CAP A ROCKが目指すもの 続

前回からかなり時間が空いてしまいました。
世の中の混乱もあって頭は回っていてもなかなか実行に移せなかったなあという雑感です。
ニュースで取り上げるトピックとか、そういった現実ではなくて、それをくらった行く末でピリピリしてる人だったり不必要に元気なくなっている人だったりを見ると色々複雑な気持ちになるなあと。
置かれている状況によって深刻な人も確かにいるのは重々承知ですが、生きてるからには前向きに生きた方がいいです。
自分の気持ちはどこまでも強く持って、笑える人はどこまでもケラケラと笑って。
かくいう僕は自分の未来のわくわくごとに今日も超笑ってます。

できる人からでいいんで、未来の話をできないもんですかね。
ということで、未来の話をします。

CAP A ROCK開催によせて、前回はなぜこの公演形式に至ったのか、飲み放題を提唱した理由について話しました。
お酒を飲んでライブを観る、というスタイルは確かにもっと一般的になったらいいなとは思ってますが、リサーチで見えてきたいろいろなものを元に様々なトライをしていきたいと思っています。

今回はこのイベントで目指す未来として、
「ライブがちゃんとできるバンドがしっかり音楽でお金が稼ぎ続けられるようにしたい」
この話をします。

今バンドでお金を稼いでいくためにはどうしなければいけないか。
「売れる」
ということだと思います。
もちろんこれは未来永劫大正解で、目指すこと自体はとても大事なことです。

ではどれぐらい売れなきゃいけないんでしょうか。
という時に

・メジャーデビューを目指す
・CDを沢山売ってチャートの上位を目指す
・ワンマンライブの会場をどんどん大きくする
・野外フェスの大きなステージを目指す
・グッズを沢山売る

というあたりが思いつくところなのかもしれません。
しかし僕は今ひとつピンと来てません。どのバンドにとっても必ずしも最適解なんでしょうか。

ファンを多く付ける、というのは一見良いことだらけのように見えて、そうじゃないと思っています。
大勢のファンをつけるということは様々な種類のお客さんにアピールしないと実現できません。
じゃあそれをした時に、失ってしまうファンというのも同時にいます。
失っていいファンというのももちろんいると同時に、失ってはいけないファンというのも存在するはずです。

バンドにはそれぞれ適したスタイルがあるはずで、そのスタイルに合致するファンが失ってはいけないファンです。
上に書いたような「漠然とした"売れる"」ということに向かって進んだ場合、そのスタイルからはみ出してしまうケースは、やはりあります。
それ自体はいいんです。売れるための大事なトライですし、それで出会えるファンも沢山います。
しかし一定の時間が過ぎて大きい結果が残せなかった場合、次に「見つけてもらえなくなるジレンマ」が始まります。
レコード会社が、とかファンが、とかじゃなくて世の中全体の空気がなのですが、急にはしごを外すような瞬間が来ます。
そうなると動員が減る、メジャー契約が切られる、フェスでも注目度が下がる、みたいな事が起きかねないです。
もちろんバンドに才能がなければそれまでの話なのですが、僕が気にしているのは音楽やライブの良し悪しに限らずそういったジレンマと戦わなければいけない環境にあまりにもなりすぎてないかということです。

音楽家というのは激しい競技のスポーツ選手とは少し違い、ピークや寿命に一定の傾向はないと思ってます。
むしろ年を取るにつれ熟練度が上がる人も多く、どんどんライブがすごくなるバンドは沢山います。
なのに上に書いた様な世の中の構造の影響で見てもらえるチャンスはバンドの成長に必ずしも比例してません。
全てのバンドが「見つけてもらう」ためのビジネス的な工夫を考えるセンスがあるわけではないです。
だからいつだって見つけてもらえる入り口はできるだけあった方が良い。

ライブハウスで超かっこいいライブができるバンド、なのであればそのスタイルを崩さないまま、きちんとお金を稼げるような未来の可能性を探りたいです。
音楽でお金を稼ぐために絶対メジャーデビューしなきゃ、絶対武道館ワンマンを目指さなきゃ、なんてことはないんです。

そのためにはライブハウスでライブを観る機会をちゃんと作らなきゃと思いました。それがCAP A ROCKを企画した大きな理由です。
映画館に行くくらいの気持ちで気軽にライブハウスで良いライブを観て、好きになったバンドのワンマンのチケットやグッズを買ってみる。
そんな人をどれくらい増やせるのか。
道のりは結構遠いですが、これが僕の挑戦です。

今日はここまでにします。
CAP A ROCK、4月の開催に向けて全力を尽くします。