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ブラジル・パンタナールというところ。

SNSでは先週告知させて頂いたのですが、この秋2023年10月12日より17日まで東京・池袋にありますギャラリー路草様のご支援を頂きまして人生初の個展「カピバラ」を開催させて頂く事になりました。現在も色々と準備を進めているところですが、見て頂きたい写真が多すぎて困っているところです。こちらの写真展に関しましては、もう少し近くなりました8月中旬よりSNSやこのnoteで進行具合や初の写真展で苦労した点などをご紹介できたらと思っております。

ギャラリー路草様
http://gallery-michikusa.jp/

さて、この写真展の大きな写真選定のテーマは、飼育と野生のカピバラに分かれます。普段動物園で見る可愛い癒し系のカピバラに対して人間と関係なく大自然で生き抜く野生のカピバラ達の姿を両方共に掲示する予定です。その野生のカピバラ達の写真を見て頂く上で、野生のカピバラ達をどのような場所で観察・撮影しているかを知って頂こうとこの記事を書いている次第です。

■ブラジル・パンタナールというところ。
野生のカピバラは南アメリカのパナマからアルゼンチン北東部にかけて、川のほとりの草原や湿地帯に生息しています。私が今まで5回撮影・観察に出掛けている場所は日本から見て地球の反対側、ブラジルの中央部にありますパンタナール湿原という場所です。南米大陸全体から見てもブラジルの国の全体から見ても、ほぼ中央です。湿原と表現すると日本では尾瀬や釧路湿原を思い出す方も多いと思いますが、面積は約20万平方キロメートル、日本で例えるなら、ほぼ本州と同じ大きさです。平均気温は24度から25度と資料に書いてありますが、私が滞在することの多い7月で言えば日中は約32~36度ぐらいあるのですが日が落ちると急激に寒くなり18度程度まで下がります。季節という概念がなく雨季と乾季に分かれます。ブラジルと聞くとリオのカーニバルや海岸沿いのビーチで露出の高い水着でバカンスのイメージが強い方もいると思いますが、初めて訪れた朝に地元の方がフリースを着ていたのにビックリしました。

パンタナール地図
https://yahoo.jp/E6TmtW

パンタナール湿原ですが、日本ではあまり知られていない場所ですがヨーロッパやアメリカを中心に自然や植物・動物の愛好家の中では有名な場所です。どんな環境なのか簡単に説明すると、山や高地に囲まれた、ほぼ本州ぐらいの平らな土地に、流れが極めて遅い川が流れは最後は1本の大きなパラグアイ川に流れ込み水は海に排出されます。パンタナール内での川は1kmで2cmの高低差さかなく見た目では流れているのか分からない程です。この川に雨季になると全ての水が流れ込み、流れない氾濫水は平らな土地に流れ出しパンタナールの約70%が水に浸かります。この溢れた水は排出と太陽の熱で乾燥し豊かな平原に戻っていくのです。同じ場所でも年間を通してみると湿原の時もあり乾燥した緑豊かな平原であったりと様々な環境が見られるのです。この様な地形から16世紀中ごろまでは巨大な湖と信じられており、約200年前から氾濫水の来ない場所に住み始め、約50年前に大きな道が出来たことにより流通や観光などが盛んになった極めて新しく大自然が残っている世界稀に見る湿原なのです。

真っ平、見渡す限り山など高いものはない。

そんな氾濫水が来ても深くなく条件の良い土地は、放牧業が盛んであり、その牧場内に観光客用の宿泊施設があり多くの観光客が5月から10月の雨の少ない時期に訪れるのです。私も牧場内のロッジに宿泊しカピバラを観察しています。2008年、2018年、2019年×2、2022年と計5回に渡り、ほぼ同じ場所をまわり頭数の増減や自然の変化、カピバラと同じ環境に住む動物達を自分の目で観察・撮影しています。

ロッジのある牧場内にも沢山のカピバラ
もちろん触ることはご法度だ

このパンタナール湿原にはこれまでに約230種の魚類、約460種類の鳥類、約130種類の哺乳類、約50種類の爬虫類などが確認されていると言われています。代表的な動物は、ジャガー、バク、オオアリクイ、コアリクイ、オオカワウソ、アルマジロなど、鳥だとスミレコンゴウインコ、オニオオハシなど動物園では大人気!という感じではありませんが、シブい動物達に出会えるのです。

その豊かな自然のサイクルは、また違う機会にお話させて頂きます。

素敵なロッジ、室内も快適です