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濡れた諭吉さんと人間の器の話。

運転手付きのロールスロイスにゴリゴリ系のクロムハーツ、ゴルフ焼けした黒い肌


そんないで立ちでありながら多種多様な業種を手掛け、会社をいくつも経営するやり手経営者先輩から着信があったのは5月末、俺が留置所から出てきてから数日経った時の事だった。


電話の内容は簡単に書くと「明日は俺の誕生日だから祝いにこいよ」ということだった。


酒を飲むとトラのように暴君化しちまうタイプだからあまり飲みたくはないのだが、誕生日ということもあり翌日の夜、俺は重い腰を上げて都内のラウンジに向かった。



誕生日会は俺も含めて男5人



半数は俺より年上ということもあるし先輩は誕生日だから久々に俺も盛り上げ役に回ったのだがそれも結構新鮮で思いのほか悪くなった。



業種は違うものの5人は全員会社を経営しているため飲み会は見栄の張り合いとなり、結局ラウンジの会計は400,500万くらいだったが楽しい時間を過ごせたと思う。



ある程度盛り上がってきたところでそれぞれ女の子をアフターに誘い出し久々にクラブに行こうということになった。


まあそんな奴はいないと思うが一応アフターとはなんぞやという連中の為に説明しておこう。


キャバクララウンジにおけるアフターとは営業時間(勤務時間)終了後、客とどこかへ出かける事を指す。


特に行く場所に指定はなく飯食ったりカラオケに行ったりとその流れは多種多様だ。


女性サイドにとってはいわゆるサービス残業のようなものだが帰宅する際タクシー代と称していくらか握らせてから帰すことが礼儀であり慣習となっている。



クラブなんて最後に行ったのはいつぶりだ、くらいの話だったが今夜は俺に決定権はない。
先輩の心行くまま流れに乗るだけだ。



男5人女5人計10人という大所帯でクラブに到着すると既に案内役のような人間が待っており、スムーズな流れでVIPルームに案内された。



全てのクラブがそういう訳ではないがVIPルームには「付け回し」なる野郎がいる場合が多くこれを通称「ギャル付け」という。



ギャル付けとは簡単に言えばフロアにいる女の子をスタッフがVIPルームに連れてきてくれることを指す。



男はまるでキャバクラのように飲める、女は男に奢ってもらう為無料で飲める、店側は盛り上がるから酒が入るし儲かるというような具合で全員が幸せになれる画期的なシステムだ。


ただ今回はラウンジから既に5も女の子達を引っ張ってきている都合もあるから流石にないだろうと思っていたんだが、スタッフが気を利かせすぎたのか、気を使えないのか分からないがギャル付け5人衆がルームに入ってきた。


そうして男5人女10人というよく分からない構成で飲み会が再スタートした。



女との会話は結構得意な方ではあるんだけど俺も聖徳太子じゃねえから2人を相手にして話をするのは大変だったぜ。



それにわざわざラウンジからアフターに引っ張ってきているというのにギャル付けの女にまで気を使うことも苦痛だしシカトはしないけど今思えばある程度素っ気ない対応を続けていたのかもしれない。



そんな俺の素っ気ない対応が招いたのかは分からないが、VIPルームに入室して1時間ほど経過し俺がトイレに行っている最中、事件は起きた。




「おいお前なにやってんだよ?」




参加者の中で1番若い奴が俺の隣にいたギャル付けの女に叫んでいる。以後一番若い奴は最年少くん、この女はギャル付けAとする。



ちょうどそんな叫び声が聞こえた時俺はトイレから席に戻った。



俺が状況を確認する前にギャル付けAトイレに走った。



「あいつカポさんの財布から金抜き取ってましたよ!」



そう言い残すと最年少くんギャル付けAを追いかけてトイレに向かった。



俺も酒は弱いほうではないが前述したラウンジで盛り上げ役に回ったこともあり、結構飲みすぎちまって状況を把握するのに時間がかかったがひとまず財布を確認するとそこに入っていた120万前後の現金が全て抜き取られている。



俺も急いでトイレに向かうとギャル付けAは女子トイレに入りなかなか出てこない。



「この野郎、早く出てこいよ!誰の金に手つけてんだ!」



などと最年少くんが叫んでいた為、俺はとりあえず女性に声をあげるんじゃない、と落ち着かせ1分ほどトイレの前で待っているとギャル付けAは何食わぬツラで出てきた。



「どうしたんですか?何かあったんですか?」




としらばっくれるギャル付けA



最年少くんが俺は見たぞとまくし立てるもギャル付けAは動じない。



むしろ証拠はあるのか?というような雰囲気を醸し出している。



現場を見たのにも関わらず嘘つき呼ばわりされた最年少くんは怒り狂いセキュリティと共にギャル付けAが入っていたトイレを確認すると奥まで詰まっていた俺の諭吉さん達が寒そうな表情で顔を覗かせた。



分かっていると思うが流れはこうだ。



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俺がトイレに行っている間にギャル付けAは財布を漁る。



俺の財布の中の現金120万を発見し自分のバッグに入れる。



最年少くんがそれを目撃、指摘する。



走ってトイレへ行き俺の諭吉さん120人を無理やり流す。



急いで流した為すべて流し切れず諭吉さん達はトイレの奥に詰まっていてそれを最年少くんが救出した。


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こんな流れだな。



金が見つかったことによりギャル付けAは観念しある程度自白したものの警察を恐れているのか自分の名前すら言わない。



他に何か盗んでいないかと仕方なくセキュリティがギャル付けAの財布を改めたところ、複数の男の身分証が確認されたことからおそらくコイツは常習犯でこれまでもこのシステムを利用して何度もやってきたんだろうと推測する。



複数の身分証についてはすべて友達の物だと言い張っていたが60代のオッサンがなんでお前に免許証なんか預けるんだ?



嘘つきは泥棒の始まりとはいったものだが泥棒はやはり嘘つきであることが多くこの女も例外ではなかった。

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当然だが楽しかった誕生日会の雰囲気はこの一件で一変した。



トラブルの噂を聞きつけさっきまで飲んでいたラウンジの社長まで駆けつける始末だ。



生き残った諭吉さんを数えると合計58人で約半数が流れちまったということになる。



クラブ側は平謝りしていたがギャル付けAが悪いのであって店が悪いわけではないし、むしろトイレに逃げ込んだ時にセキュリティをすぐによこしたりと全面的に協力してくれて感謝している。


水商売にトラブルは付き物とはいうがクラブ側の対応であったり、ラウンジの社長がわざわざ心配して見に来たりとそういう心遣いまで欠かさないあたり本当に大変な職業だと思う。



そういった面で一流の水商売の従業員を俺は尊敬する。




ひとまずギャル付けAをテーブルに座らせ何故こんなことしたんだ?と聞く。



「こんなチャンスなかなかないと思って…本当にごめんなさい」




などと中学生のような言い訳を重ねるギャル付けAをクラブのスタッフはかなり詰めていた。



最年少くんはしらばっくれられたので怒っているのか、カポさん警察呼んだほうがいいですよと勧めてくる。



警察を呼んだところで俺の流れちまった諭吉は戻らねえしせっかく楽しませてくれたクラブ関係者達に迷惑がかかっちまう。



しかもクラブ側は風営法の関係もあるから警察は問題がありそうだしな。



誠意ある対応をしてくれたし、救出した58枚の諭吉だけ綺麗な札にして返してくれればもういいよ、と言い俺は許した。




ギャル付けAには「酒の場だから許すけど金を粗末にする奴は金持ちになれねえぞ」と言い残すと俺たちはそのクラブを後にした。



そもそも先輩の誕生日会に警察がぞろぞろ集まってきやがるのもなんか嫌だし、結構酔っていたから警察署に行って被害届を出すのもめんどくせえしな。



まあ↑の話みたいに俺が雇っている奴に金を盗まれたとかならある程度全力で回収はするけどあくまでも酒の場での出来事だから軽く説教して終わらせてやった次第だ。


誕生日の先輩からしたらたまったもんじゃなかっただろうが、これはこれで忘れられない誕生日になると考えればまあ悪いもんじゃないだろう。



そうして俺たちはそれぞれ帰路についた。



この事件を通して思ったのはよく金をトイレに流せるな、という部分。



俺からするとにわかに信じられないような行動だ。



盗んだことがバレたと思って流したんだろうけど、それよりも金を粗末にする奴は大嫌いなんだよな。




金を粗末するというか金を大切にできない奴は決して金持ちになんてなれない。



あの女はおそらく盗みを繰り返して生きているんだろうけどそういう金だからこそ大切にできないのかもな。



人から奪い取ったその金で飯を食い生活しているから金に対するありがたみもあまりないのかもしれない。



俺のあの一言でもうやめたとなればいいんだが身分証がたくさん入っている感じとかトイレから出てきた時の堂々とした感じを見てるとあまり期待できそうにもないな。




しかし前回の事件もそうなんだけど人の金を盗んでまで金が欲しいって奴らはなんなんだろうな。



ってのは人間の器の大きさによって入ってくるものだと俺は思っている。



例えば仕事終わりに職場の先輩と飲みに行ったとしよう。



そこで仕事のことについてあれはこうした方がいいだの、お前はそういうところがダメなんだ、だの散々講釈を垂れる先輩。



こういう奴はよくいるし別にそれが間違っている行為だとも思わないがそれで会計は割り勘とかだったら誰もついてこないだろ?



器について簡単に説明するとこんな感じだな。



器の小さい男には誰もついてこないし、誰もついてこなかったら金は稼げない会社員なら出世もできない



人の金を盗む奴なんてのは誰からも尊敬されないし、云々以前の話だ。



もしお前が金を掴みたい、出世したいというタイプの人間なら人間関係で金を出せる場面があるなら目先のマイナスは気にせずどんどん出した方がいい。



もちろん無理がない範囲でな。



じゃあカポ峯はどうなんだよ⁉



という声が聞こえてきそうだがツイッター界に星の数ほどあるアカウントの中でも俺は徳を積んでいるほうだと思うけどな。



例えば今月は近所のコンビニからアマギフを買い占めてお前らに配ったり先月でいえば馬券フェスティバルを開催したりな。


こういう何気なく行っているイベントでも数十万は使うから結構大変なんだぜ?


まあ俺としてはお前らが楽しんでくれればいいんだけどよ。



徳を積むといえばあの話もあったな。

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少しスカーフェイスグループ金の話をしよう。



スカーフェイスグループ現在500名弱のメンバーを抱えていて毎週結構な盛り上がりを見せていて俺も運営していて面白いグループだと思っている。



俺は運営者としてみんなに楽しんでもらいたいから各種イベント麻雀大会などそういうコミニュティとしてのイベントを重視していてみんなが楽しめるようなグループにしたいと思っているんだよな。



予想師も10人ほど抱えていてそこも当然経費がかかるから正直利益はほぼ0という状況だ。



そりゃTシャツを全員に配布するだけで発送コストと製造コストだけで100万超えちまうんだから当たり前と言えば当たり前だが。



でも俺としては会員が満足してくれるようなコンテンツを常に提供したいし、正直このグループで利益を出して儲けるって考えはあまりないから別にどうでもいいんだけどな。



そんなグループ事情なんだけど俺が何を言いたいかというと上半期はついてきてくれてありがとなってことなんだ。



スカーフェイスグループを正式に発足してから約半年が経った。



こういうグループを運営したのは初めてで迷惑をかけちまうことも多かったと思うがそれでもついてきてくれたメンバーツイッターで応援の声をくれるみんなには感謝の気持ちを伝えたい。



だから上半期を終える今月の募集で前述した通り俺は器を見せることにしたぜ。



お前らにスカーフェイスグループの一か月分の会費を奢ってやるよって話だ。



つまり新規入会者既存の会員も7月は全員0円ってこと。



そんなことしたら麻雀大会各種イベントが縮小されるんじゃないか?と勘ぐっている奴らもいるかもしれないがそれでは経費を削減しただけで奢るという表現は不適切だろ?



当然通常通り各種イベントも実施するし予想師達もいつも通り予想を出した上で無料とさせてもらう。



普通のコミニュティ運営者では絶対にできないことだが、あいにく俺はリアルのビジネスも好調だし資本の厚みが違うからこういうネットフリックスの初月無料のような施策を組むことも可能だ。



ぜひ新規入会者にはスカーフェイスグループの素晴らしさを1ヶ月間体感していってほしいと思う。



本当は既存の会員だけにしようかと考えていたが、どうせやるなら大きくやった方が楽しいだろ?




募集はまたツイートで告知するから要確認してくれよな。




夏競馬はスカーフェイスグループで楽しもうぜ。





じゃあな。

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