軽い気持ちで観た深夜ドラマにハマり、GWを捧げた話

※これは「FAKE MOTION」プロジェクトにハマってしまったA3!のオタクが、沼の底に至るまでの経緯と布教ポイントを書き記したものになります。その性質上、ネタバレも含まれます。一切のネタバレを踏みたくない方はご注意ください。

「FAKE MOTION」プロジェクトって?

 「FAKE MOTION」は2020年から2021年にかけて放送された卓球を題材にした深夜ドラマ及びそれを主軸にしたエンターテインメントプロジェクトだ。多くのキャラクターを「EBiDAN」というスターダストプロモーション所属の若手男性アーティスト集団が演じている。シーズン1「FAKE MOTION―卓球の王将―」が2020年春、その続編にあたるシーズン2「FAKE MOTION―たったひとつの願い―」が2021年冬に放送された。

 2次元コンテンツ沼に浸かっていた私が本作を知ったきっかけはシーズン2だ。シーズン2の新キャラクター達を、荒牧慶彦をはじめとする2.5次元ミュージカル俳優が演じることとなり、そこに私の推しもいたからだ。

 深夜とはいえ推しのドラマ出演という滅多にない機会を得た私はFAKE MOTION(以下フェクモ)に対する予備知識も何もないまま視聴を開始した(ここはGW前の話)。

「FAKE MOTION-たったひとつの願いを-」見た


 1話を見た感想は「????????」だった。本当に意味が分からなかった。

 世界観がぶっ飛びすぎている

 なんだこれ????

 手始めにあらすじはこうだ。

 世は卓球戦国時代と呼ばれるほど卓球人気に火のついた世界。この世界の学校では卓球の強さであらゆる優劣が決められる。弱い高校は強い高校の傘下に加えられ、搾取され蹂躙される日々を送ることになる。そんな中、自由で平和な卓球を掲げた私立恵比寿長門学園(エビ高)が東京の頂点に上り詰め、東京には平和な時代が訪れていた(ここの東京編がシーズン1の内容)。しかし、平和な東京に突如大阪の頂点天下布武学園が侵略してきて…。

 ね?意味わからなくないですか?

 シーズン2新規にとってはまず卓球戦国時代を咀嚼することで精いっぱいだった。そしたら大阪の事情を知ってそうな人が「大阪では卓球戦国時代で人が死んだんだぞ」とか言い出す。え???死んだの????卓球で??人が…???????????物語の終盤にはギフテッドと呼ばれる特殊能力まで登場して理解が追い付かない。情報が多すぎる。

 パンクした私はここで悟った。

 「あ、これ頭からっぽにして観るやつだ。」と(後にこれは間違いと気付くことになるが)。

 家族のように大切な部長の仇取りに燃える八王子南工業高校の土方歳鬼、わけあって大阪から単身やってきた天下布武学園元エースの明智十兵衛、エビ高の部員であるモンキーとトビーの4人を中心に東京の学校で「エビ高連合軍」を結成し、打倒大阪を目指すことになっていく。


 設定がぶっ飛んではいるが、「寄せ集めのチームが絆を深め団結し、脅威を退ける」という至極シンプルなストーリーだ。しかも1話あたりの尺がおよそ30分で全6話。すごいぞ!観やすいぞ!!


 ここからは私のターニングポイントとなったであろうエピソードについて振り返っていこうと思う。

ポイント① 第3話:リッツとコウ様の登場

 よく分からないままなんと3話に辿り着いた。「よく分からない」その理由は単純でシーズン1を見ていないからだ。でも推しはシーズン2の新キャラクター、シーズン1なんて知ったところで…。この考えをここで少し改めさせられることになる


 エビ高連合軍のピンチにエビ高ユニフォームの2人組が現れたのだ。その姿を見て「リッツ!」「コウ様!!」とみんなが沸く。分からない。私には誰だか分からない。ギフテッドも使っててめちゃくちゃ強い。何だ????お前は誰だ…???

 視聴後、Twitterでオタクの感想を漁ってみた。「リッツとコウ様の再登場嬉しい」「リツコウ最高」等々…Twitter民も沸いていた。公式Twitterもリツコウフィーバーだった。


 私だけ分からない。リツコウが分からない。ちょっと悔しかった。トンチキドラマだと思ってたのに悔しいという感情を抱いてしまった。悔しかったので初めて公式サイトを開いた。リッツはシーズン1の主人公、コウ様はその相棒だと知った。なるほど、それでオタクが盛り上がってるのね。


 ここで「キャラクターについて簡単にでも知っておけばもうちょっと楽しく見れるのでは…?」と初心に立ち返る。そう、私は「見てるうちにキャラなんて覚える」と過信して一切の情報を入れていなかったのだ。しかしこれはシーズン2。そりゃあ予習して来いよって話。


 信じられないかもしれないがここでシーズン2主人公・土方歳鬼くんの名前や高校を初めて知ることになる(この段階ではマジで明智くんと織田くん、モンキーとトビーぐらいしか把握できていなかった)。2話でエビ高連合軍を助けてくれた謎の白ユニフォームの集団もシーズン1のキャラクターであることを把握した。

 待って、学校の関係性が分かると楽しいじゃん。次回の大阪過去編が俄然楽しみになってきた自分がいた。

ポイント② 第4~5話:大阪過去編

 そして迎えた大阪過去編。ここからリアルタイム視聴勢になった。キャラクターをなんとなく把握して鼻タカ天狗野郎だったのだ。

 2週に渡って放送された大阪過去編、正直め~っちゃくちゃ面白かった。

 私はキャラについて調べたとてシーズン1未視聴だ。だからこそシーズン2の新キャラクターだけで繰り広げられる大阪過去編で、フェクモ史上初めて置いてけぼりを食らわなかったのだ。提供される情報は古参にとっても新規にとっても初めての情報ばかりなので製作側もそれを意識して構成している。単純に面白いと思った。

 具体的にストーリーの話もしたい。

 過去編では、現在東京で猛威を振るう大阪天下布武学園の部長・織田佐之助、エビ高連合軍に寝返った明智十兵衛、そして彼らのかつての仲間・斯波新一の3人を軸とした物語が語られた。
 当時、信玄明王高校の傘下だった天下布武学園でエースを務めていた明智は部長・今川の理不尽な怒りによって退部させられようとしていた。そんな明智を助けたのが転校生である織田。織田は「卓球戦国時代」という言葉の生みの親でオリンピック代表選手の斯波新一に会うために転入してきたと言う。しかし斯波は自分の意図とは外れた意で使われる「卓球戦国時代」に負い目を感じ、卓球にかかわることをやめていた。斯波は「みんなが卓球を楽しみ切磋琢磨できる時代」を願って「卓球戦国時代」という言葉を用いたはずだったのだ。
 斯波の想いを知った織田は大阪に謀反を起こし、自由な卓球を取り戻すことを決意する。こうして明智や斯波と共に戦うことになるのだが、信玄明王高校と並んで二大勢力と謳われる謙信ソルト電子工学院の策略で斯波が志半ばで命を落としてしまう。
 仲間を失い悲しみに暮れた織田は「恐怖ですべての高校を支配することでこの時代に終止符を打つ」ことを決め、冷酷無比な人物へ変貌を遂げてしまう。明智は「織田のやり方は間違っている」と離反し、共に戦ってくれる仲間を探して東京へ逃亡する…というところで過去編が終わる。

 これを見た私は思った。

斯波が遺したものがでかすぎるだろ

 元々夢も目標もなかった織田は「卓球戦国時代」という言葉に心を奪われ卓球を始めたことが語られている。つまり織田にとって斯波は恩人なのだ。夢を与えてくれた存在なのだ。とにかく織田にとって斯波という存在は途方もなく大きい。その斯波は自分の思い付きに付き合ってくれたせいで命を落としてしまった。…やばくない????
 しかも織田くんは感情を殺さないといけないほど追い詰められてしまっている。織田くん救われてくれ…????????

 斯波くんの死に方がとてもむごくてもう…。
謙信ソルトにはあらゆるものを操れるギフテッドを使える選手がいるんですけど、彼に敗北して殺されることになったんです。つまり、体を操られて外見上は自殺に見えるように殺された。謙信ソルトの彼は「僕が殺すんじゃない。君が自分で死ぬんだ。」と言ってナイフを渡してくるんですよね。
無理すぎる。斯波くん……。

 明智は斯波の遺志を継いで織田と戦うことになるんですが、自分を助けてくれて支配に立ち向かう勇気をくれた織田と対立するのは本当にキツかったと思う。明智は荒波を立てないよう上級生の理不尽な仕打ちを受け入れていた子だったので、織田に真っ先に反抗したことには成長を感じた。

 明智、お前が主人公だ。

 ちなみに6話では、謙信ソルトの例の彼とシングルスで戦うことになります。斯波(の想い)と共に立ち向かう明智くん本当にかっこよかった。マジで泣いた。


 そんなこんなで天下布武の3人に情緒を乱されたまま全6話のシーズン2が終わった。
 面白かった。すごい。今すぐにでもハンバーガー屋へ行きたいと思った。4月には大阪過去編をより詳細に描く舞台「FAKE MOTION―THE SUPER STAGE―」(以下フェクステ)もあるらしい。Huluで配信される…?絶対見るが…??????

 しかしシーズン2にも分からないところがあった。主人公・土方のことだ。

 土方の所属する八王子南工業高校卓球部は部長・マザーを中心に孤児で構成されており、その出自から「家族」のような関係性を結んでいることは1話で語られていた。しかし、語られていただけなのである。正直シーズン2から得られる情報程度ではマザーを誰よりも愛して仇討ちに燃える姿や、最終話のマザーと土方のやり取りにさほど説得力は感じられなかった。


 リツコウ再登場の盛り上がりについても、理屈では納得はできたが心からの興奮は得られなかった。白ランの助っ人・薩川大学付属渋谷高校も同様だ。

まあ、シーズン1で語られてるところなんだろうな。いつか見るか

そう思いつつ、私のシーズン2は一旦幕引きとなった。


 そしておよそ1か月が経った4月末、転機が訪れる

 実はシーズン2は友人と見ていたのだが、その友人と久々に話をする機会があった。そこでフェクモの話が挙がった。シーズン2の内容やフェクステ楽しみ等の話で盛り上がり夜にはお開きになったのだが、私はなんとなくフェクモが頭から離れなかった。眠れない。どうしよう。そしてふと思い立った。

シーズン1、見るか

 この判断が私のGWを狂わせることとなる。これが4月30日深夜1時過ぎの出来事。深夜テンションでHuluに入会してシーズン1を開いた。

「FAKE MOTION―卓球の王将―」を見た


 そして1話の段階で過った可能性。

あれ?王道スポーツモノとしてこれめちゃくちゃ面白いんじゃね…???

 この予感は的中だった。話数が進むとともに深まる絆、絆で得られる勝利、立ちはだかる困難、敵校の葛藤、そして手に汗握る最終決戦。やっっっっばこれ名作じゃん。八王子も薩川もリツコウも、シーズン2のしこりが消え去った。マジでリツコウしか勝たん。何より多方面でクソデカ感情のやり取りがすごくて沸きに沸いた。そういうのだぁいすきだ。

 ここからはシーズン2と同様、シーズン1のターニングポイント、私が狂ってしまった部分を列挙していこう。

見どころ① リツコウ

 はい出ましたリツコウ~~~!!!!フェクモを語る上で欠かせない存在、リツコウ。主人公・高杉律(リッツ)とエビ高のエース・桂光太郎(コウ様)のコンビ名。2人は幼馴染で卓球をずっと一緒にやってきた仲だが今は疎遠。そんな関係性がどう修復していくのかが見どころになる。

 フェクモは卓球をやめたリッツが再びラケットを握るところから始まる。
中学の時に暴力事件を起こしたことがきっかけで卓球をやめていたリッツ。そんな彼のギフテッドに目を付けた部長・松陰の誘いで入部することになったがコウ様がこれに猛反対。コウ様はリッツのことが許せないのだ。
 実はシーズン1が始まる少し前、東京ランクの最下層・エビ高はリッツの起こした暴力事件のせいで半年間の試合禁止命令を下されていた。ランクの最下層として半年間東京中の高校から酷い仕打ちを受けざるを得なくなったことをコウ様は「リッツのせいだ」と言い、頑なに入部を認めない。しかし、リッツが暴力を奮ったのはコウ様を罵倒されたことで腹が立ったという理由からだった。これに対して「俺を理由に誰かを殴るなよ!」と怒るコウ様。実は中学時代の暴力沙汰もコウ様を庇ってのことだったのである。

 …すごくない???リッツからの愛が(愛が)。

コウ様「お前にとって卓球はそんなに簡単に捨てられるほどちっぽけなものだったのかよ。
リッツ「お前あっての卓球なんだよ。

 やばい。やばすぎる。これは全話見た後に出た感想だけど、コウ様はリッツがいなくなってもリッツとの楽しい思い出に縋って卓球を続ける男、リッツはコウ様が隣にいてくれるなら卓球を続ける男ですね(確信)。


 ちなみにリッツというあだ名は「昔友達だったやつがつけてくれた、大切なあだ名なんだ」と語られているんですよ、コウ様の背中をリッツが見つめるカットと共に(ここ重要)。


 本音を曝け出した試合以降はエビ高の戦力として活躍していくことになる2人。後に語りますが八王子戦では2人を取り巻くオーラは「友愛の橙」と表現されたり、コウ様の「律は俺にとっての道標で、光」だったり、とにかく話題が尽きない。


 シーズン1はこの2人がW主人公の役割を果たしているので、リツコウが仲違い→仲直り→絆を深めるという流れがフェクモそのものの流れになっている。仲違いしてもベースにはお互いへの信頼があるので不快感はない。本当にリツコウしか勝たん。

見どころ② 八王子南工業高校

 さっき話題に出した土方くんのいる八王子。シーズン2だけでは家族の絆がどれほどのものか分からなかったと言っていたが正直八王子を舐めていた。尊かった。お前らが日本一の家族だ…。

そもそも春組監督をやっている者なので疑似家族が刺さらないはずがなかったよ

 八王子のみんなにとってマザーは母親代わり…なるほど、土方くんがシーズン2でぶちぎれるわけだ。

 土方くんが沖田くんの頬を叩くシーン大好きでしたね。
 人の感情がオーラになって見えるギフテッドを持つ沖田にとって感情や行動の指標はあくまでオーラの色。例えばスマッシュは赤、といったように感情の起伏をオーラで見ることで打球を予測していた。そこに気付いたリツコウは軽口を叩きながら試合を進める。見た目はお互いの悪口を言い合っているのに見えるオーラは友愛を意味する橙。言葉と感情の不一致を目の当たりにした沖田くんは「これじゃあオーラの色で打球を判別できない」と戸惑う。そこにダブルスの相方土方くんの

今頼るべきものは才能じゃない、この私だ

 ズルいよ!!!!沖田くんの嬉しそうな「いったいなぁ…!」で何人のオタクが死んだ?ちなみに私は死んだね。
 マザーの「外では後ろ指さされても、家の中だけは暖かいわ」も本当に無理だった。好き。マザー…。

 八王子は結束力が強い分、外を信用していない感が強くて、それがシーズン2の殺気立った土方くんにつながってるのかなと思った。八王子のみんながマザー大好き~!と思ってるのが切に伝わってきたから情報不足で苦しんだシーズン2の私が成仏できた気がする。

見どころ③ 西郷とリーチ

 ここは正直マジのマジで油断してた。こんなバカデカ感情が渦巻いてることある…?

 薩川高校副部長のリーチは卓球が大好きだけど才能には恵まれない選手だった。必死な努力でそれを補う姿は部員からの人望を集め、副部長の座に就いていた。
 ある日、3年生の引退も近づき次期部長はどうするという話題が始まる。日頃の行いが功を奏してリーチを推す声が多く挙がるも実力主義の薩川高校の伝統にのっとるのであれば、と現部長の島津は卓球の天才・西郷の名を挙げる。

 ここからリーチの嫉妬にも似た感情がクローズアップされるんだけど私これ見たことある。GOD座コラボ公演だわ。才能に憧れる凡人ってのは刺さるんだよなあ…。

 しかし一方の西郷、彼は負け知らずの天才でライバルと呼べる存在がいない、それでは卓球が楽しくない、だから誰よりも卓球を愛して努力を怠らないリーチが羨ましい…ってすごくないですか?

 お互いを羨望の眼差しで見とるやん。

「リーチは俺の光だ」は後世に語り継ぐべき台詞です!!!!!!

 島津部長の「卓球の神は西郷を愛したが、人は大久保(リーチ)のような者を愛してしまう」がそれなすぎてさ…リーチ…光だ…。あと私の記憶違いじゃなければコミカライズ版限定で「西郷は俺の光だ」も見ることができます。

 光に憧れる男と光輝く男の組み合わせは大好きなんですけど、それが相互に作用してると思わないじゃないですか…何お前ら…来年は2人で元気に薩川高校を引っ張って行ってくれ…。

見どころ④ 松陰さんと島津

 ついに来ました!一番話したかったところ!!!!!推しの松陰久志さんとその幼馴染の島津晃がすごい。本当に。これについて語りたくてここまで文章を書いたと言っても過言ではない。さすがに物語の根幹に触れるネタバレをせざるを得ないので注意してください。

 ざっくり説明すると、

(中学時代)
松陰、島津、ルカ(松陰妹)の3人で卓球場へ出入りし頻繁に遊んでいた

ある日松陰島津のダブルスに敗れたモブがその腹いせに卓球場を放火

ルカ焼死、ルカを助けに行った松陰も重体、心臓に後遺症を負い記憶喪失に

もし卓球を楽しんでた頃の記憶が戻れば同時に妹を失った悲しみも思い出すと考えた島津、視界を奪うギフテッドを身に着け松陰の視界にある思い出のすべてを隠してしまう

松陰、すべてを忘れたままだが漠然とした卓球への憎しみだけが残る

(高校時代)
島津、自分が支配構造の頂点に立つことで松陰の憎しみが自分に向き、記憶(楽しかったころ)を取り戻すことがなくなるのではと考える

島津、薩川の部長になり東京の頂点へ

松陰、卓球のせいで人が傷つく支配構造を憎みエビ高で打倒薩川を掲げる


 本編開始までの流れはこんな感じなんですけどいや島津さ…島津……。何も言わず誰にも打ち明けず、一人で松陰さんを守ってきたんだよな。松陰さんはそうとは露知らず、島津に憎しみを向けてくるんだよ。島津…報われてくれ。

 エビ高vs薩川の最終決戦で松陰と島津は戦うことになるんだけど、後遺症による病気を抱えた松陰さんの身体はもう限界で。それでも仲間のために勝ちたい松陰さんが自身のギフテッドで文字通り命を削る姿は見ていて辛いよ。島津がな。

 島津は松陰さんに苦しんでほしくない一心で今まで生きているから目の前で松陰さんが弱っていくのは耐えられないでしょ。無理。島津に救いをくれ。

 試合の最中、ついに松陰さんはすべてを思い出す。あろうことか必死な島津の姿を見て。そしてすべてを思い出した松陰さんが出した答えは

「最期に君と卓球がしたい」
「君と卓球を楽しみながら死にたい」

 ここで私が決壊しそうだった。島津もそうだろ、なぁ。ここの島津の気持ちを考える現国の問題を作るべき。


「本気でぶつかり、お前の最期の舞台に花を添えよう。」
「…ありがと、島津。」

 さすがに無理オブザイヤー。記憶を取り戻すまではずっと島津のこと「君」って呼んでたのに最期の最期に「島津」って呼んでくれるのマジでズルい。ここでどれだけ島津が救われたか…(でも結局総合的に判断すると島津救われてない)。


 なあ松陰さん、島津を置いて逝かないでくれよ…。

 ま~じで島津からの感情がバカデカすぎるし、最期に松陰さんがそれを受け取ってくれたのが愛でしかない。これは島津の愛の物語です。

 これを踏まえるとシーズン2にて白ランの助っ人こと薩川高校の登場がエモかったんだな~と思いますよね。あの時の島津「エビ高のピンチには必ず駆けつける」と言っていたけど、島津個人としても松陰さんが愛したエビ高を守りたいんだな。うんうん。


 こうしてシーズン1を完走した。

 最初に出てきた感想は「名作」。いやマジで。フェクモ舐めてた。GW序盤にしてとんでもないものを見てしまった。


 感情が追い付かなくなった私は明け方の4時という時間帯にもかかわらず友人に連絡した。とにかくフェクモシーズン1の良さを知ってほしかった(ちなみに最初は「マジ???www」と言っていた友達も後日しっかりコウ様に落ちた)。

 そうして狂ったようにシーズン1とシーズン2を交互に見ていたらあっという間に5月2日が訪れた。そう、フェクステ千秋楽だ。


 フェクステもすごくて、ドラマ版以上に詳細というか、絶対にこれを見てからドラマを見た方が良いとさえ思った。織田くんが変わってしまうまでの苦しみがより悲痛に表現されているし、明智くんの「僕だって斯波がいなきゃ…」で心臓張り裂けるところだった。ドラマ版では空気気味だった信玄明王高校についても知ることができた。


ちなみに島津を拗らせてるノリで武田御大のことも無事に拗らせましたので、松陰島津の関係性が刺さった人はフェクステ絶対に見てほしい。


 フェクステを見てからますますフェクモを拗らせた。フェクモのことしか考えられない。あともう少し早く魅力に気付いていればフェクライ(3月に開催された「FAKE MOTION―2021 SS LIVE SHOW―」)が見れたのに、と悔やみながら公式のダイジェストを見ているし、1時間リセマラしてドボン(アプリゲーム「FAKE MOTION―King of DOBON―」)も始めた。普通に歌詞の考察とかしちゃうし同じくフェクモを拗らせた先達のツイートから生きる糧を得た。二次創作もありがたく拝見した。本当に助かる。余談だがこれを書いている今、傍らでは天下布武学園の「エンドゲーム」が流れている。

しかしここで思ったのだ。

…もしかして思った以上にみんなフェクモ見てないの???

 いや推しが出演しなければ知りもしなかった自分ごときが言うことではないかもしれないが、こんなにもオタクに刺さりそうな要素が目白押しだというのに誰も見ていない。本当に誰も見ていない。ワンチャンTLの誰かが見てないかなと思ったが完全に気のせいだった。

 なんで????

 こんなに役者の顔が良いのに、こんなに王道スポコンなのに、こんなにクソデカ感情が飛び交っているというのに…。この良さを知ってほしい、とりあえず見るだけ見てほしい…。こうして今、私は誰かが興味を持ってくれることを信じて筆をとり、あろうことかA3!のアカウントを介して布教しようとしている。許してくれ。フェクモの存続がかかっているんだ


 ここまで長々と書きましたが、最後まで辿り着いてくださりありがとうございます。ここまで読んだ物好きなあなたにはフェクモの才能があります。そんなあなたに私が伝えたいことはこれ↓です。

「男同士のクソデカ感情の応酬が好きなオタクは絶っっっ対にフェクモを見て」

 後悔はさせません。A3!のオタクとしてプレゼンするなら、レニさんと幸夫さん、月下あたりが好きな人には間違いないと思います。あの類の感情が飛び交います。


 シーズン1だけでも覗いてください。22分×8話なので3時間で見れます。Huluにお金を落としさえすればタダで見放題です。わあすごい。


 そしてあわよくばみなさんの二次創作が見たい。試しに私も描いたことあるけど絵柄と作品の世界観で解釈違い起こして死んだのでみなさんに頼るしかない。よろしくお願いします。フェクモはいいぞ

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