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100日後に退去する中銀カプセルタワーマンシオン(あと88日)雨風をしのぐ

「中銀カプセルタワーマンシオン」につきものなのが雨漏りです。「雨風をしのぐ」という言葉は今の日本では現実味に乏しいですが、ここだけは違います。

多くのカプセルを悩ますのが結合部分です。A棟、B棟という二つの棟に140個のカプセルがくっついている構造になっていますが、結合部分が一番弱く、雨漏りがひどくなってしまいます。外側のカプセルとカプセルの間の隙間に水が入り込むことも頻発します。

各カプセルはそれぞれ「独自の戦い」を繰り広げています。補修に補修を重ねた後は、どのカプセルでも見られますが、雨水の逃がし方は、カプセルの位置によって変わってくるからです。

私のカプセルは、天井にあったはずの電灯がなくなっています。よく見ると、天井には傾斜があります。おそらく、何代か前の持ち主が鉄板を入れて雨水を外に逃がす改造を加えていると見られます。電気の配線はすべて撤去して、天井を雨水の「通り道」にしたのでしょう。

また、今は使えなくなったユニットバスの換気扇からは細い管が浴槽までつたっています。雨の日はこの管から雨水がどんどん出てきます。斬新です。

台風の日などをカプセルで過ごすと、場所は銀座ですが「雨風をしのぐ」ことの大切さが身にしみてわかります。そして、「雨風」と戦ってきた先達(といっても40年くらいですが)の知恵を感じることができます。これまでに一番、驚いたのは雨が激し過ぎてエアコンから水が溢れ出たことです。

そうやってこの建物は自分たちなりの新陳代謝を繰り返してきたのだと思います。

※写真は、浴室に換気扇の横から唐突に伸びる雨水排出ホース

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