見出し画像

情報化社会に生きている。(前編)

さいきん、世は情報化社会、ということに遅ればせながら気づき… 情報はよい商いになるらしい…。というわけで、今日から情報化社会と情報産業について考察します。途中で、いちおう数学の「写像」や「関数」といった考えも使いました。
それはともかく、結果的に、「どうも世の中すでに情報過多に陥っているっぽい」という仮説ががが。

1.  情報化社会・情報産業とは

まずはおさらい。情報化社会とは:

情報化社会 ――情報の生産、収集、伝達、処理を中心に発展し、物に代わって情報が付加価値を生む産業の比率が増す社会… (精選版日本国語大辞典より抜粋)

ふむ、情報産業が発達してきた社会のこと、と。では産業にはどのような種類がありうるでしょうか。それを少しくわしく考察するのが今日の内容です。

とりあえず伝統的な産業分類としては、第一次、第二次、第三次産業という区別があります。ざっくり説明すると、

第一次産業 = 自然を直接利用する産業。
第二次産業 = (鉱)工業、インフラ。
第三次産業 = それ以外。

となってます。※ただし、鉱業を第一次に分類したり、インフラを第三次に分類する流儀もあり。

そこで情報産業についても、似たような細分化を考えましょう:

第一次情報産業 = リアルワールドに立脚した一次情報の生産。
第二次情報産業 = どこかから、ありものの一次情報を得て、加工。
第三次情報産業 =それ以外。

以下、それぞれを詳細に検討してみます。…社会常識のなさが露呈するかもしれませんが(苦笑)

1-1.  第一次情報産業

これに従事する人は、いわば情報クリエイターであり情報創造者たちです。いままではなかった情報(データ/ビット)を生み出し、ゼロイチする(=ゼロをイチにする)人たちです。

★事実を拾ってくる記者とか、
★フィールド調査をするマーケター、
★コピーライター、
★自然科学/社会科学の研究者、
★作家・作曲家・詩人・絵描きをはじめ(著作権の発生する)芸術家、
★動画配信者
…などなど。

マネタイズ度 △ 

1-2.  第二次情報産業

ここに入るのは、どこかから入手した、すでにある一次情報を、場合によっては高度に加工して提供する人たち。情報加工業あるいはビット変換業と言うべきか。

★編集者やキュレーター、
★アナリストやリサーチャー、
★広告・PR業、
★情報を見やすくするデザイナー、
★データの集計・分析をする情報処理請負、
…などなど。

マネタイズ度 ◎ 

1-3.  第三次情報産業

上記以外の情報産業。まとめると、情報配送業とか情報再生業です。

★マスコミによる放送/出版/配信の機能、
★インターネットプロバイダ(情報の中継機能)、
★メールやチャットなどコミュニケーション・サービス、
★音楽・動画配信サイト、
★情報加工・生産用のソフトウェア制作、
★もしかすると、絵本の読み聞かせや、ミュージシャン・役者などの「実演家」もここに入るかも。…

マネタイズ度 ◯? 

2. 情報産業を、情報を変換する機能としてとらえる 

以上で一通り、なで終えました。しかしちょっと表面的すぎる気もする。 

そこで、別の分類も試みます。いま一度、あらゆる情報産業を「情報関連サービス業」と考えなおして、別の切り分けかたで、より深く理解します。ここでは情報の送り手と受け手に注目した分類を試みましょう。

数学では、関数や写像とよばれる概念があります。関数ならば y = f ( x ) などと書かれ、写像としてとらえるなら f : X → Y などと書かれます。

そこで、情報産業を何らかの写像とみなしてみます。つまり、集合 X に属する情報がインプットとして与えられたとき、ある f という変換(サービス)をほどこしたのちに、ほかの集合 Y にアウトプットとして渡す、そういう“機能”として情報産業をとらえます。

このとき、情報が属する集合 X や Y としては、特定の人(たち)=persons を意味する P と、不特定多数=mass を意味する M という集合を勝手に定義して、選ぶことができます。…一例ですが。

すると、写像 f の分類としては、 f : P → P 、 f : P → M 、 f : M → P 、 f : M → M という4通りの場合が考えられます。それぞれ「P2P」「P2M」「M2P」「M2M」型と呼んでもよいかもしれません。

明日は、この分類のもとで細かく考えます。
※ただしこの分類だと、ゼロイチする第一次情報産業が含まれませんが、それは上記分析で済ませたことにしておきます。
かのわさびでした。


理数系の教養は国力の礎。サイエンスのへヴィな使い手の立場から、素敵な科学の「かほり」ただよう話題をお届けしたいと思っています。