時代講師をしていた地元塾に専任講師として戻ったが、冬にうつ状態が再発、この職も1年で辞し、逃げるように地元京都からパートナーの在勤地である東京に移住した。

教員時代は目の前にいる200人、講師時代は教室全体約100名の、生徒と保護者の多様性と抱える苦労を一緒に背負うことができなかった。結論はこうだが、心と身体を蝕まれても教えることは好きだった。だからこそ、何度も何度も、自己開示をし、パートナーの意見を聞いた。「別に1回辞めたり、京都を離れたりしたところで、教える仕事や京都は逃げない。一度離れてはどうか?」この言葉が真理であるように思えて、従うことにした。

次のキャリアを考えていたとき、アイデアをくれたのは父だった。「本好きじゃなかったっけ?小学校のときは本の虫やったやんか」と。「ああ、そうだった」と思い返し、パートナーに話すと、いつもどおり「いいやん!」と言った(彼は決して否定しない)。

はじめて「講師」以外で職探しをした。体力的にも、また精神的にも、そして当時もらっていた失業保険(雇用保険)の給付条件上でも、フルタイムではなく、パートタイムで働くことにした。司書の仕事を探していた時に、英会話講師の求人も見つけ、それにも応募した。

そして結果的に「学校司書:週3で計15時間」(英会話講師はおそらく先に始めていた司書の方との曜日の兼ね合いで落ちた)という勤務形態に落ち着いている。時間を持て余しそうだが、勤務校(在住区とは違う区)からほど近い中央図書館で大量の本を借りて読んだり、友人の人生について話してもらうYouTubeを世に出したり、家事をしたり、司書資格を取得したり、出身大学の現役大学生(後輩にあたる)の支援をしたり、といろいろなことに手を出せている。

これも、「忙しい・スケジュールが埋まっていること=正義」と考えていた大学生時代のわたしからしたら、ひっくり返り案件だと思う。しかし、心はもっとも豊かだと感じる。友人や思考、そしておそらく教員時代に最もやりたかった「人の人生をともに真剣に考えること」に時間を使えている。

「司書」は自分には地味すぎると思っていた。司書をやっているなんて、きっとまたひっくり返り案件にあたる。でも、それが一番性に合っていると心から感じる。学校司書は業界内では云わずも知れた「ひとり職場が当たり前」の業態であり、ひとりで過ごす時間が長い。もちろんやることも山盛りあるのだが、ひとりでその業務の山をどこから手をつけ、片付けるか、どの方法が最も効果的か(どのような本を児童や先生方が必要とし、いつそれをどのように出せばよいか)を考え、整った形にしていく、それがわたしには合っている。HSPのわたしは、人に見られた中で仕事をするのがもっっっっとも苦手だ。特に職員室での電話対応がとても苦手だった。図書室は職員室から最も遠く、めったに電話なんぞ鳴らない。かかってくるとしても事前にかかってくることがわかっている区立図書館から、そして図書室内で内線経由でとれるので、緊張もクソもない。

本を読むことも仕事のうちなので、自分が好きで読んだ本もなにかに生きるし、たとえ業務外だとしても選書のための新刊図書のリサーチなどは心が躍る。月イチで集まるスタッフ研修では、母くらいの年齢の方々に囲まれ、和やかな雰囲気のもと、好きな本や図書館にまつわる話がたくさんできる。

人と話すことが好きだと思っていたし、実際今でも大好きだ。でも、ずっと関わり、話していると疲れてしまうこともわかってきた。(当たり前)

彼と暮らしだして、週末は家で本を読んだり読書ノートを書いたり(一方彼はメタバースという仮想空間にドハマリし、ずっとPCで世界の一部を創造したり、家庭菜園でベランダを半分畑にしたり、1日数時間は昼寝したりしている)、ふたりで一気に溜まった家事を消化したりして、「ふたりでいるけどひとりの時間」を楽しんでいる。

彼と話して、自分の中にくすぶっていた、「理想とは違う自分」とたくさん向き合うことができ、「理想はこう、だから心がどうであれ、こう生きる!」と頑なだった自分を手放した。今は「本当に気持ちが向くこと」にだけ集中して時間を使えるようになった。

自己開示することで・・・

・自らの状況と気持ちをさらけだし、自分を他者の視点から見てもらうことで、もらえる新たな意見もある。
・「自分と本当に合う」、「自分の本当のスキ」な人やモノが集まってくる。

「来る者拒まず、去る者追わず」とはよく言ったものだ。
自己を開けて、スキを集めよう。去る者(モノ)は追わぬのが楽への道。

(ちなみにこの記事につけているイラストは仕事中に描いた本の正しい取り方を教える図。この取り方してる人いたら、プロだ…!ありがとう…!!と拍手したくなります)

次は自己開示の方法について、話そうと思う。

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