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まさにメーカー純正・公道スペシャル


GRヤリス・試乗レポート


「走りも、その存在も。興奮を隠すことが出来ない1台。」
 私にとってGRヤリスは、そう思わせる車でした。皆さんは、そんな車に出逢った経験はありますか?

 エコが唱えられる現代に、トヨタがローンチした本格スポーツカー
 最高グレード”RZ High performance”公道試乗レポートをお届けします。

試乗協力店・GR Garage 宇都宮 つくるま工房
https://www.corolla-tochigi.co.jp/naradeha/tsukurumakobo

■GRヤリスとは

 2017年よりWRC(世界ラリー選手権)に復帰したトヨタ。参戦車両・ヤリスWRCの性能を、市販車にフィードバックして誕生したのがGRヤリスです。車全体に、レースカーのノウハウが注ぎ込まれています。


 特筆すべきは、スポーツ4WD「GR-FOUR」が搭載された事です。悪路走破性だけでなく、”速く走る為に・レースで勝つ為に“開発された4WDシステム。
 トヨタのスポーツ4WDは、かつてのWRCシーンを席捲した”GT-FOUR”が存在していました。しかし、長らくはラインナップから消えていました。

「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」
 そう語る豊田章夫社長の想いと共に、満を持して復活を果たしました。

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ヤリスWRC(引用元:トヨタ自動車株式会社)

■迫力と流麗さを両立したデザイン

 見ただけで強烈なインパクトを覚えるワイド&ロースタイル。見た目・機能面でも”本格スポーツカー”の証でもあるカーボンルーフ。専用の3ドアボディ
 全てはWRCで勝つ為に。トヨタ流「必要な全て」を投入した渾身のエクステリアデザインに、私は終始興奮しっぱなしでした!
 そのデザインは尖りながらも、とても流麗。デザイン時から空力を意識して作成されている為、ルーフラインもベースのヤリスより低くなっています

 ブレーキダクト(RZ High performanceのみ)も備えるラジエーターグリルは、まさにレースを意識している証拠。大型のサイドディフューザーも相まって、かなりレーシーなイメージを持つフロントフェイス。 

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グリル横のブレーキダクト。RZ&RSグレードではカバーが付き、機能はしない。

 

 前後フェンダーの張り出しは、かなりインパクト大っ!!車自体のキャラクターを現しています。

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 ダウンフォース発生に効果的な大型スポイラーを装着。しかし、各部の主張が強すぎない為、とても綺麗にまとまっているリアセクション。

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■武骨ながらシンプルなインテリア

 スイッチ類はヤリスと共通部分が多いです。しかし黒で統一されている為、運転席からの景色は別物と感じてしまいます。

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 プレミアムスポーツシートは、かなりホールド性が高いです。見た目も上質感があります。

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 搭乗時に驚いたのは「アイポイントの高さ」です。これは、峠道やワインディングで奥行きを見渡すのに寄与するので、ポジティブに捉えたいです。慣れてしまえば気にならないと思います。

 3ドアボディの為、リアは小物置きになりますね。しかし、リアシートを倒せばゴルフバックも入る容量を確保できます。

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(引用元:トヨタ自動車株式会社)

■ダイレクト且つ安定感抜群な乗り味

 市街地にて試乗を実施。重めのクラッチを繋ぎ、徐々に速度を上げて行く。
 最初に浮かんだ感想は”サウンド”の良さです。室内に響いてくるエキゾースト音は、無駄な嫌味を全く感じず。むしろ車好きの心をくすぐる様な、高揚感を与えてくれるサウンドを奏でます。


 ドライバーにさらに刺激を与えてくれるのは、1.6リッターながら272馬力を発生するスペシャルエンジン。とてもトルクフルなレスポンスながら、低回転域から高回転域までスムーズにパワー絞り出していきます。
 さらに、パワフルでありながら、常用域でも違和感なく使用できるカバーレンジの広さには、感動すら覚えます。

 ハンドリングは、車格イメージとはトゥーマッチと感じてしまうぐらい、重いです。
 しかしこの重さは、むしろドライバビリティにプラスに働いていると考えます。無駄なあそびやバイブレーションもなく、”しっかり感”を得られます。ドライバーが慣れてしまえば、市街地の走行でも問題なくこなせると思います。
 また、速度の上昇に伴うゲインの立ち上がりも含め、かなり安定感を得られる仕様となっています。その為、サーキットでもダイレクトなハンドリングを体感できるでしょう。

 今回の”GR-FOUR”では、4輪のトルク配分を手動で切り替えれるモードセレクトを搭載。

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 配分が後輪よりになるスポーツモードを試してみたところ。素人の私でもリアからの押し出しを感じる事が出来ました。

■無性に走りたくなる「FUN to DRIVE」な1台

「この車で、すぐにでも峠に走りに行きたくなった。」
 試乗を終え、私が真っ先に思ったことです。恥ずかしながら、それ以外の感想はうまくまとまりません。それぐらい、衝撃的且つ魅力が詰まった楽しい1台でした。

 もっとハチャメチャで扱いづらい車を、当初はイメージしていたのですが。
 実際はとても安定感があり、素人の私でも「この車が持つ性能の高さ」を味わう事が出来て、運転がとても楽しく感じました

 キャッチコピーである「BORN FROM WRC」=「レースカーの性能をユーザーに届ける」。この車で、トヨタは見事に実現してくれましたね。

 大きな転換期を迎えている自動車業界。メーカーには今後も車好きを喜ばせる、刺激的な新車を作り続けていってほしいと思います。

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