東京バレエ団元プリンシパル秋元康臣さんのオープンクラスに参加した感想
秋元康臣さんについて
秋元康臣さんはボリショイ・バレエ学校卒業後は日本のNBAバレエ団やKバレエ団を経て、ロシアのチェリャビンスク・バレエ団、そして東京バレエ団の大人気プリンシパルとして活躍されました。2024年3月に東京バレエ団を退団された後は、積極的にゲスト出演をされるなど現在も精力的に活動されています。
ちなみに秋元さんはボリショイ・バレエ学校に12歳から卒業までの6年間在籍し、イリヤ・クズネツォフ先生に師事されました。クズネツォフ先生はツィスカリーゼの同級生で、現在ボリショイでプリンシパルとして活躍するべリャコフやラントラートフらを育てた名教師です。先生はYoutubeへの動画投稿も積極的に行なっており、若かりし頃の秋元さんの踊りも見ることができます。(動画はモスクワ国際バレエコンクールの決戦の映像。若ーい!)
秋元さんのオープンクラスに参加した感想
秋元さんは精悍で爽やかで、ものすごく格好良かったです。本当に超格好良かった😍💕
ですがただ美しかっただけでなく、体の使い方や見せ方、そしてバレエへのポジティブな姿勢など、秋元さんのプロとしての技は本当に圧巻で驚くことが多かったです。素晴らしいと思ったことは沢山ありますが、大きくまとめるとこちらの3つです。
①上半身に視線を集めて観客を魅せる
秋元さんは上半身がとても柔らかいだけでなく、上半身をとても華やかに見せており、とにかく上半身に目がいってしまいました。足さばきももちろん綺麗なのですが、観客が顔や上半身に目がいくよう工夫して踊られている気がしました。ポジティブな雰囲気を出してる笑顔や上半身の動きを見ると、楽しい気持ちになりますし、観客が秋元さんの踊りを好きになる気持ちがよくわかります。
秋元さんというと日本人離れした手足の長さが印象的ですが、その長い腕を使ったロシア式のポールドブラは本当に美しいです。腕はふんわり丸く弧を描き、指先は雫が垂れるような美しさで、指先には空気の玉を持って、壊れ物を扱うかのような繊細な力加減でした。
ちなみにかなり肘が反っているため、腕の使い方には相当気をつけているだろうなという印象を受けました。動きが大きく見えるのに上半身や腕をそこまで動かしているわけでは無く、あまりに美しかったので私も同じように腕を動かしてみたけど、私がやったら上半身がブレブレになって全く美しく動けなかったです。秋元さんを観察してみたら上半身を大きく動かすというよりも、おそらく腕と一緒に首や顔の向きをうまく調節して美しく魅せていると感じましたし、プロの力を感じました。
②足の上げ方
下半身の動かし方も本当にすごかったです。
まず軸の安定性がすごく、脚を自由自在にグルングルン動かしており、それでいて全くブレないのは圧巻でした。
個人的にとても印象的だったのは、秋元さんの足の上げ方です。
バレエというと足を沢山動かすイメージですが、秋元さんは足だけでなく胴体を最大限使いながら踊りを繰り広げていると思いました。足を無理に長く見せようとするのではなく、上半身をうまく使って足を高く上げているように見せており、このようなアプローチは見たことがないのでとても記憶に残っています。
③バレエに対するポジティブな姿勢
最後は個人的に秋元さんを見ていて感じたことですが、とても前向きでポジティブな様子が印象的でした。秋元さんは日本人離れしたスタイルをお持ちとは言え、長年ロシア人達と一緒に踊ってきて身長など悩むこともあったと思います(私の想像です。何もなかったらすみません!)。
海外にいたダンサーは自身の体型コンプレックスの話をよくされますが、秋元さんについて言えば自分の体型が好きなのではないかと感じました。特にアジア人である日本人は、身長や顔の大きさなど、体型コンプレックスに悩む人は正直多いと思います。でも秋元さんは自分の体型を受け入れ、足だけでなく胴体も最大限使いながら魅せており、とても前向きで周りを引き込む方だと思いました。
その前向きさがあるからこそ、踊りの上手さだけでなく、ポジティブな姿勢も評価されてプリンシパルになったのではないかと秋元さんを見ていて思いました。やはりトップを取るためには踊りの上手さ以外にも、ポジティブな姿勢など、色々な要素が必要とされるのではないかと思いました。
今何かで悩んでる人は絶対に卑屈にならず、秋元さんのように前向きに自分ならではの魅せ方を見つけてほしいと思いました。ぜひ秋元さんの舞台見てほしいし、ぜひオープンクラスにも参加してほしいです。
踊りだけでなく、前向きな姿勢など、学ぶことも多いから監督や振付家も向いてると思いましたし、周りへのポジティブな影響が間違いなくあると思いました。
バレエ業界の激しい市場競争に打ち勝つ1人だと思った
上記①②③はどれも素晴らしすぎて、私ごときの技術力では1度で吸収しきれなかったのですが、色々な驚きをもたらしてくれたとてもいいクラスでした。
今まで40近くのオープンクラスに行きましたが、やはり今後も通いたいと思う人と、もう行きたくないと思う人がいます。秋元さんのクラスは踊りだけでなくポジティブな姿勢に触れることで自分自身の向上心も刺激されるので今後も絶対に行きたいです。また、どんなレベルの人もそれに沿った上手になるコツ下さるので、オープンクラスに興味があるすべての人にお勧めしたいです。
現在東京のオープンクラスは競争が激しいレッドオーシャンです。各バレエ団でプリンシパル経験を持つ実力者達が沢山講師を務めるようになってきています。ですが少子高齢化などの影響でバレエ界の教育ビジネスは厳しいものとなっていくと思います。
しかし秋元さんのポジティブな雰囲気は沢山の人に愛され、生徒がたくさん集まるだろうなと感じました。秋元さんは間違いなく、今後起きるバレエ業界の激しい市場競争に打ち勝つ勝者の1人となるでしょう。そう思わずにはいられない、とても良いクラスでした。
今後の出演情報(2024.07.20現在)
東京バレエ団60周年祝祭ガラ「ダイヤモンド・セレブレーション」
2024年8月31日(土)15:00 エチュード
2024年9月1日(日)14:00 「スプリング・アンド・フォール」よりパ・ド・ドゥ
東京バレエ団「ザ・カブキ」
2024年10月13日(日)14:00 由良之助 役
第6回 Setsuko Ballet School 発表会「くるみ割り人形」
2024年7月27日(土)15:00~17:30
美倭'sBalletスタジオ/研究所 25th Anniversary 記念公演&発表会より
宝満直也振付 ホルスト「惑星」
2024年8月8日(木) 18:30
BALLET・LE・COEUR 公演「眠れる森の美女 全幕」
2024年8月29日(木)17:30 デジレ王子 役
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