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独立リーグ日本一決定戦のみどころ 〜四国アイランドリーグplusデータレポート(9月25日週号)

9月29日から独立リーググランドチャンピオンシップ2023が行われる

独立リーグの戦いが佳境を迎えています。

9月29日から松山で行われる日本独立リーググランドチャンピオンシップ(GCS)2023では日本独立リーグ野球機構(IPBL)所属5リーグから各リーグの優勝チームと開催県・愛媛の計6チームでトーナメント戦が行われ、日本一が決まります。

日本独立リーググランドチャンピオンシップ2023 トーナメント表

大会全体の見どころはこの大会を中継配信するスポナビにコラムを書いたので、そちらをチェックしていただければと思います。

スポナビの中継配信では下記のようにゲスト解説を迎える予定です。

【中継配信ゲスト解説メンバー】
■準々決勝1
愛媛:河原純一氏(前監督)vs.石狩:中村勝氏(士別監督)
■準々決勝2
徳島:野副星児氏(IBLJ事務局長)vs.富山:多賀亘氏(富山球団職員)
■準決勝1
火の国:岡本恵一氏(リーグ審判部長)vs.未定
■準決勝2
埼玉:角晃多氏(球団社長・前監督)vs.未定

https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/2023092700007-spnavi
より引用

自分も放送席でサポートをする予定ですので、ぜひチェックいただければと思います。

地元・四国の愛媛、徳島の2チームは9月29日から登場します。GCS開幕直前の今回はスポナビで書ききれなかった見どころを四国目線で簡単に補足しておきます。

※記事執筆前提となるリーグでの自分の役割は、次の記事をご覧ください。

「トリドール杯 チャンピオンシップ」のレビュー

最初に、22日に行われた四国の年間総合優勝を決める「トリドール杯 チャンピオンシップ(CS)」のレビューをします。

四国の年間総合優勝を決める戦いは徳島の優勝で幕を閉じました。

徳島は初回に角井亮太 が3ランを放つと、先発・白川恵翔が5回無失点にまとめ、その後は椎葉剛らドラフト候補がずらりと並ぶリリーフ陣が力を見せました。

愛媛も羽野紀希、菊田翔友らドラフト候補投手が力を見せ、集まった12球団約20人のスカウト陣にも強い印象を与えたと思います。

また、丸亀製麺の「シェイクうどんダンス」を考案したパワーパフボーイズが来場者と一緒にダンスを踊り、世界22ヶ国で活動するNEO阿波踊り集団「寶船(たからぶね)」も会場を盛り上げるなど、野球をきっかけに様々な文化が交流する場として賑わっていました。

火の国の「足」は脅威

さて、四国決戦から1週間後の29日、徳島と愛媛の日本一への戦いが始まります。10時半から石狩と対戦する愛媛は田島和礼、14時から富山と対戦する徳島は白川恵翔の先発が予告されています。

愛媛の相手となる石狩はリーグ戦は2年連続1位だったものの、昨年はプレーオフで士別に敗退してGCSに出場できませんでした。今年は悲願の北海道フロンティアリーグ(HFL)初優勝を果たしています。

29日の先発は右腕の野口寛人。リーグ戦では4勝0敗、プレーオフでも1試合に先発して8回無失点と安定した投球を見せています。ストレートとスライダー、カーブを軸にする制球力のあるタイプですが、そこまで速い球はなく、左打者の多い愛媛の中軸打者にとっては割とやりやすい相手だと思われます。

出場選手登録を見るとピダーソン和紀が外れているので、石狩に勝った場合の準決勝以降は山田空暉、玉置隼翔の両右腕が先発し、馬渕歩空が第二先発として常に待機する形になるかと思います。

準決勝で待ち構えているのは連覇を狙う火の国ですが、9月上旬のソフトバンク3軍との3連戦を7-4、4-1、6-6と2勝1分で終えるなど、今年も戦力が充実しています。

中軸のパワーも脅威ですが、一番の脅威は76試合で184盗塁を記録した「足」でしょう。昨年のGCSでも決勝で5打席4出塁1盗塁とチャンスを作った晴樹が今年もキーマンとなりそうで、上位打線の出塁をいかに防ぐかが攻略のポイントとなりそうです。

徳島は白川恵翔が先発

徳島の初戦の相手となる富山は150キロを超える投手が多く、苦戦する可能性がありそうです。10日前に行われた西武との試合が映像に上がっていますが、富山は8投手が登板し無失点に抑えています。

29日の先発は右腕の林悠太。球速は140キロ程度ですが、タイミングを外すスライダーと速球でゴロを積み重ねます。19日も西武打線が苦労しており、徳島打線が初見でどの程度対応するか、井上絢登ら左打者の活躍が鍵となりそうです。

徳島は藤田淳平か池戸昇太が初戦に投げるかと予想していましたが、22日のCS同様に白川投手が先発すると発表されました。富山は投手力に比べて打撃力は劣ると想いますが、上位打線の松重恒輝、今釘勝を出塁させると足があるので、ストライク先行の投球で抑えたいところです。

準々決勝に勝利した場合、徳島は埼玉との準決勝を迎えます。埼玉はルートインBCリーグ(BCL)でリーグトップの312四球を選ぶなどしぶとい攻撃が特徴です。BCLの8チーム中盗塁数48は下から2番目で、俊足の選手はいるものの、戦術的に走ることはしていなかったと思われます。

徳島はリリーフ陣で150キロ超の投手が多くいますが、最近の試合では制球に苦しむ場面も見られます。翌日の決勝を考えても、埼玉戦ではチーム2位のストライク率を誇る藤田淳平を先発に起用し、後半戦に安定した投球を見せている宮澤太成やシンクレアに複数イニングを任せ、最後はチームトップのストライク率を誇る山崎正義が締める、というような展開が想定されます。

決勝での四国対決があるか

以上、GCSのポイントを四国目線で簡単に書いてみました。

今大会は愛媛と徳島は別のヤマにいるので、両チームとも勝ち進めば決勝で当たることになります。四国で切磋琢磨した選手が地元開催のGCSで最高の結果を手中にするか、明日からの戦いに注目しましょう。

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