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リモート同人誌即売会 NEXT STAGE ~oViceの導入に向けて~

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皆さん、リモート即売会やってますか?

 「けも好き」主催のCarasOhmiです。
 ことnoteにおいては、「同人作家の」よりも「即売会主催の」と名乗る機会が増えてしまい、複雑な心境です。

 現在、リモート即売会誕生の引き金となったコロナ禍はというと、変異株という新たな危機を迎えています。
 これから先のリアル即売会がどうなるか、まだまだ先行きは明るくない情勢……正直、コミケレベルの大規模即売会に行くのは、情勢的にも大分恐ろしくなってきました。
 現在も「ジャパリパークで大騒ぎ」「デジゲー博」の2つの即売会への参加を検討しているものの、二の足を踏んでいる状況です。デルタ&ラムダ株こわい……。

 そういったわけで、図らずも「リモート即売会」の需要は引き続き存在してくるとは思うのですが、ぶっちゃけ……

 マンネリというか、飽きてきてる人も多いんじゃないでしょうか……?


Why マンネリ?

 いくつかの要因はあるとは思うのですが、自分は主力プラットフォームであるpictSQUAREのデザインの特性的な話だと考えています。
 pictSQUAREのイベントに参加したことがある方は実感を伴って理解できると思うのですが、このプラットフォーム、テキストチャットにも制約が多いため、密な交流が難しく、「買い物が終わったらやることが無くなる」という、ある意味ではリアルイベントでも存在する問題を、より顕著な形で浮き彫りにしてしまうのです……。

 それに抗うべく、アバター充実交流用discord色紙展示会お絵描きチャットなどを実践してきました。ですが流石に4回目ともなってくると、当初の目新しさは霞んでくる部分があります……。

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▲懐かしの噴水大行列

 それでも、頒布数のブーストなどを考えると、即売会の意義というのは存在し続けるとは思うのですが、根っからの「挑戦者(チャレンジャー)」たる私の辞書において、「現状維持」という文字は存在しません(どや顔)

 そんなわけで、私CarasOhmiは、リモート即売会のさらなる発展を目指し、新たなる「新天地(フロンティア)」を目指すこととなったのです。


リアル即売会はなぜ楽しい?

 ところで、「リアル即売会だって買い物が終わったら終わりで、やることが無くなるじゃないか」と思う方もいると思います。確かにその通りですが、反面でリアル即売会には「どのような状況でも新鮮さを発揮する」圧倒的なコンテンツが存在します。

 それは「対面交流」です。
 新刊頒布、お買い物、コスプレ、雑談……即売会においてはあらゆる楽しみが存在しますが、これらに付属する要素として「対面のリアルタイムコミュニケーション」が存在します。たとえば……

隣のサークル主「今日は一日よろしくお願いします!!」

一般参加者「今回の新刊楽しみにしてたんです!!」

カメラマン「そのコス、すごい再現度ですね!!」

久々に会った友人「仕事が忙しくて有給取るの大変でさぁ~」

 といった具合に。
 ……うーん、書いててリアル即売会の禁断症状が出てきました。

 リアルコミュニケーションの場合、こうした言語的なやり取りのほかにも、表情を通した非言語コミュニケーションの要素もあります。そこでやり取りされる情報の密度は、それはもう膨大も膨大。これこそが、リモートが浸透した現代においても、リアル即売会が求められ続ける主たる要素と言っても過言ではないと思います。
 みんな、買ってくれる人の反応が見たいのです。

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▲即売会のサプライズに作るも、いまだ日の目を見ぬ推し等身大パネル


NEXTフロンティア“oVice”

 そんなわけで、かねてより感じていた「ボイス(ビデオ)チャットの必要性」を改めて感じた私は、pictSQUARE以外のサービスを探すことになりました。
 もちろん、pictSQUARE運営に要望を出すということも考えはしたのですが、このあたりはいささか実装として大掛かりになりすぎるのが目に見えたので(現状でも通信のラグとかは発生してますし…)、実装を待つよりも、最初から実装されているサービスを探す方が合理的と判断しました。

 そして、たどり着いたのがoVice(オヴィス)。バーチャルオフィスを作って、コミュニケーションを促進するサービスです。

 基本的には法人に向けた仮想オフィスの提供サービスなのですが、カンファレンスなどでの利用も想定されており、機能として

・アバター型のバーチャル空間コミュニケーションツール
・テキストチャット
・ボイスチャット
・ビデオチャット
・全体アナウンス
・画面共有
・Youtube、インライン要素の埋め込み
・画像リンクオブジェクトの作成
・テキストエリアの作成

 ……と、自分の欲しかったボイチャ機能以上に、色々な機能があって、中々遊べるプラットフォームでした。
 また、決済は主催の支払いとなるので、イベントの価格設定に一定の不透明性があり、主催の価格策定による価格破壊を避けることが出来る点も、割と助かる要素でした。

 そんなわけで、このプラットフォームを使った即売会、その前段階の実験として、交流イベント「けも好きがーでんβ-01」を開催することに。


「けも好きがーでん」開催!!

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 けも好きがーでんとは、けも好き主催が送る、かつてけものフレンズ公式が主催したビアガーデン兼ファンミーティングイベント「けものフレンズがーでん」を再現することを目的に開催した、けもフレファン向けの交流イベントです。実験イベントということもあり、入場料は無料でした(なので大赤字です)
 やったこととしては、事前にランディングページをhtmlで用意して要項を記述(pictSQUAREで言うところの説明ページですね)、開催に合わせてoViceのスペースへのリンクを有効化、開催期間中に自由に出入りできる交流スペースとして使ってもらう、という趣旨です。

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 会場内には操作解説動画、事前に応募を行った色紙イラストの展示、雑談用の机椅子、動画を流すサイネージ、ビデオカメラを使う方向けのコスプレステージ、待ち合わせ用の案内板(SpreadSheet)、お絵描きチャットなどを設置。アニメーションしているピクスク向けアバターは、各所で会場の案内をしてくれます。
 スペースをうまくやりくりし、oViceでやれる交流要素をギッチギチに詰め込みました。そして当日……

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▲声と文字で会話を楽しんだり…

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▲皆でゲーム配信をして遊んだり…

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▲駄弁りながら、けもVを見たり…
(スパチャやPVに配慮しリンクだけに留めました)

 ……とまあ、普段は楽しめない珍しいリアルタイム交流を、集まって楽しむことが出来ました。このほかには、ゲーム開発者が集まって作業配信したり、AmazonのWatchPartyでけもフレ2鑑賞会をやったりなどなど。
 pictSQUAREとはまた違った楽しみがあるイベントとなりました。

 しかし……

人が少ない!!

 そう、このイベントの最大の問題点はこれでした。来場者が普段のけも好きと比べて少なすぎました…。とはいえ、50人以上は来てくださったようなのですが、時間帯が集中していないこともあって、常に人がまばらでコミュニケーションが生まれにくい……。
 コアタイムになると人は増えるのですが、コミュニケーションが1か所で完結してしまい、中央集権的になりすぎて交流イベントとして成立していないというか、これじゃdiscordサーバーを用意するのと大して変わらない……!!

 このイベントで学んだことはいくつかあるのですが、

・個人でオンラインがーでんをやるのは集客が弱すぎる!!
・そもそもイベントに際して新規トピックとなる要素がないのに、人が集まるはずがない!!

 ということです。そもそも、公式がーでんは1・2双方ともに公式運営かつ。けもフレアニメの放送という大きな話題を提供した上で、ノンストップのグッズ展開があり、話題が尽きなかった頃の話……。また、リアル即売会の打ち上げの場として利用されたりなど、リアルのファンコミュニティの中心ともいえる存在でした。
 一方で、けも好きがーでんは「がーでんを再現しようとした」ものの、ガワを整えることばかりに着目しすぎて「がーでんに付随する本質的な楽しみの中身」を用意できなかったのが、イベントとして今一つ盛り上がりに欠けた要因と言えます……。無念。

明日へ向かって

 ……とはいえ、泣き言ばかり言うのも芸がありません。今後、けも好きがーでんを開催する上では何を目指していくべきか。その糧を得てこその「反省」です。

 実際のところ、やるべきことは大分シンプルです。

(A)公式がめちゃくちゃ盛り上がるタイミングで集まる場を提供する
(B)即売会と同時開催する
(C)常設的なたまり場を回し続ける

 まずは(A)ですが、アニメ放送中に場を開いておくなどすれば、放送に合わせて実況で盛り上がったり、放送翌日に感想や考察を話すなどの場として利用できて、人は集まりやすいと思います。……ただ、これはファンの方としてはアンコントローラブルなことなので、狙ってやるものではないかも(……というか、この辺は私じゃなく、公式がoVice使ったファンMTG開催してくれれば完璧なんですが、やってくれませんかね……)

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▲公式がーでんの思い出

 次に(B)ですが、話が元鞘に戻る感じです。即売会なら、各スペースにサークル主が待機することもあり、会話のクラスターが中央集権型から分散型に変わり、好ましい形でのコミュニケーションが期待できます。これに関しては、けも好き5にて実践予定ですので、結果はこうご期待というところです。

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▲しかし、会場サイズ的に採算が取れるのは40spまでだったり…
ワンサイズ上げると60sp以上集まらないと赤字に…

 最後に(C)ですが、即売会とは別に常設のたまり場を作って、決まったメンバーでワイワイやるというスタイルです。イメージ的にはサークルの部室みたいな……。「部活」みたいなくくりを設けるとよさそうですね。
 これについては、単純にお金がかかるので難しいなって面もあるんですが、単純に作業場、オンライン上のコワーキングスペース・もくもく会的な需要もあると思うんですよね。なので、実際に開催するとしたら「けもフレファンコミュニティ」じゃなく、もうちょっと無属性な感じのスペースになると思います。
 折を見て開設し、まずは無料期間でも設けてやってみようと思いますが、人が来なかったら寂しい……。

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▲こういうロゴや名前を作るのが楽しい

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▲一番小さいサイズ。
けも好きがーでん規模なら、これぐらいで十分だと思いました

プラットフォームとの付き合い方

 というわけで、新たなフロンティアを求めて、当面はoViceでの即売会主催を目指してあれこれやっていきたいと思います。

 ただ、誤解のないように書いておきたいのですが、この記事はpictSQUAREとoViceを比較して優劣を決めようというわけではなく、即売会に何を求めるかで、最適なプラットフォームが変わるという考えで書いているんですよね。

 もし、これから自分のホームジャンルで同人誌即売会をスタートしたいという方がいた場合、間違いなく私はoViceではなくpictSQUAREをオススメします。
 というのも、pictSQUAREは「同人誌即売会に必要な最小限の機能がすべて含まれていて、かつその運営機能が自動化されていること」こそが、サービスの神髄であるからです。

 けも好きがーでんでもそうだったのですが、oViceというサービスは、即売会を開きたい主催に対して「場」しか提供してくれません。
 サークル配置の自動化、ユーザーの事前入場招待、ランディングページの作成、課金システム、入退場時間の設定……全部人力でやることになります。
 また、サークルの情報を個別の権限範囲のみで編集もできないので、実態として「サークル参加者と主催みんなで一つのwikiを編集する」に近いような状況になります。

 ……そう、oVice即売会は一般参加者には極上の交流体験を提供できますが、裏方は超必死に設営を頑張るサービスなのです……。もちろん、それによって得られる一般参加者からのフィードバックは、サークルや主催にとっての疲れを吹き飛ばすほどの、得難い至福ではあるとは思いますが。 

 そんなわけで、oVice活用はpictSQUAREで主催の経験を積んだ方が、リモート即売会の高みを目指すために手を出すチャレンジ要素である、というのが、自分の見解となります。

 もし、今のリモート即売会に物足りなさを感じ、もっと楽しい即売会を目指そうという主催の方がいらっしゃいましたら、さらなる高みを目指す同志として、知見を共有できれば僥倖です。


というわけで

も好き5、引き続きサークル募集中ッ!!!
今回はpictSQUAREとoViceで併催予定だッッッ!!!

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