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母音を聴くということ

歌を歌う時に母音の響きを明瞭にするというのはとても大切です。

今日は午前中の個人レッスンの生徒さんで、「えんとつ町のプペル」を練習していたのですが、声の支えが弱くなっているなと感じたので、まずは前側に集まっている重心をきちんと体幹に戻すために、
「背中の広さを意識して」
「後ろにいる人にも歌いかけているつもりで」
そして
本当はどの瞬間も大切なことですが、まずは歌い歌い始めの「ハロウィンの夜に」の「ハ」を歌うその瞬間、母音の「ア」だけを自分の耳でしっかりと聴いてみましょうと伝えました。

すると、母音だけでなく「ハ」という言葉自体が明瞭で良い響きになりその後に続く言葉も、その良い響きの延長で歌うことができました。

これは、イメージが身体の塩梅を整えたということなのですが、「ア」をその声が鳴る瞬間に感じるためには、照準を子音のhではなくaに合わせることに意識が変わるので、必然的に息にスピードが出ます。

すると、そのスピードのある息(声)を支えるために必要な筋肉たちが、瞬時に働いてくれて、声は頭にある共鳴する(響く)場所に、どこでよどむこともなくスムーズに届きます。

本来はこれは、声を出している時全てで保たれるべきなのですが、それには筋肉の持久力が必要ですので、疲れてくると支えはすぐになくなってしまいます。

なので、生徒さんには、歌い始めや、フレーズのてっぺんの音など重要な箇所でそれを意識してもらうようにしています。

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