結婚への想いが込められた《ダヴィッド同盟舞曲集》作品6
前回の続きです。
クララに捧げた《ピアノ・ソナタ第1番》をクララの演奏によってその「叫びへのこだま」を聞いたシューマンは、その夜すぐに手紙を書きました。
封筒の表にそう書かれた手紙が花束とともにクララに届けられました。
翌日クララの書いた返事は
こうして二人はお互いに結婚を誓い合ったのでした。
そしてここから1839年末までに二人が交わした手紙は275通にも及びます。
この時のクララからの手紙を受け取って数日後、高揚した気分の中で《ダヴィッド同盟舞曲集》が作曲され、翌年1838年1月にクララあての手紙でこの曲について『結婚への想いが込められています。』と書いています。
18曲からなる《ダヴィッド同盟舞曲集》の冒頭には、クララの作品《音楽のたそがれ》から取られた和音のひとまとまりが使われ、作品全体を統一しています。
(ダヴィッド同盟とは音楽上の保守派に対抗するために結成された、架空の団体のことです。)
シューマンとクララの将来の結婚式の前夜に集まった同盟員たちの様子を描いています。
そしてこの曲集の最初のページには、結婚式のお祝いの言葉のような格言が記されています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?