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外国籍人材採用するさいの給与設定どうする問題

日本企業が外国籍雇用を検討する際に、給与設定をどのように対応しているか事例を交えながらお伝えします。

これまでの企業対応で多いのは、
1)標準給与テーブルに合わせる
2)特別に給与設定をする
これら2パターンが弊社事例で存在します。

1)に関してはシンプルな考え方で、外国籍だからって特別扱いせず日本人社員と同じ設定でやりましょうね、というケース。
では、なぜ2)のケースが発生してくるのか?
それは、希望給与額と現年収を照らし合わせた時、既存の標準給与テーブルに合わなくなってくる場合です。また、企業が喉から手がでるほど獲得したい優秀人材であればあるほど起こる事象です。

ここでお示ししたいデータがあります。そもそも、各国の平均年収ていかほどか?ということです。
各国の平均給与額とITエンジニアの平均年収を示したデータです。

出典: 2016年経産省IT各国意識調査より

縦軸は、アジア主要国IT人材の平均年収
横軸は、各国の全産業の平均年収とIT人材の平均年収を比較したさいの倍数
これま常に明白ですが、アメリカの給与は日本の2倍です。また、昨今インド国籍ITエンジニアの給与水準高騰により日本企業が雇えない!という自体が起きています。日本国籍エンジニアと給与の開きはなくなってきています。
さらに驚きなのは、インドとインドネシアのIT人材給与水準が国内で異常に高いこと!ほぼ10倍です。ITエンジニアになると稼げる、というデータです、それは選びますね。

ということで、外国籍ITエンジニアの給与水準は各国の水準があること、またニーズに合わせた高騰状況なども知っておくと外国籍人材の給与設定について検討しやすいかもしれません。

話は戻りますが、ITエンジニアのポジションで話をすると、
給与設定に関して二つのことをアドバイスしたいと思います。

①ジュニア層を採用!ポテンシャル人材を優遇する
企業運営において、いくら優秀な外国籍人材が入社するとしても特別優遇はできない!という企業の対応として、
ー 若手ポテンシャルで日本大好き、日本に来て就職したい!ジュニア層
を狙うことをお勧めします。工科大でIT専攻している方であれば、4年間いくつかのプロジェクトをこなしており即戦力となりやすいです。何より、その層であれば給与レンジが従来の日本企業の設定と合う確率は高いです。

②妥協なしで狙い通りの優秀層を採用する
当初の計画通り、経験豊富な優秀層獲得を実現したいならば、”従来の給与テーブル”の見直し、もしくは特別給与設定の措置、さらには従来の給与テーブルの撤廃をしたらいかがでしょうか。もはや、国内優良IT企業も新卒の同一給与額を撤廃し始めています。そうでもしなくては、国内の人材獲得競争に勝てないわけです。外国籍人材採用においては、より柔軟な対応が求められる中、給与設定に関してもこれまでのやり方を提案する前に互いにとって良い方法を見いだすのも一つだと思います。

たまに企業側から聞く声として、
「高い給与だけ要求するような人は正直うちの会社にはいらない」
と判断される企業の方がいます。
それも一つの企業価値軸としてありだと思います。ただ、世界の給与水準が高騰する中、採用の考え方を変える機会になるかもしれません。外国籍採用を機に、企業の採用に対する考えも少しづつアップデートされることを願っています。

Rie Ohno from Career Fly 大野理恵


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