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2024年9月のEDH禁止の話

挨拶

お疲れ様ですカードショップサトPin佐藤です。
この記事は全て無料でご覧いただけますが投げ銭頂けると激動のEDH環境を乗り切っていけるような気がします。

天地鳴動

寝る前の発表だったのでまさか?もしかしてフェイク?とか思いながら眠りについたわけですがもちろんマジで、想像以上に天地がひっくり返ってましたね。

2024年の出来事です

ご存じ無い方はいないと思いますが一応、2024年9月の禁止制限改定で以下4枚が統率者戦禁止推奨リストに追加されました。
《宝石の睡蓮》
《魔力の墓所》
《波止場の恐喝者》
《ナドゥ》

明確なパワーレベルによる禁止

いやービックリしました。

いままでうんともすんとも動かなかったルール委員会がいきなりの(タイミングも1週間早まったらしいです)禁止発表。しかも4枚。

いろんな人がいろんな考えをこの短い時間でもコメントしているんですがワタクシも複数のポジションをもっているのでそれぞれの視点から今回のお話を紐解いてみようと思います。

プレイヤー佐藤

「禁止?あ、そう。ルールには従うよ」

禁止?上等!

もともとワタクシトーナメントプレイヤーの端くれでして、れっきとしたスパイクプレイヤーです。
(スパイクってのはプレイヤーを3つに分類するときの一つ、競技思考を最も重視する人のこと。他に奇抜なカードが好きなジョニー、派手なカードが好きなティミーなど、3つと言いながらストーリーに最も興味があるヴォーソスとかもある。

2人構築戦のプレイヤーならスタンダードだろうがレガシーだろうがモダン・パイオニア・パウパー、全てのプレイヤーが禁止とは切っても切れない関係があります。
ウンザリするほど強力なデッキがいつまでも放置されてやる気が無くなったり、逆に自分の体の一部ともいえるほどに慣れ親しんだデッキが鶴の一声で崩壊したり、MTGとはそういうものです

ウィザーズが責任をもって商品を売り、それで遊ぶためにウィザーズは責任をもって環境を整備する。
(まあEDHはウィザーズが禁止制限に責任を直接もって無いという所も問題な訳だけど

その結果、強力過ぎるカード・問題のあるカードが剪定されるのは当然。
むしろキチンと庭師がいるというならばそれは喜ぶべき事。
今までは手入れされてるかどうかも分からん庭に無限に苗木が(時には巨木が)投げ込まれていた訳だが、今後はちゃんと働くよ!というのであればそれは良い事である。

お店のオーナー佐藤

「店の在庫が!一晩で紙くずに!オシマイダ!!!」

となっていたら正気ではいられなかったかもですがご存じの通り在庫の少ない事では定評のある当店、禁止カードの在庫は幸運なことにゼロw

つい数か月前に《魔力の墓所》は売ったし、しばらく前に《波止場の恐喝者》はイベント賞品にしたような気もするのでまあお客様には申し訳ない限り。

ジョニーのお店さんみたいに男気溢れるコメント出せたら株も上がりそうですが

かっけえ

自分のお店では被害は無かったのでヨカッタヨカッタ・・・ではない。

正直大きなお店はもちろん大打撃だし、中規模のお店でEDHに力を入れてたら禁止カードが複数種類複数枚在庫あります~なんてのもザラだと思うので、一晩で十万円以上の損失・・・とか「マジック取り扱いやめるか~」となりかねない。もうちょっと考えてくれ~!

イベント参加者佐藤

今回の禁止発表で起こりうる、というか既に起こっていることの一つに

「禁止’’推奨’’なんでしょ?じゃあ勝手にやるわ」

という動きがいくつも出てきている事。

そもそも北米のEDHではスタート前に

「ハロー?今日はどんなデッキもってきてるの?ああ、そういう感じね!じゃあ楽しく遊べそうだ、早速始めよう」
「やあ、君のデッキはちょっとC寄りだね?あっちのテーブルのが合うんじゃないかな?」
「構築済み?僕も昔のがあるからそれでお相手するよ!最近のデッキは強いから無理そうだったら普通の使っても良いかな?」

というような相談が一般的らしい。

初心者にも優しいキースさんかっけえ!

そもそもお店とお店の距離が物理的に「車で数時間」とか離れているなら「お店ごとのルール」が「世界のルール」でもいいか、とも思うけど日本、特に東京はお店とお店の距離が(北米に比べると)近すぎる為、ルールが分かれると非常に困る。

もちろんオリジナルルールで遊んでいることに対して非難はしない。楽しく遊べるならそれがベストだ。

ただ最悪「各お店、イベント毎に細分化」された世界はかなり面倒だな、と個人的には思う。

種族王さんなんかはガッチリオリジナルルール、かつ《宝石の睡蓮》解禁、と(重いジェネラルに有利と)分かりやすいが、お店がルールを決めるという事の弊害もある。

「海外のEDHルールなんてほっといて国内限定ルールを決めようぜ!」

という話も持ち上がっているが、現実的か?と言われるとちょっと・・・

ぱっと思いつくのは国内ショップの最大手、晴れる屋さんやビッグマジックさんが旗手になってルールを決める事だがシングルカードを売っている側がルールを決めるべきでは無いと思う

(やる事になったらどちらのショップとも、ちゃんと真面目にやってくれるとは思うが)環境の事を考えて禁止→新エキスパンションで問題が無くなったので解禁とかしたら

「禁止したから売ったのに!どーせ在庫集まったから高く売るんだろ!ヒドイ!」

そんな訳ないだろ・・・と思いたいがそれが「出来る」のがやはりまずい。

参加者としては「いつも同じデッキで」「いつも同じルールで」やりたいと思う(たまの特殊ルールは楽しい!「たまのルール」の為の「いつものルール」!

ルール裁定者佐藤

「EDH委員会の連中はなんも考えてないんか!?」
という声が良く聞こえてくる。

そんなことは(たぶん)無い。

彼らがCEDHを重要視していない、というのは声明にも書いてあったし、それは残念だが彼らは彼らなりにより良いルールを考えているんだろう。

そこに「インサイダーで自分たちだけ儲けてる」とか「ウィザーズにEDHはほっといてくれ!という意志表示をしている」とかは無いと思う(思いたい

今回の禁止にしても(《太陽の指輪》を象徴的なカードとして禁止にはしないというセリフを除いて)概ね理解はできる。

彼らは禁止’’発表’’について失敗しただけだ。

もっと段階を踏んだり、透明性を高めたりすれば多くの人に理解されたはずだ。

ただあまりにも意外な内容を突然告げられたからそりゃ文句も言いたくなる。

しかし彼らが「うっかりした善人」だとしても私はやはり「ルールはウィザーズが決めるべき」だと考える。

なにせ責任、という点において彼らは何も負っていない(そりゃ世界中から叩かれてる、というヒドイマイナスはあるかもだが

ウィザーズがカードを売り、自ら禁止を発表するときは常に自身の評価が付き纏う。めちゃくちゃなカード、むちゃくちゃな禁止を出せばいつかみんな愛想をつかして会社はつぶれるだろう。

だからちゃんと仕事をする。

委員会はどうだろう?

詳しくないんだが中の人はそれでご飯を食べているのだろうか?

たぶんそんなことは無いだろう。

統率者使用カードランキング、などのビッグデータは手元にあるのだろうか?MOのデータは?各ショップの販売状況は?現在のプレイヤーの総数やその趣味嗜好は?アンケートの結果は?

そのすべてが分かっているウィザーズですらミスをするのに委員会はそれより良い仕事ができると思っているのだろうか?

そう、ウィザーズもミスはする、いいね?

最初はそれでよかったかも知れないが、EDHは大きくなりすぎた。

そろそろウィザーズが責任をもってEDHを動すべき時なのかもしれない。

コレクター佐藤

これから高いカード買うの怖いっピ><

最後に

という事で色々書いてきたが、本日早速新ルールで遊んでみた。

すくなくとも当店のお客様は既に新ルールで楽しんでおり、

「あーやっぱスパイク的性質が多めの人が多いな~」

という感想^^

(ゲーム自体はとてもよくなっている印象。ドブンが減った

世界ではどうなっとるのかな?と、ふと気になったがこんなツイートを発見

見事にまっぷたつ

これは登録者数73万人の(たぶん)世界最大EDHユーチューブチャンネル「The Command Zone」の出演者のツイート

2万票近くの投票でメインは(カジュアルプレイヤーの多い)北米のプレイヤーの投票だと思うけどそれが真っ二つに割れているのは非常に興味深いな。

世界でもまだ結論が出ていない今回の騒動。

是非マジックをプレイして自分なりの答えを見つけて欲しい。

お近くの方は是非当店で!

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