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バレエ感想⑱「バレエ・アステラス2023」

8月は行きたい公演が目白押しで最初はチケットを買わなかったのですが、白鳥の湖で中家正博さんの迫真の演技を目にして、思わず公演後にポチってしまいました。中家さん、ファーストソリスト昇進おめでとうございます。

プログラムは2部構成で、第1部は新国立劇場バレエ研修所のシンフォニエッタから始まりましたが、これが転倒祭りで、私が気づいただけでも3回転倒者あり。怪我が心配。ゲストにはなぜか牧阿佐美バレヱ団の京當さん。1人だけめっちゃ老けてるし、普通に新国立劇場のダンサーを使えば良いのに・・・。牧阿佐美振り付けだから牧阿佐美バレヱ団の人を呼ばないといけないなら、せめてバレエアステラス出演経験のある大川航矢さんとかもっとマシな人選をお願いしたいですね。まあ何か大人の事情があるのでしょう。

トップバッターはABTから後藤絢美さんと三宅啄未さん。この2人、小柄ではありますが、テクニックも強く、なんと言っても若さ溢れてバンバン技を決めていく様子が可愛らしく、前座で冷え切った客席をどんどん暖めていく様子は見事でした。後藤さんはおそらくオブラスツォーワの踊り方を参考にしたのかなと言う感じで、とにかくキュート。サタネラはね、可愛いくていいのよ😍
三宅さんはテクニシャンでジャンプもピルエットも凄いです。このペアは2人ともすごくて、こんな凄い2人がまだスタジオカンパニー所属とは驚きです。アメリカバレエ界の競争は日本以上に凄まじそうです。

次はアトランタバレエの五十嵐愛梨さんとセルジオ•マルセロによるLove Fear Lossで、綺麗でしたが、五十嵐さんがカーテンコールで陶酔しててピアニストの挨拶を忘れたのを見て冷めました。

バーミンガムロイヤルバレエの栗原ゆうさんは、マイルス•ギリバーとドン・キホーテのパドドゥ。栗原さんはテクニックは凄いし安定しているのですが、衣装と雰囲気がとても下品。。。

さて、次はオランダ国立バレエの山田翔さんとジェシカ•シュアンのコッペリアなのですが、これがとても良かったです。事前インタビューで、「お客様に楽しんでもらえる演目を考えた」とありましたが、本当に良かった。2人とも上手なだけで無く、甘い恥ずかしさも感じさせるジェシカがとにかく上手い。テクニックもとても強いのに、それを一切感じさせず全てが自然で、若くて可愛いスワニルダが素敵でした。ちなみにこのペアが終わった後に後ろの人が「上手いねえ、本当に上手いねえ」と言っていたので、やっぱみんな誰が上手いか分かるよね。

最後はゲストダンサーの吉山シャールルイさん。パートナーの石原さんが体調不良でプログラムはアルルの女のソロに変更。オーケストラも盛り上がり、とても上手なのですが、先日のル•グラン•ガラでパリオペラ座エトワール達の迫真の演技を見た後だとかなり物足りないです。とは言え上手なので、今後吉山さんが人生経験を積んで深みを増した頃にまた見たいです。

第2部はミラノ・スカラ座バレエ学校のコンテとラフィーユマルガルデのパドドゥからスタート。同じ学生なのに研修所の生徒が赤ちゃんにしか見えなくなるくらい色っぽいです。

刈谷円香さんのSOONは中性的な2人が演じており、非常に面白かったです。2人ともネイビーの同じスーツを着て、セットも舞台の真ん中だけ照明が当たっており、天井から吊り下げられた無数の照明器具が現代的な雰囲気を出してました。

バーミンガムロイヤルバレエ団の水谷美樹さんとのプリンシパルカップルはBRBだけで無く、新国立劇場バレエ団の前監督でとある、デビッド•ビントレーの」シンデレラ」をチョイス。とても綺麗だったのですが、アダージオのみでちょっと物足りなかったです。とても上手なんだから、ヴァリエーションも見たかったです。

ゲストの吉山シャールルイさんは降板した石原さんに代わり、オランダ国立バレエのジェシカ•シュアンと共に「眠れる森の美女」のパドドゥを思ったのですが、ジェシカが、本当に本当に優雅で美しかったです。ジェシカの動きやアラベスクを見ると、去年のワールドバレエデーでオランダに移籍したスミルノワがコーチのレジュニナにずっと手や頭の位置を直されていたのを思い出します。ジェシカはどの動きも一切止まることがなく、音楽と一体化したような、流れるような一体感でした。本当に、本当に素晴らしかったです。

中家正博さんと木村優里さんのジゼルは中家さんは、本当にサポートが上手だなぁとしみじみ。今後が楽しみです。

結論、ジェシカ•シュアンが見れて大満足でした!オーケストラもとても良かったです!

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