スタバの新商品は3ビット!?

スターバックスのバレンタイン向け商品で、「カスタマニア」というものが発売されているようです。一気に新商品が8種類!という方もいらっしゃいますが、ざっくり説明するなら、ベースとしてホットココかフラペチーノの2種類、そこにトッピングとして「無し/エスプレッソソース/ストロベリーメレンゲ/チョコビスケット」の4通りからひとつが選べるそうです(←※店頭での名称は違います)。

そうすると例によって、組み合わせの総数を考えたくなるわたくし。…なりますよね?! んで、ベースが2種類、それぞれにトッピングが4通りなのだから、2×4で、確かに全部で8通りですね。

では、この注文を、注文票に簡潔に記入してもらうとしたら、どうすればよいのでしょう?

…まぁまずは、ホットかフラペチーノにチェックを入れるようにして、次に、トッピングがどれかにチェックを入れる(もしくは一つも入れない)、といったやり方でしょうかね。

んではさらに、この注文を、コンピュータのデータとして表すとしたら? 

8種類 = 2^3 あるのだから、「0」と「1」の二進数で表すなら、 ゼロイチを3桁ならべれば注文を指定できるはずです。じっさい、
★まずホットかフラペチーノかを1桁目のゼロイチで表し、
★次にトッピングについて
「無し=00」
「エスプレッソ=01」
「ストロベリー=10」
「チョコ=11」
などといった二桁で表すことにすれば、
「ホットでトッピングなし」の注文なら000、「フラペチーノのストロベリートッピング」なら110、…のように、ちゃんと3桁で注文が表現できます。

さてこのように、ある情報が、ゼロイチをいくつかならべて表現できるとき…たとえば n 桁のゼロイチの列で表されるならば、その情報は「情報量 n ビットである」といいます。――ということは、スタバのカスタマニアの注文は、3桁なので情報量3ビットなのです! 

えーとちなみに、ゼロイチが8桁ぶん…つまり8ビットの情報量のことを、こんどは「1バイト」といいます。これはあえて日本語訳するなら「1がぶ」、つまり「ひとかじり」です。がぶがぶがぶ…。

そのように考えますと、ファイルサイズが100㎅=10万バイトとか1MB=100万バイトって、普通にありますけど、いったいどれだけ膨大な情報量だろうかという気がしてきますね。うむ。我々はいまや、情報をじゃぶじゃぶ(がぶがぶ?)食べて生きる生物になったのだ…!! 
まあ、それは単に言い方ですけども。

今日は以上です、かのわさびでした。…ところでホットココってなんです? 

参考文献
川合慧『コンピューティング科学』(東京大学出版会、1995年);
ビット」- Wikipedia 。

理数系の教養は国力の礎。サイエンスのへヴィな使い手の立場から、素敵な科学の「かほり」ただよう話題をお届けしたいと思っています。