ライブハウスイベント「CAP A ROCK」始動によせて

ロックバンドはライブハウスで観るべきだ。

僕自身色々なところでライブを観てきましたが、現時点での結論です。
あの場所で体感する音にロックバンドの魔法が詰まっているような気がしてます。
2000人3000人はたまた数万人が入れる大きな会場や、野外では体感できないんです。

じゃあライブハウスで見てもらうために見せる側は努力してるのかといえば、どうにもそうは思えません。
気軽に来れるようなところにはなってないんじゃないかなと思います。

ライブハウスはしばしば大きい会場にいくまでの通過点のようなもの、と捉えられがちです。
もちろんかっこいいライブをできるようになるまで一生懸命がんばる、というのはバンドとして当たり前なのですが
そこを通過すればもっと大きな会場にいったりして、みんなでその成長を喜び合います。
それってロックバンドが体験させられるものとして、100%正しいんでしょうか。

そりゃファンは増えた方がいいです。増えるとバンドとしては嬉しいです。
けど、大きくなって得られない体験があるなら、ロックバンドを守りたい身としてはそれを諦めるのは心地が悪いです。
そもそもバンドは大きい会場を埋め尽くすお客さんがつくようにならなきゃいけない、というのも疑問があります。

ライブハウスで売り切れるような公演になるとどうなるかというと人の密度があがります。
確かにみんなで押し合いへし合いしながら盛り上がるようなライブの楽しみ方なのであれば詰まっている方が楽しいと思います。若い時は僕もそうでした。
ただ、窮屈だ、見えない、動けない、等不快に思うようなことも起きている様な気がします。
実際この年齢になった僕は客として行っててソールドアウト公演は踊れないし飲みにも行けない、全然快適じゃないです。
多少人気がでるとそもそもライブハウスのチケットが取れないとか、うちの地元に来てくれないから行けないとか、という問題ももちろんありますが一旦置いておきます(また話します)。

なんにせよライブハウスは不便です。
ドリンク代は別途払わされるし、ソールドアウトだと動けない、そんな中長時間立たされる。
対バンイベントだと転換も長いです(バンドが売れると更に長くなる)
それがいいんだ、ということもあるとは思いますが、それを当たり前にしていたらライブハウスに来ようとする人は限られていくのではと思っています。

ロックバンドはライブハウスで観るべきだ。
それを考えてます。
だからライブハウスに行ってみたいと思ってもらえるようなイベントを作ります。
若い学生、平日の夜に行くことを諦めてしまった社会人の人たち、大型イベントでしかロックバンドを見たことがない人たち。
そんな人たちが気軽に「行ってみようかな」というイベントにしたいです。

ドリンク代はチケットに含めます。缶提供の飲み放題。フロアのどこでもいつでも飲めます。
ライブは90分で終わります。1日2回公演で、2回目は20時半スタートです。
ありがたいことにチケットが売り切れたとしても、基本的にキャパの6割しか入れません。

CAP A ROCK。
ロックに蓋をする(室内でやる)という意味なのか、キャパシティの6割というダジャレなのかどうかはあまり重要じゃないです。

ライブハウスの常識を変えます。
ライブハウスでロックバンドを観てください。
そのためにできることを全力で考えます。

田淵智也