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シーケンシャルLEDフラッシャー その5

はじめに

前回までの記事で、レベルメータIC LA2284AをArduinoで制御するための電圧変換回路と、PMW制御のパルス波形を時間平均で連続的な出力にする回路を紹介しました。今回は、Arduinoからは離れて、LA2284AへのLEDの接続について紹介します。

LA2284Aに接続するLED

LA2284Aに接続するLEDは、OptoSupplyのOSR5CA5B61Pを選びました。直径5mmの砲弾型LEDで、発光色は赤色です。データシートにはDeluxe Power Red LEDとあるので、超高輝度赤色LEDということになるようです。

以下訂正(2022年11月5日)
LA2284Aに接続するLEDは、OptoSupplyのOS5RKA5111A、OS5OAA5111A、OS5YAA5111A、OSG58A5111A、OSB56A5111Aを選びました。いずれも直径5mmの砲弾型LEDで、発光色は順に赤、橙、黄、緑、青で、それぞれLA2284AのD1、D2、D3、D4、D5に接続します。

LA2284AのLED制御

LA2284Aのデータシートには、FEATURESとして「Constant current output(15mA)」とあるので、LEDに流れる電流を自動的に15mAに制御してくれるみたいです。いわゆる電流制限抵抗はなくてもよさそうな気がしますが、APPLICATION INFORMATIONでは、5個のLEDをひとまとめにして共通の抵抗を入れています。

この抵抗、電源電圧が6.5V-12Vでは47Ω、8V-14Vでは68Ω、10V-16Vでは100Ωになっています。Arudinoで制御するので電源電圧は5Vにしたいところですが、電源電圧が6.5V未満のときの記載はなく、自分で考えるしかありません。

以下、OS5RKA5111Aに合わせて適宜訂正(2022年11月5日)
いろいろと面倒なので、LA2284Aに接続されるLEDはすべてOS5RKA5111Aとして考えます。LEDに流れる電流は15mAで、このときのOS5RKA5111Aの順方向電圧は2.05Vです。この値は、データシートに記載されているTYPICAL ELECTRICAL/OPTICAL CHARACTERISTIC CURVESのIF-VFのグラフから読み取れます。

抵抗には、最大で5Vから2.05Vを引いた2.95Vがかかります。流れる電流はLED5個ぶんなので、15mA×5=75mAです。抵抗値は2.95V÷75mA=39.3Ωとなりますが、実際にはもっと順方向電圧が大きかったり(基本的に波長が長いLEDほど順方向電圧が低いのでOS5RKA5111Aが最も順方向電圧が低い)、多くの電流が流れる可能性を考えて、抵抗値は半分くらいにしておきます。今回の回路では22Ωにしました。まとめるとこんな感じになります。

LA2284AへのLED接続(電源電圧5Vバージョン)

LEDはカソード(いわゆるマイナス)側をLA2284Aに接続します。入力信号が所定の値(Comparator ON LEVEL n)を超えるとスイッチが入って、LA2284AからLEDに電流が流れ込むように思えますが、そうではありません。これは、LEDがコンパレータというオペアンプの一種に接続されているためです。

入力信号が所定の値よりも小さいとき、LEDが接続された端子の電圧は電源電圧と同じになるため、LEDに電流は流れません。入力信号が所定の値を超えると、LEDが接続された端子の電圧はグランドと同じになり、LEDに電流が流れます。イメージとしては以下のようになります。

すべてのLED消灯時(1ピンから5ピンのすべてが電源と同じ電圧)
LED1個点灯時(1ピンはグランドに接続、2ピンから4ピンは電源と同じ電圧)
LED5個点灯時(1ピンから5ピンのすべてがグランドに接続)

オペアンプの仕組みや動作を語り始めるとそれだけで終わらなくなるので、ここでもそういうものだとブラックボックス化してください。あと、上図では電流が15mAになるようにコンパレータが調整しているように描いていますが、実際にはどこかに定電流回路が入っていると思います。たぶん。

7ピンに接続している抵抗とコンデンサは、APPLICATION INFORMATIONの値をそのまま使っています。コンデンサの値を変えるとレスポンス、アタック、リリースの時間を変化するそうですが、なんのことかよくわかりません。おそらく、本来の用途であるオーディオ信号を入力したとき、急激な変化に追随するか平均的な値として表示するかを決めるのだと思いますが、今回の用途では関係なさそうなので、考えないことにしました。

ここまで、接続されているLEDがすべてOS5RKA5111Aだとして考えました。最も順方向電圧が高いOSB56A5111Aでは、順方向電圧が3V程度ありますが、すべてのLEDが点灯したとしても22Ωの抵抗による電圧低下は1.65Vで、電源電圧が5Vあれば余裕があります。というわけで問題ないでしょう。

おわりに

これでようやくLEDを点灯させる回路に目途が立ちました。あとはユニバーサル基板に部品を並べて適当につないでもよいのですが、できればLEDをきれいに並べたいです。というわけで、プリント基板を製作することにしました。次の記事では、プリント基板の設計、製作について紹介します。

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