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Bright Step代表の西島勇人さんのオープンクラスを受けた感想


Bright Step代表の西島勇人さんについて

西島勇人(にしじま・はやと)さんはロシアの名門ボリショイバレエ学校を卒業後、19歳の時にダンサー生命断絶レベルの大怪我を負いながらも、懸命の努力とリハビリで復帰し、ロシアやポーランドのバレエ団でソリストとして活躍されました。
現在は日本に拠点を移しており、ダンサーとして現役を続けるだけでなく、バレエを通して夢や目標に向かう原動力にという願いを込めて、海外の第一線で活躍するダンサーを集めて公演を行う団体である「Bright Step」の代表を務められています。またボリショイバレエ学校教師科を卒業されたバレエ教育のエキスパートでもあります。

西島さんが企画・運営しているBright Step公演は大川航矢さんとヴィクター・カイシェタ目当てで2023年に初めて行きましたが、最初に演者を紹介したり、オープニングでダンサーのセカンドキャリアについても考えされられるなど、西島さんの工夫が随所に凝らされた面白い公演でした。
ちなみに西島さんご自身は大怪我をされたと仰っていたので、ダンサーを引退したと思っていたのですが、まさかの「ゴパック」という踊りで客席まで飛んできそうな高いジャンプを披露されていて、驚きました。

http://фотоэкспресс.рф/news_info.asp?news_id=4082867

西島さんのオープンクラスに行ったきっかけ

西島さんの舞台を見て、ダンサーとしても素晴らしい方だなと思いましたが、私が俄然興味を持ったのはプログラムに記載のあった西島さんのプロフィール文です。ボリショイバレエ大学教師科でボリショイバレエ学校の全学年のカリキュラムとメソッドを勉強され、最終学年では実際のご指導も行っていたと知り、「バレエ教育のプロフェッショナル」という印象を持ちました
そんな素晴らしい先生が日本にいるならぜひバレエを習いたいと思いましたが、西島さんのオープンクラスはたまにあっても、日曜日の夜遅くや、月曜日の夜遅くなど、サラリーマンが参加するには厳しい時間が多く、なかなかタイミングが合いませんでした。

西島さんのオープンクラスになかなか参加できない日々が半年以上続きましたが、あるとき東京バレエ団元プリンシパルの秋元康臣さんのクラスに参加したことがきっかけで西島さんのことを思い出しました。(秋元さんのクラス感想はいつか書きます)
秋元康臣さんのボリショイバレエ学校時代の恩師であるイリヤ・クズネツォフ先生について調べていたところ、なんとクズネツォフ先生のビデオに西島さんと大川さんが写っており、年次は違えど、まさかの同門だったと知って驚きました。(ちなみにクズネツォフ先生は指導者としてバレエ界では非常に有名な方で、彼の教え子にはボリショイバレエ団プリンシパルのウラディスラフ・ラントラートフ、アルテミイ・ベリャコフ、ソリストのクリム・エフィーモフなど大物揃いです)

かのクズネツォフ先生に習い、ボリショイバレエ大学教師科を卒業したダンサーに学べるなんてすごく貴重なことです。必死で西島勇人さんのオープンクラスを再び探し、ようやく参加してきたというわけです。

西島さんのオープンクラスに参加した感想

西島さんのオープンクラスですが、まず西島さんはめちゃくちゃ感じの良い方ですこれはBright Step公演のオープニングでダンサー紹介をされていた時も感じましたが、にこやかで、丁寧でとても感じが良い方だなと思いました。一般人からすれば信じられない話ですが、プロバレエダンサーの中には踊る方は一流でも、対人コミュニケーションは三流以下という悲惨な方も結構います。西島さんは対人コミュニケーション力も非常に高く、さすが何回も大規模な公演を企画する経営者なだけあるなと感じました。

クラスが始まる前から笑顔で生徒に話しかけるだけでなく、例えば足が痛いという生徒がいた場合は、どこが痛いか、いつから痛いのかきちんと確認し、気を使いながらクラスを進めるなど生徒のことをとてもよく見ていると感じました。その時は気がつきませんでしたが、今思うとパの組み合わせも生徒の足に負担がかからないものを考えられた上で、教えられていたと思います。だからと言って変に難易度を落とすというわけではなく、クラスのレベルをきちんと遵守して他の生徒の満足感も損なわない内容でありながらも、痛い部分に負担をかけないような組み合わせを速攻で考えながらクラスを組み立てている印象を受けました。クラス後も該当の生徒には「足が痛くなかったですか?」ときちんと確認され、他の参加者とも始終にこやかにコミュニケーションを取られていたのが印象的でした。

西島さんご本人はボリショイバレエ学校を卒業され、長年ロシアで活躍された方なので動きはロシアスタイルがベースですが、例えば同じパでも「パリ・オペラ座だとこのように着地する」などと言って、流派が違えばやり方も違うということを実演してくださり、とても面白かったです。

最後に、西島さんのポールドブラが秋元康臣さんの指先の形と全く同じで、「あぁこれがボリショイスタイルの指先なんだな」と感じたことが印象に残っています。あの独特の美しさはうまく言葉で言い表せないのですが、指先から雫が滴り落ちるような優雅さがありながらも、親指と中指の間にふんわりとした空気の玉を持っているかのような繊細な美しさです。力強い動きをする時でも、常に指先に力が入らず風を感じているような空気を含ませているようなボリショイスタイルならではの優雅なポールドブラがとても綺麗でした。

西島さんのオープンクラスはタイミングが合わずになかなか行けないのですが、ボリショイバレエ大学でバレエ教育について学ばれただけあって、説明もわかりやすく、動く中で気をつけるべき場所もピンポイントで指摘してくれるとても学びがいのあるクラスでした。また行きたいので、次はもっと行きやすい時間に開講されることを願っています😊

今後の出演情報

西島さんの今後の出演情報はこちら!

BRIGHT STEP 2024 (新国立劇場中劇場にて)
2024年7月29日(月)18時00分
2024年7月30日(火)17時00分


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