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Marlowe

Marlowe概要

MarloweはCardanoで金融コントラクトを実行するためのドメイン固有言語(DSL)です。 DSLはプログラミングの(高度な)スキルを必要とせず、特定の分野の専門家向けに「特定のタスクを扱うために設計されたコンピュータ言語」で、MarloweはDeFi(Decentralized Finance: 分散型金融)のための言語ということになります。
悪いコードを書くことができないようになっており、読み書き、理解がしやすく、実行しなくてもコントラクトの挙動を分析できます。
Marlowe Runは、現在のシステムにおける仲介役(中央集権的な管理者)を必要とせずに、友人やクライアントと金融協定を結ぶことができる、安全でコスト効率も良い、民主化されたピア・ツー・ピア(仲介者を必要とせず、直接やりとりができる)のソリューションです。
Goguenのロールアウトの一環として、構築が完了しつつあり、ユーザはDeFiコントラクトを実行することができるようになります。事前にデモ環境でテストができます。

何をするもの?

IOHKのブログは以前起きたゲームストップ株について書かれています。取引所の意向に沿わない株価の売買があり、取引が制限されたことがありました。その時、投資家たちは自分たちのお金に対して本当にコントロールを持っているのでしょうか?Marloweであればピア・ツー・ピアで民主化された取引ができます。
具体的に何ができるかについては「DeFのプラットフォームで、直接的なP2P融資、差金決済取引(CFD)、その他の類似商品をサポートします」。例えばFXをしている方はイメージが付きやすいと思いますが、口座内で損益が出た時の証拠金調整などが可能です。他にも類似した商品(ブロックチェーン上で取引される暗号資産など)を顧客向けにカスタマイズできるとのことです。

Marloweの強み

Marlowe自体はCardanoブロックチェーンに依存しないので他のブロックチェーンでも実行可能です。MarloweとCardanoブロックチェーンの間は、Plutusで書かれたCardanoのインタプリタを介して、スマートコントラクトとしての金融商品のモデリングを可能にします。Plutus PlatformはCardanoのスマートコントラクト開発プラットフォームで、カルダノブロックチェーンと相互作用する高信頼性のアプリケーションを書くことを可能にするHaskell SDK(ソフトウェアを開発するためのキット)を特徴としています。Marloweを元に金融以外の一般的な(サプライチェーン管理、保険、会計)DSLを作成することができます。
スマートコントラクトにおいてEthereumの競合になる可能があります。Algorithmic Contract Types Unified Standards(Actus)システムの金融コントラクトをモデルにしています。プレイグラウンドではサンプルとしてみることができます。

The Marlowe Playground

Marloweではコントラクトはそれぞれをステップを順につなげた少数の構成要素によりなされています。これらのコントラクトを一緒にすることでさまざまな異なる金融コントラクトを記述することができます。
コントラクトの構築はJavaScript、Haskellなどもサポートされ、例としてウェブ上のMarloweプレイグラウンドでは、Blocklyのビジュアルプログラミングツールを介し行えます。

ここでは、コントラクトの動作を分析することができます。開発者は、コントラクトモデルを構成するさまざまなブロックをつけ合わせることで、コントラクトがどのように動作するかを確認することができます。また、MarloweはHaskellをベースにしているので、ベースとなるプログラミング言語の機能を利用することで、その契約をより明確に記述することができます。

Marloweスイート

Marlowe for developers、Marlowe for end users、Marlowe for enterpriseのスイートからなり、それぞれ開発者向け、企業向け、ユーザ向けとなります。

開発者はシミュレーションを利用して設計や、Marlowe Play上でスマートコントラクトのテストを行うことができます。Marlowe Library(オープン・ソースのスマートコントラクト・テンプレート・ライブラリ)へ貢献することができます。

ユーザはMarlowe RunからMarlowe Libraryを通して様々なテンプレートへアクセスし金融協定を友人やクライアントと結ぶことができます。ブロックチェーン、スマートコントラクトなどの知識は必要ありません。

企業向けには個人ユーザを越え、DeFiを広げることを目標としています。商業的なユースケースに合わせた特注のカスタマイズ可能な機能と金融契約のスマートコントラクトのスイートを含みます。

参考

IOHKブログ:Marlowe:業界規模のブロックチェーン金融スマートコントラクト
IOHKブログ:MarloweでP2P金融を再解釈
MARLOWE PLAYGROUND
Reimagining peer to peer finance with Marlowe

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