ジンポジウム

先日ジンポジウムに参加してきたので、面白かった話をメモ代わりにまとめておきます。

本当に箇条書きです。


・ジンの販売数は昨年度と比べて世界市場で8%上昇している
・イギリス内では消費されているジンの30%がフレーバードジンという現状

・Spainではジンの80%がジントニックとして消費されている


昔の粗悪なジンのレシピ

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・ヴィトリオールオイル(硫酸)
スピリッツに刺激の要素を与える役割(有毒であるという事実は無視されていた)
・アーモンドオイル
ジュネヴァに使われるコリアンダーなどのスパイスの代替品として安価なアーモンドオイルが使われた
・テレビンオイル
パイニーツリー(松のような)の樹皮の風味がジュニパーベリーに近く、かつ安価だったため使用された
・ワインスピリッツ
おそらくワインの蒸留酒のことではなく、Low Wine Spiritsと呼ばれたグレーンスピリッツを蒸留した際のヘッドの部分
・角砂糖
雑味や不快な味を隠すために使用
・ライムウォーター
フレーバーのため
・ローズウォーター
フローラルさを与える
・ミョウバン
スピリッツの味の向上のため
・炭酸カリウム
味を向上させるもう一つの手段として


英国海軍の曜日ごと乾杯の掛け声


Sunday:To absent friends!(この場にいない我らが友へ!)
Moday:To our ships at sea!(この海原に浮かぶ我らが船へ!)
Tuesday:To our men(sailors)!(我らがクルーに!)
Wednesday:To ourselves!(我ら自身に!)
Thursday:To a bloody war or sickly season!(血みどろの戦争や病の流行にさえ!)
Friday:To a willing foe and searoom!(喜んでる敵や操船余地にも!)
Saturday:To sweethearts and wives!(恋人や妻たちへ!)

色々調べましたが、日本語訳の雰囲気があまりにもわからないので直訳です。


当時のプリマスジンの海軍向けBOX


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箱の中にグラスとボトルのセット
プリマスは英国海軍の公式ジンとしても認められていた


当時のアルコール度数を計る装置

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当時は甲板上でしか飲酒が許されていなかったが、どうしても甲板下で飲みたいという需要により最低54.5%以上の度数のものなら火薬の発火を妨げないとして許された→後のネイビーストレングス(Navy or Naval Strength)

Scurvy(壊血病)

長い航海中のビタミンCの欠乏により発症するため、カリブ海で栽培されるライムが好まれた
長い航海に耐えられるようにお酒漬けにされていたが、砂糖に漬けたほうが長持ちすることがわかる
このことからライムコーディアルが生まれ、ギムレットの誕生にもつながった


The Gin Pennant

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他の船への「一杯やってこう」の意思表示として掲げられた旗


The gin and tonic has saved more Englishmen's lives, and minds, than all the doctors in the Empire.
ジントニックはこの帝国中の全ての医者よりも多くの英国人の生命とその精神を救った。

by Winston Churchill


Angostura Bitters(元々はベネズエラ産)

船酔い、マラリア、発熱、胃の不調に効くとされていた
故にPink Ginとしての飲み方が流行った
船の上だったので、室温での提供こそが本来の形

Tonic Water

George Cleghornがキナの樹皮:キニーネがマラリアの治療法として有効と発見
ただし、苦味がとても強いため、砂糖やアルコールを足して服用されていた
ちなみにマラリアの治療のために必要な容量をジントニックに換算すると、8時間おきに20杯ものジントニックを飲む必要があったそう
トニックウォーターはアジアへの航路の入り口でありながらも、マラリアの流行地であったインドで特に流行ったそう→後のインディアントニックウォーター(キニーネ多めで苦味が強め)



ジンを使った昔のカクテル

・Martinez
・Gin Dalsy
・Casino
・The Defender
・Gin Fizz
・Hot Gin Toddy
・The Ford
・The Purl
・Ampersand


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