タイタニックとフェミニズム

タイタニック見ました

お金がない故に金持ちのキャルドンと結婚することになって、自殺しようとしていたローズをジャックが助けたり、ジャックの言葉や行動や愛に影響される中で徐々にローズが成長していく物語でしたね。


ローズのそりゃ自殺したくなるわ…って描写がこれでもか!というほどに盛り込まれてるのがすごい。キャルドンに絵の趣味を馬鹿にされたり、大声で脅されてちゃぶ台返しみたいなことされたり・・・。ジャックのものになるぐらいなら殺してやる!と言わんばかりに銃を乱射してたのも怖すぎる。ホラー。

序盤に船の大きさについて自慢した社長に対して、ローズが「フロイトが男が大きさにこだわる理由について面白い分析をしているの」と言って、社長がフロイト?はて?ってなってるの面白い。その社長、船は本当に沈むのか?!って言って「鉄で出来てるんだから沈みます」って言われたり、女子供の乗船を優先する中でちゃっかりボートに乗り込み乗組員から冷たい目で見られたりしてましたね。



でもフロイトはフロイトで女性蔑視的なイメージあるんですよね・・・ちょっとここは勉強しないとなんとも言えないけど。

あと母にコルセットをきつく絞められるシーンもそのままローズに対する抑圧を視覚的に示してた。韓国の脱コル運動というものがあるぐらい、コルセットは女に対する抑圧の象徴として有名。




タイタニック、前は後半だけ1回見てたんだけど、やっと前半も見た。後半だけ見ててなぜローズは一回ボートに乗れたのに戻ったんだ?ってずっと疑問に思ってたし、それが原因でモヤモヤしてて若干タイタニック避けてたんだけど、前半見ることで疑問が解けてスッキリした。

救命ボートから降りた直後にもローズがジャックに言ってるけど、最初にローズが自殺しようとして、行われたやり取り(You jump, I jump)が後々生きてくるのね!!!

確かに、やっと愛する人に出会えたのに自分だけボートに乗ってジャックと死に別れるかもしれないよりは、生死を共にしたいし、少しでも長く一緒にいたいと思うはずだわ。

ローズがボートに乗っててジャックは一人だったら二人とも生き延びられたかもしれない、っていうのは完全に結果論だった。そもそもジャックもローズがいたからこそ必死に頭を働かせて船が沈んで縦になったりする中、少しでも船上に残ろうとしてたのかなと。

ローズが変わる場面は結構何回もあったけど、(一旦乗った救命ボートから降りるシーン、ボートを降りた後追ってきたキャルドンにジャックから教わったように唾を吐くシーン、凍死したジャックに気づいて一息置いてからジャックの手を離し生きることを決心して泳ぎ出すシーン、ジャックが見たいと言っていた自由の女神を見つめながらローズ・ドーソンと新しく名乗るシーンなどなど印象深い)

一番ローズの変化を感じたのはここ!

閉じ込められたジャックを助けに来たけど、手錠が外れない。助けを呼びにいくが、誰も助けてくれないし、乗務員も話を聞かない。途方に暮れていると非常時用の斧を見つける。それを持ってジャックのいる下の階へ向かうが水が胸元ぐらいまで来てるのを見る。

このシーン「もし行ったら自分も溺死するのでは?」と不安になるでしょ

水も冷たいし、よっぽど気持ちが強くないとあそこは水に入っていけないからローズにとってかなりの決心だったし、もう愛じゃんね・・・

ローズの女である故に受けてきた抑圧とジャックに出会い、成長し、その息苦しさから解放されるタイタニックという物語はフェミニズムの視点から見ても大変興味深かったです。まだまだ浅い理解だからもう一回見たら更なる発見があるんだろうね!

これが1997年の映画だというのも驚きというか…

日本もフェミニズム的映画というか作品が増えてほしいです。いいのあったら教えてください。

大豆田とわ子は最近結構好き。6話はイマイチだったけど。


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