代表だけどサークルの１年生の横顔をまだ知らない

さっき、春学期最後のサークルの集まりを終えてきた。

５月くらいにやり方も全く知らんままやった活動説明会とか、懇親会とか、自己紹介大会とか、もう遥か昔みたいな感じがする。

今年の新入生にも、サークル入る前にもっといろんな話して不安のない状態で入ってきてもらえるようにしたかった。

新入生にビラ配ったり、サークルの後にご飯に誘われたりしたのは、もう前世みたいな感じがする。それが叶ったのは全部、去年だったから。

今年度の今期は、新歓からずっとフルオンラインの活動だった。

１年生のころは自分がサークルの代表になるなんて夢にも思ってなかったし、代表になったと思ったらサークルのメンバーに会うなと大学に言われるなんて、出来の悪い悪夢にも追いつけない展開なんじゃないかと思う。

新歓の方法なんて本当に手探りだった。
新入生からしてみたら顔も見えない「大学生」の群れに１人放たれるわけで、想像しただけでそのハードルの高さに気が遠くなりそうだが、そんな中少しでも「大学生活」の欠片を手に入れようとTwitterとか口コミから得られる限られた情報だけでサークルを探してくれている人たちが大勢いた。よーしみんなおいでおいで～！

って、そういう人たちにどうすれば私たちの声は届くんや？

未公認サークルだから大学も全然広報に協力してくれないし（「公認サークル一覧」は新歓もだいぶ落ち着いたころにやっとメールで配信された）、新入生を安心させるために匿名性を保ちながら直接やり取りが出来るLINEのオープンチャットとか使えるんじゃね？とか一瞬みんなで考えたけどそもそもオープンチャットは規約で勧誘行為を全面的に禁じていた。連絡先のQRコードはオープンチャットの亡霊（AI）に自動でBANされて消えた。もっとわかりやすく「消えます」って事前に教えてくれよ、一緒に勧誘の原稿も消えちゃったじゃないか。

結局、Twitterで新入生のRT頼みをするしかなかった。

そこからLINEのグループに招待して、質問を受け付けたり、Zoomで行うオンライン説明会のURLを教えたり、2、3年だけで試験的に行ったオンライン部会の様子を配信したりした。
今思ったけど新入生、これを数サークル分やってたと考えると凄い。ダルくて仕方がなかったんじゃない？

そんなこんなでオンライン界の茨の道を抜けると、なんと新入生が１０人も集まっていた。有難過ぎる…

あとは2、3年で事前に決めたスケジュール通りに週１ペースでオンライン部会を続けていった。
ご飯でも食べながら～なんていったけどそもそも飯を共有していないので結局喋りメインになった懇親会、（映像制作サークルなので）Zoomの背景を自作して持ち寄る会などを経て、いよいよ制作に突入した。

んで、その発表が、ついさっき終わった。

もう途中からみんな「リモート」なんて特別な冠詞をつけるのをすっかり忘れていたくらい当たり前に制作してたけど、実写ではなくPCの中で完結する要素が多いタイプの制作だったとはいえ仕上がってきた作品を見ると普通にすご！！！！！！！！全く遜色なく「映像作品」じゃん！！！！！！！！と思った。誰？こんなすごい人たちばっかりのサークルで代表やってるの。

実際代表は何をやってたかというと、ほぼ見てるだけだった。
いやZoomのミーティングをセットするとか部会で多めに喋るとかはやったけど、制作にエンジンをかけたのは私じゃない。各々のモチベ。

それなのに、オンラインでの部会って喋れる人が限られてるせいで、名ばかりでも「代表」を名乗る自分の持つ特権はあまりにも大きかった。画面共有・話の進行・誰かを指して喋ってもらうこと、これらを全部コントロールできるなんて強権以外の何者でもない。
毎回部会が終わると録画された映像の中で喋る自分に「喋り過ぎだ…」「部会はお前の独壇場じゃない調子に乗るな…」と思った。新入生の名前を間違えたことに後で気付こうもんなら自分が間違えたくせに3時間くらい立ち直れなかった。でもこれくらい思ってないと、自分がこの特権に自惚れてドクズになる気がしてならない。オンライン部会が続く限り、ドクズ予備軍であるという自覚と共にあれ。

そう、そのオンラインの終わりも、いつ来るのかよくわからない。そもそも私の任期は多分今年いっぱいくらいだけど、そのうちに終わる気があまりしていない。

大学からは滅茶苦茶厳しい制約付きで8/1から対面活動の一部解禁が発表された。
１人１人の移動手段や検温結果などを事細かに事前・事後に報告しつつ、適度な距離を保ち、飲食は厳禁。これやる意味ある？と思ったが、今日今期の成果を一通り見て、あっやっぱりみんなに好き勝手好きな相手と語ってもらいたいな…と思った。
アンケートをとっても参加を希望する声が６割あったので、オンラインと同時並行しつつ、夏の間に１回くらい何かしらの「顔合わせ」を催そう、と思う。

なんせまだ私たちは新入生と同じ空間を共有したことがない。
実は素敵な新入生と活動がしたいという2、3年の集団幻覚だったらどうする？なんて冗談も以前言った気がするが、0.1％くらいほんとにそう思っている。

近いうちに私なんて見ずに喋っているみんなの横顔を見ることが出来たら、消えた勧誘原稿も浮かばれるだろう。その時がちゃんと来るように、今は静かに待つのみだ。