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【リハビリテーション】有酸素運動における運動処方の考え方

この記事を読んでくれている意識の高い研修医のあなた。ありがとうございます。できるだけわかりやすく説明しますので、最後まで読んでくださると嬉しいです。

・運動処方は「FITT」の原則に従って行う

リハビリテーション科医が理学療法や作業療法/言語両方を処方するのは、内科医が疾患に対して薬を処方するのと同じです。

これは特にリハビリテーションを学習していない研修医の方にはわかりにくいと思います。当たり前です。なので、内科医が薬を処方するのに例えてみようと思います。

内科医が薬を処方する際には、薬の種類/投与頻度や回数/投与期間/薬の量(強さ)を決めて処方します。

FITTはリハ科医師にとってのそれなのです。

FITTは

Frequency:頻度
Intensity:強度
Time:持続時間
Type of exercise:運動の種類

で、それぞれ上記の内科医の処方の際と同じであることがわかると思います。

これが、運動処方の基本です。

・有酸素運動におけるFITTの設定方法

有酸素運動におけるFITTの設定はある程度決まっています。

F頻度:週3〜5回程度
I強度:状態に応じて目標運動強度を設定する
T持続時間:標準としては中程度負荷で30分、高強度負荷で20分
T運動の種類:ウォーキング、ランニング、サイクリング、水泳、エアロビクスダンス、エルゴメーター、トレッドミルなど

特に、目標運動強度の設定では簡便にBorg指数が用いられることが多い。

Borg指数20-自覚的運動強度「もう限界」-運動強度100%
Borg指数19-自覚的運動強度「とても辛い」-運動強度95%
Borg指数17-自覚的運動強度「かなり辛い」-運動強度85%
Borg指数15-自覚的運動強度「つらい」-運動強度70%
Borg指数13-自覚的運動強度「ややつらい」-運動強度55%
Borg指数11-自覚的運動強度「楽である」-運動強度40%
Borg指数9-自覚的運動強度「かなり楽である」-運動強度20%
Borg指数7-自覚的運動強度「非常に楽である」-運動強度5%

となっています。

Borg指数13(運動強度55%)がAT(有酸素運動と無酸素運動の境目)であるため、

有酸素運動の処方はBorg11-13(運動強度40-55%)の間で行われることが多いです。

・Karvonen法にて目標心拍数を求める

心拍数を手軽に測れる環境であれば、Karvonen法によって目標心拍数を決めて運動処方をすることができます。

目標心拍数=〔(220-年齢)-安静時心拍数〕×目標運動強度(%)+安静時心拍数

予測最大心拍数である(220-年齢)が誤差が大きいため実測値や他の予測値で置き換えて用いる場合もありまが、覚えておきましょう!

・まとめ

今回は有酸素運動の運動処方について解説してみました。FITTは今後も何度も出てくる基本知識なので、これだけは絶対に覚えておいてください!

またわからないことなどあれば、コメントやTwitterで質問お待ちしています!

それではまた!

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