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地下の設計思想について

  • この文章は VRChat において,いわゆる「クラブワールド」を制作している,またはしようとしているワールド制作者を対象として,その設計思想を私なりに解説するものである.

    • 私が制作・運営するVRクラブである Club: The Underground(以下「地下」)を楽しむために,この文章を読む必要はない.また VRDJ を対象とした文章でもないが,そちらについては参考になる点もあるかもしれない.

    • この文章を執筆している現在(2023年11月)は私が地下4.0を公開した直後で,このタイミングで一旦自分の設計思想を整理・言語化しておくべきであろうと考えたのが執筆理由である.また,この文章が他のクラブワールド制作者(私の友人を念頭に置いて書いているがそれに限らない)の一助になればよいと思ったのが公開理由である.

    • なおワールド制作者向けという性質上,ワールド制作で用いるであろう一定の知識は仮定している(例えば UdonSharp でのプログラミングなど).

  • この文章はクラブワールド制作における一つの解の提示にすぎない.ここに書かれていることが唯一正しい設計思想である,と主張する意図はない.

    • この文章に書かれていることを根拠に他人の創作物を批判するべきではない.あなたがワールド制作者でないのであればなおさらである.

    • あなたがワールド制作者であって,あなたの中に何か確信的なものがあるのであれば,手応えが得られるまでそれを貫き通すべきだ,と私は思う.

  • この文章に登場するVRともクラブとも関係のない話題は,すべて与太話として解釈されるべきである

    • 例えば,この文章はアニメ作品『serial experiments lain』についての話題から始まる.しかしこの文章は『serial experiments lain』の考察記事でもなんでもなく,ただ私にとってこの文章に都合がよいから,この文脈で言及すると気持ちがいいから書かれているにすぎない.

    • また,この文章が自分語りに終始してしまうのを避け,単純に読み物として楽しめるようにするのも,わざわざ与太話を挟む目的である.書いている私としても,ただ脳内にある思想を機械的に出力するよりは,適度に話題から脱線したほうが楽しい,というのもある.


「だれ」と「どこ」の同値性

serial experiments lain』 (以下『lain』)は,岩倉玲音という少女の形を与えられてしまった「神」が,自分のいるべき場所を見つけることで,自身の本来の在り方を受け入れるまでの物語であった.詳しくは tayama 氏による考察 に譲ることとして,(そこでも指摘されていることだが)私が思うに lain の作品上興味深い点は,「玲音は何であるか」と「玲音はどこにいるか」という二つの命題は同値である,としていることだ.

「どこにもいないんだったら、あたしは誰?」(だれかが定まっていれば,どこかにいるはずだ)
「あたしはここにいるの。だから、一緒にいるんだよ、ずっと」(ここにいるから,あなたと一緒にいる存在である)

『serial experiments lain』13話『LAYER:13 EGO』より.括弧内の注釈は筆者による.

「だれなのか」と「どこにいるか」は明らかに違う(同義ではない)概念だが,『lain』においては「どこにいるか」が定まると「だれなのか」が分かり,逆に「だれなのか」によって「どこにいる(べき)か」が定まってしまう.この意味で両者は同値だとみなされている.

もちろん,これは『lain』の作中における設定以上のものではない.しかしこの「だれなのか ⇔ どこにいるか」という定立は,われわれの現実世界リアルワールドにおいてもある程度正しい,より正確には,信じるにやぶさかでない,と私には思える.例えば,「深夜にクラブにいる」なら「18歳以上である」や「音楽が好きである」などは概ね正しいであろう.逆に,「あの人のことが好きである」ことによって「あの人の近くに居る」が真になる(=近くに行く)こともあるだろう.

これを踏まえたうえで,クラブワールドの設計の話をする.インターネット上の他のコミュニケーション手段と比較して,VRSNS では特に「位置」の概念が発生する点で,現実世界のコミュニケーションと類似していることには,多くの人に同意してもらえると思う.一方,「だれなのか」と「どこにいるか」の同値性(を私がかなりの程度で信じていること)については上に述べたとおりである.ここで重要なのは,「どのような位置取りができるか」が「どのような存在でいられるか」と密接に関係する,ということである.つまり,うまい空間設計によりある特定の位置取りを可能にすれば,ある種の性質を持つ人々を惹きつけることができ,さらには,そこにいる人々にある種の行動を促すことさえも可能になる.一方でまずい空間設計をしてしまって特定の位置取りを不可能にしてしまうと,それによってある種の人々が寄り付かなくなってしまったり,さらには特定の行動を妨げることにもなってしまう.

クラブワールドの大目的は「みんなで音楽を楽しむ」ことであろう.「音楽を楽しむ」というのはそれぞれの人の主観によるが,客観的に「その人が音楽を楽しんでいるであろう」と判断できる基準としては,「(ワールドの隅っこではなく)DJの近くにいる」「DJのほうを向いている」「身体を揺らしている」「踊っている」などがあるだろう.これらはすべて人々の振る舞い,人々の在り方である.それを引き出すためには,そのための空間設計をしなければならない.つまり,クラブワールドで「みんなで音楽を楽しむ」を達成するためには,それを促すような位置取りをしやすくし,それを妨げるような位置取りはしにくくする,そのような設計が必要である(と私は信じている.しつこいようだが).「みんなで音楽を楽しむ」の他に何か小目的があるならば,それを引き出すような空間設計も当然必要である.

これで私のクラブワールドの設計思想の根幹を説明できたので,地下のバージョン 1.0 から 4.0 に至るまで,それぞれにおける小目的と,それを達成するための設計を解説していこうと思う.それぞれのバージョンにおいて「なぜそのような小目的が生じたのか」をわかりやすくするために,地下の歴史や私の経験・信条の変化とともに,時系列順で説明することにする.

地下4.0にて,4周年パーティの様子 (2023/11/04)
(撮影: haseruさん

地下1.0: 問題意識を持て

クルト・ゲーデル (1906-1978) という偉大な数学者がいた.もしかしたら『ゲーデルの不完全性定理』というものを聞いたことがあるひともいるかもしれない.これは与太話なので不完全性定理がどういうものかの説明は避けるが,不完全性定理がここまで有名になった理由としては,定理自体の数学的な意義だけではなく,定理を示すために使ったテクニックも凄かった,というのも大きい.彼は不完全性定理を証明するために,現代で言うところの ASCII や Unicode のような,一種のエンコーディングを発明した(コンピューターがまだない時代に!).さらに,論理式や証明を数にエンコードすると,論理式が証明できるかどうかを for 文や while 文のようなものを使って計算できることを示した(コンピューターがまだない時代に!!).これがきっかけとなって計算理論という分野が生まれ,こんにちのコンピュータの理論的な基礎を支えている.

不完全性定理についてもっと詳しく知りたい場合はこのサイトを見てみるとよいと思う.以下で触れる完全性定理についても解説されている.
CTC これからの世界を読み解く 数学体感教室2022|朝日新聞デジタル

彼の名前が付いた定理には『ゲーデルの完全性定理』というものもある.こちらも数学的にとても意義がある定理で,大雑把にいえば「人間が普段行っている範囲の数学に限れば,正しいことは全て証明できる」と主張する定理なのだが,しかしゲーデルが自力で証明した部分はそこまで多くない.実は,完全性定理の証明中の一番大変な部分は トアルフ・スコーレム (1887-1963) という別の数学者が以前に示していた(レーヴェンハイム–スコーレムの定理).それではなぜスコーレムは完全性定理を示せず,ゲーデルほどの名声を残せなかったのか?

スコーレムとゲーデルの差は問題意識の有無にあった.スコーレムの興味はぜんぜん別のところにあって,自分が示したことを応用すれば完全性定理が証明できる,とは思ってもいなかったのだ.当時の数学者にとって,数学における「正しいこと」と「証明できること」の区別はあいまいだった.しかしゲーデルは「数学は証明をやってるだけで本当にいいのか?」というような問題意識を持っていたので,完全性定理にたどり着いたのだ.純粋に証明手法だけを見ればスコーレムのほうが凄いことをやっているのにも関わらず,結果として完全性定理の立役者はゲーデルということになった.この話の教訓は,技術的には同じようなことをしていたとしても,問題意識の有無によって,業績の重要性は変わりうるということだ.

さて 地下1.0 である.自分の知る限り VRChat 内で一番最初に立体音響を導入したVRクラブだ(広義のクラブワールドでは Silent Club か VOLT あたりがやっていた気がするが,どちらにせよそこでクラブイベントが開かれていたわけではなかった).私が当時地下に立体音響を導入した理由は,おおむね「そのほうが "リアル" じゃね?あと,立体音響って技術的に凄くね?」という程度のことであった.私の友人 haru2036 が主催していた VRC-LT というライトニングトークイベントで何回か話させてもらう機会があったのだが,立体音響の凄さをネタに LT を一本やったりもした.

私が VRC-LT で立体音響の話をした時のスライド.
"リアル" の再現しか頭になかったことがよくわかる

しばらくして GHOSTCLUB が後に続いた.私は 0b4k3 に影響されてクラブワールドを作り始めたクチなのだが,彼と仲良くなってからというもの,しきりに「立体音響はいいぞ」ということを吹き込んでいた.彼はなかなか首を縦に振らなかったので,彼がついに立体音響を採用して「いいじゃん」と言った時には,しめしめと思った.彼は当時ブログで日記を書いていたので,どんな風に書いてるのかなと思って見に行った.彼の日記はもうなくなってしまったので正確な文章を引用することはできないのだが,概ね次のようなことが書いてあった.

地下にならって立体音響を導入した.DJが意図した出音と変わってしまうのを恐れて今まではやっていなかったのだが,いざ立体音響を導入してみると,フロア内での立ち位置によって音楽との関わり方を調整できて,とても良かった.

私は愕然とした.私は2D音響に対しては「前から音が来ないから,リアルじゃない」としか思っておらず,「どこにいても聴こえ方が同じだから,居心地を調整できない」などという問題意識は一切持っていなかった.0b4k3 がフロアにおけるリスナーの在り方を気にしていた一方で,私は音が "リアル" かどうかしか頭になかった.0b4k3 がゲーデルなら,私はスコーレムだったのだ.

その時私が学んだのは,リアルだとか技術的に凄いとかそれを最初にやったとかは,ワールド製作者の目線では凄いことかもしれないが,問題意識を持った上でそれを遂行しなければ,真の意味で何かを成し遂げたことにはならない,ということだ.そして「音楽に対するスタンス ⇒ スピーカーからの距離」という実例を見せつけられたことが,クラブの空間設計において「だれ」⇔「どこ」を意識するきっかけになったのである.

地下1.0の頃の様子 (2020/02/15)

地下2.0: 相乗効果を引き出せ

そういうわけで,Unity のバージョンアップ対応のために 地下2.0 を作りだす頃には,VRクラブの空間設計について少しは考えるようになっていた.地下で数か月間イベントを開催し続け,また GHOSTCLUB を始めとして他のVRクラブにも出演する機会が生まれたことで,地下に対する問題意識が徐々にはっきりしてきた.

当時の GHOSTCLUB にはさすがに今のような JOIN 戦争などはなかったが,それでも人がかなり集まっていた.それに対して地下は10人~20人ほどしかおらず,うちにももっと人が来たらいいのになぁと思っていた.自分はハードコア・テクノが好きなのでそればかりをかけていたのだが,今となっては信じがたいことと思うが,当時の VRChat にはハードコア・テクノがかかるクラブは地下しか存在していなかった(Sharpnel 先生は VRChat に来なくなってしまっていた).そのため音楽目当てでの集客はあまり望むべくもなく,人を集めるにはDJ以外の何かが必要だと思った.

ここで VRChat のシステムを思い出してみよう.メニューを開くとソーシャル欄があって,フレンドが集まっているインスタンスに JOIN する.あまりにも当たり前のことに聞こえると思うが,いま意識したいのは,もし音楽目当てでないのだとしたら人は何のために JOIN するのか,ということだ.そう,友達とおしゃべりしたり,ワールドギミックで遊んだり,あるいはロールプレイしたり,そういった VRChat での普通のコミュニケーションが目的なのだ.であれば,そのための場を用意しなければならない.以下のことを実行した上で,VRクラブやDJなどには特に関係のないフレンドも含めて,とにかく人を誘いまくった.

  • バーのギミックを充実させた.Pickup できる飲み物を置き,ボタンを押すと飲み物が出てくるディスペンサーも作った.効果はすぐに現れて,バーテンダーのロールプレイをする人や,現実でお酒を飲みながら VRChat をする人などが出現した.そういった人はやはりフレンドも多く,芋づる式に人が集まってくることとなった.あまりにも効果が高いので,バーは以降のバージョンでも必ず置くようにした(飲み物をスパムする人が出てきてしまったのでディスペンサーは置かなくなったが).

野生のバーテンダー (2020/03/07)
  • フロアにミラーを設置した.「ぶいちゃ民はミラーに集まる習性がある」とは当時から言われていたことで,フロアに置いたらそこに人が集まるかな~と思ったのだが,これは思ったほどよくはなかった.DJのいる方向と鏡のある方向が違うので,フロアにいる人間の向きがバラけてしまうのだ.そういうわけで地下3.0では置かなくなってしまった.

  • クラブ内に置いてあるソファの数を増やした.これは人を集めるためというよりかは引き止めるためで,踊り疲れたがちょっとゆっくりできる場所がないと,他のゆっくりできるワールドに行ってしまうのではないか,そこにソファがあればワールド移動せずに休憩してもらえるのではないか,というわけだ.イベント終わりにソファで死んでる人を多く見かけるようになったので,ある程度効果はあったのではないかと思う.

人が集まるようになったので,次はイベントを盛り上げる番だ.先に述べた通り,当時の VRChat のクラブシーンにおいてハードコア・テクノはあまり一般的な音楽ジャンルではなかったので,そもそもどのようにノればよいのか分からない人が多数いることは容易に想像できた.そのため自分が DJ をする際には,腕を振ったり,ヘドバンしたり,とにかく身体を激しく動かすようにした.最初は若干引き気味な反応だった気がしなくもないが,しばらくすると熱意やテンションが伝わったのか,自分の DJ にノってくれる人が増えていった.そして自分以外の DJ についても,まず主催の自分がノってみせることで,フロアにノり方を伝えようとしてみることにした.イベントの最初から最後までフロアの最前で踊るのをしばらく続けていると,フロアの前方に集まる人の数が明らかに増えていった.

さらに,盛り上がりというのは人数ではなく密度なのだ,と気付いた.フロアで他の人が盛り上がっているのを見ると,それに乗せられてフロアに出てくる人が更に増える.つまり,フロアの人数があまり多くない段階であらかじめ一定の盛り上がりを演出しておけば,イベントは自然と盛り上がっていくだろう,と思った.それに気付いてしまえば何をするべきかは明白だった.アップデートのたびに,徐々に徐々にフロアを狭くしていったのだ.フロアを狭くすれば DJ とフロアの距離も縮まって,DJ のノリやテンションもある程度は伝わりやすくなり,一石二鳥だった.しかし DJ のノリは結局その人次第で,DJ 自身のノリをも引き出す空間設計があるのでは,とは感じていた.

これらの努力が功を奏し,1周年を迎える頃にはイベントがしっかり盛り上がるようになった.地下2.0で自分が得た教訓は,初期値をブーストして相乗効果を引き出すべしということだ.上の内容をまとめながら具体的に説明しよう.

  • 人が人を呼ぶ.音楽目当てでない人にも JOIN してもらうために,コミュニケーションのための場を用意する.

  • 人数が少ない段階から盛り上がりを演出するために,フロアは狭くする.そうすれば,盛り上がりが盛り上がりを呼ぶ.

  • フロアにノってもらうには,まず誰かがフロアにノり方を示すべきだ.

    • 主催自らがフロアで踊ってみせるのが手っ取り早い(盛り上がりの初期ブーストとしても機能する).

    • DJ とフロアの距離を近づけると,DJ のノリが伝わりやすくなる(空間設計でもっと DJ 自身のノリを誘発できないだろうか?).

地下2.0にて,1周年パーティの様子 (2020/10/30)

地下3.0①: コンセプト ⇔ ビジュアル

少し真面目に書きすぎてしまったので,与太話を挟もうと思う.

自分が VRChat で使っているアバターは『アングラの子』という.最初は『2A-7』という無料のアバターを使っていたのだが,GHOSTCLUB で見かけて一目惚れして以降,かれこれ4年以上は使い続けている(もっとも,アングラの子はバージョンアップを重ねているため,アバターの雰囲気自体はそれなりに変わり続けている).当時の VRChat はアバターの選択肢がそこまで多くはなく ―『幽狐族のお姉様』ですらまだ存在していなかった― ましてやアングラの子のような,少し陰のある雰囲気の子はいなかったのだ.

見てわかる人もいると思うが,アングラの子のデザインは『serial experiments lain』の影響を強く受けている.全体的な雰囲気,非対称的な髪形,そしてヘアピンの位置など,明らかに玲音のイデアが見て取れる.ver1.0 の付属のTシャツには,それこそ "close the world, open the next" という(『lain』のオープニングに登場する)フレーズが書かれていたほどだ.『lain』がいわゆるアングラ・インターネット・カルト・アニメであるのは周知の事実であり,アングラの子の「アングラ性」の一部は『lain』に由来しているのは間違いないだろう.

しかしアングラの子の持つ「アングラ性」はそれだけではない.ピアスをバチバチに開けた耳であったり,オーバーサイズのパーカーであったり,底が厚く足首周りのガードも堅いスケシューであったり,アングラの子のデザインにはストリートファッションの要素もふんだんに含まれている.これらは決して『lain』にはなかったものだ(玲音がサイベリアに行った時のファッションを思い出してほしい).アングラの子が「アングラ」たる所以は,『lain』に由来するインターネット的なアングラ感と,ファッションから連想されるストリート的なアングラ感という,同じ名前を持つが実態は異なる二つのイデアを,一種の言葉遊びによって結び付けることによって生まれているのだと思う.

著者近影

さて,地下の1周年パーティが終わりそろそろ2021年に入ろうという頃には,VRクラブは質・量の双方で爆発的な広がりを見せていた.この頃には地下のライバルと認めるにやぶさかでない(傲慢!)クラブもいくつか出現していたし,海外のクラブとの交流も盛んになっていた.そもそも「VRChat のクラブシーン」というものが成立したのが,まさにこの時期だったと思う.この頃の雰囲気を知りたければ,以下の動画を見てもらうとよいと思う.海外の VRChat ユーザの目線での動画であるにもかかわらず,ある程度の分量を割いて GHOSTCLUB に言及しているところから,国境を越えたシーンの成立がうかがえることと思う.

今まで挙げてきた写真を見ると分かると思うが,バージョン2.0までの地下はVR ワールドとしてはかなり没個性なビジュアルをしていた.これは単純にワールド制作に慣れていなかったのもあるが,現実のクラブの雰囲気に寄せたかった,という理由が大きい.一方,上の動画の導入部で語られるとおり,この時期には既に様々なコンセプトのVRクラブが生まれていた(宇宙船のクラブ,四次元空間のクラブ…!).これからも進化し続けるであろうVRクラブシーンを生き残るには,何らかのコンセプトを打ち出す必要を強く感じた.コンセプトというのは要するに「どういうクラブなのか」で,それは「どこにあるクラブなのか」と表裏一体だ(「どこ」⇔「だれ」).ワールドの世界観を設定し,それをビジュアルに反映することで,今までおぼろげだったコンセプトを明確にすることができるはずだ.

私が好きな音楽ジャンルは「フレンチコア」だ.フレンチコアのオリジンは,Freetekno という文化にある.廃工場や森の中といった摘発の危険性が少ない場所に("free" とは「無料」だけでなく「自由」の意味も持つ),各々が機材を持ち込んでパーティをする,という文化だ.地下は基本的にブッキングを行わず,イベントごとに出演したい人を募集している.そして出演者には各自でサウンド・ビジュアル・配信手段を用意してもらい(地下公式の Twitch チャンネルは存在しない),私はそれを流すだけ,というスタイルを取っている.この地下のスタイルには Freetekno の精神性に近いものがあると常々思っていたが,地下3.0ではそれを直接的にリスペクトすることにした.では「どこ」を占拠してパーティをしようか?ただの廃墟や野外では「地下」である必然性がない(地上だし).何か「地下」としての説得力のある場所設定がないだろうかとあれこれ考えているうちに,そういえば地下のロゴ(かっこいいタイポグラフィを描く友人である bd_gfngfn に作って貰ったものだ)はロンドンの地下鉄のそれをオマージュしたものだった,と思い出した.

The Underground のロゴ / ロンドン地下鉄のロゴ

イギリス英語では地下鉄のことを "Subway" ではなく "Underground" と呼ぶ.「アングラ音楽」というコンセプトと「地下鉄」のビジュアルを言葉遊びで結びつける.答えは最初から目の前にあったのだ.

このようにして,地下3.0のコンセプトとビジュアルを明確に定めることができた.地下3.0の設計についてはもう少し書くのだが,先にコンセプト面・ビジュアル面だけでの結果の話をすると,これは実際に上手くいったようだった.少し前から Senchineru という友人ができていて,彼はイギリス在住で昔からロンドンのクラブやレイヴによく通っていたそうなのだが,地下3.0をお披露目した後にこんなことを書いてよこしてきたのであった.

This place that invoked a very different but equally intricate underground vibe compared to that of v2.0, a freetekno soundsystem in an abandoned railway tunnel. An insane crossover between the illegal forest and field spiral freetekno soundsystems from the 90s with a location too dangerous to hold a freetekno party at in real life, a testament to Cannorin's deep understanding of both the deepest depths of Underground music culture, as well as how to best integrate that culture into VR.

Senchineru の Twitlonger より(現在はリンク切れ).太字は著者による.

これにはびっくりしてしまった.というのも,「地下3.0のリスペクト先が Freetekno である」ことは当時誰にも言っていなかったのだ.それを言い当ててくれたのが嬉しいと同時に,見る人が見れば分かってしまうのだなあと少し怖くなったのであった.

  • VRワールドのコンセプトは,ワールドの世界観と,それが反映されたビジュアルによって,自然に定まる.

    • 「どこ」⇔「だれ」は人に限った話ではない.

  • 全く違う二つの概念を言葉遊びで結びつけることで,コンセプトとビジュアルに全体的な説得力をもたせることができる.

    • まぁ,言葉遊び以外にもいろいろ方法はあるとは思うが……

地下3.0 のビジュアル

地下3.0②: フロアを観察せよ

そのようにして地下3.0のコンセプトとビジュアルの方向性は割と早い段階で定まった.実際に細かな空間設計を行うために,国籍を越えた様々なVRクラブイベントに遊びに行ったり,さらには出演させてもらったりして,当時のVRクラブのトレンドや文化の差を "偵察" することにした.その結果,設計レベルで対処しないといけない問題がいくつか浮き彫りになった.

喋りまくる人々

VRクラブの文化には少なくとも三つの類型があるとわかった.

  • DJの前で黙って踊り続ける文化

    • 元を辿ればおそらく Silent Club に由来し,GHOSTCLUB を経由して広まっていったと思われる.

    • 地下も本質的にはこの文化に属する.

  • 基本的にDJを聴いているが,それはそれとして雑談や乾杯をする文化

    • 言うまでもなく,現実世界のクラブ由来であろう.

  • DJお構いなしにひたすら雑談し続ける文化

    • 昔の VOID CLUB のような「普通の雑談ワールド」由来なのだと思う.

最初の二つについては,地下2.0までの設計で問題ない.怪我の功名とも言えるが,"リアル" を追求する過程で,現実世界のクラブに近い空間設計になっていたからだ.踊りたい人はDJの前で踊っているし,乾杯したい人はバーカンに行ってドリンクの小道具で乾杯していた.実際,私がよく行く大阪のクラブイベントでも,フロアで喋っている人はそこまで多くない(これには地域差があるだろう).この二つの文化は自然に共存可能と思われた.

問題なのは三つ目の文化だ.自分が最初その文化のクラブに呼ばれた時は本当に面食らった.ワールドに入った瞬間に,周囲360度から大音量で会話が聞こえてくるのだ.実際に DJ しても反応を返してくれるのは数人だけで,多くはひたすら雑談に興じていた.そこにいるほとんどの人にとって,DJ は雑談用の BGM にすぎないのだ.なんだここはと思ったが,実は VRChat の楽しみ方としてはこちらの方が普通だと気付いた(Chat!).とはいえ他の文化との共存が難しいのは事実で,VRのクラブシーンの一体化によりこの文化圏の人が遊びに来ることが増えるのは明らかだったので,なんとかして無秩序な雑談を抑える必要があった.かといって「雑談禁止」のようなルールを設けるのは悪手に違いなく,頼るべきはやはり空間設計であった.

  • 根本的な対策として,フロア内での音楽の音量を上げ,プレイヤーのボイス音量と届く範囲を小さくした.

    • 現実のクラブでは音楽の音量が大きすぎてうまく喋れないことから着想を得て,顔を近づけないと会話が聞こえない程度に調整した.

  • フロアの居心地を意図的に悪くした.アットホーム感をあえて出さないことで,雑談しようという雰囲気を抑えようとした.

    • ライティングを控えてなるべく暗くし,さらに Post Processing を使って色合いを全体的に寒色に調整した.

    • フロアの床に電車の線路を引いて,スリルや落ち着かなさを演出することにした.この時点で,地下鉄の廃線トンネルをそのままワールドにすることを決めた.

    • そして,フロアを更に狭くすることにした.知らない人と一か所に押し込められては喋り続ける気もしないだろう,という考えだ.

  • 逆に,バーカウンターの居心地をよくした.ライトを多めに配置して明るい雰囲気にし,さらにフロアよりも喋りやすい音響設定をすることで,雑談をしたい人が自然とバーカウンター周辺に集まるようにした.

フロアに敷かれた線路 (2021/03/21)
(撮影: Dr_Cainさん)

集まりたがる人々

様々なVRクラブに行ってみて,フロアから多少の距離を置きつつ,仲良しのグループ数人で集まって音楽を聴いている光景を多く目撃した.数人で集まって何をするでもなく過ごす,というのも VRChat の一般的な遊び方の一つだろう.そういう人たちを取りこぼすのはもったいない.しかし彼らはフロアの知らない人とは多少の距離を取りたいはずで,かといって,人々の居場所が分散してしまってはフロアの盛り上がりが阻害される.実際にいろいろなVRクラブを観察してみると,フロアが広く豪華なクラブであっても,DJの前で踊りたい人は前に行くが,グループで固まりたい人は後ろにいたまま動かず,全体的な盛り上がりに欠けるところが多くあった.

もう何度も言っているように「だれ」⇔「どこ」なので,適切な空間設計をしてあげれば,後ろの方で固まりたがるグループを,フロアの近くに誘導することができるはずだ.具体的には,フロアから可能な限り近いところに,数人で集まれるスペースを何個か用意する必要があるのだ.しかしフロアの面積を広げては本末転倒なので,残された場所は「上」しかなかった.そこでフロアの真上に足場を立てて,フロアとDJを至近距離から見下ろせるようにし,さらに4人分程度のスペースを足場に4つほど用意した(数字に特に根拠はない).フロアとは多少の距離を取りつつも,フロアと完全には隔絶しないようにするため,足場の安全柵にはあえてコライダーを入れず,その気になればいつでもフロアに飛び降りることができるようにした.

ここまで設計が明確に定まってしまえばもうできたも同然で,1周年パーティから半年弱で地下3.0が完成した.設計は意図通りに機能し,様々な客層を許容しつつ,それでも一体感を失わず,しっかりとイベントが盛り上がるようなワールドになった.フロアを更に狭くしたことでリスナーに閉塞感を与えないかが心配だったが,足場を立てるために天井を高くしたことが幸いして,実際の狭さほどには狭く感じないという人が多かった.

  • よそのクラブも含めてフロアをよく観察し,具体的にどのような客層の人々がクラブを訪れるのかを知る.

    • 必ずしも無言でフロアで踊り続けたい人々ばかりではない.

  • 自分のクラブでは彼らにどのように振舞ってほしいのかを考える.

    • 無秩序に雑談する客層は他の客層との相性が悪いので,フロアでの雑談は抑えたい.

    • 仲良しグループで固まりたがる客層はフロアから離れて行ってしまうが,なるべくフロアの近くにいてほしい.

  • それを実現する空間設計を行う.

    • フロアは狭く保ち,音楽に集中できる雰囲気・音響設定をする.

    • フロアから明確に分離された談笑の場を用意する.

    • フロアの近くに,グループで固まれる場所を用意する.

地下3.0にて,2周年パーティの様子 (2021/10/24)
(撮影: 00:00さん)

地下4.0: 考えることをやめるな

さて,地下3.0を作ってから約二年の間というもの,Unity の新バージョンへの対応(地下3.5)を除けば,ワールドに特にアップデートを加えることはなかった.しばらくの間共同制作に関わることになったり(ゴーストクラブ.コム),大学卒業や大学院入学などのイベントが重なったりして,全体的に忙しかったのもある.しかし,地下4.0をなかなか作ることができなかった理由として一番大きかったのは,地下3.0があまりにも完成されすぎていて,今まで積み重ねてきた設計思想を保ったまま,新しい要素を盛り込める気があまりしなかったからだ.この二年の間私が抱き続けてきた問題意識は以下の通りで,しかもそれぞれへの対処法の検討はだいたいついていたにも関わらず,それを「地下」というワールドにまとめ上げることがどうしてもできなかったのだ.

フロアで座って聴くことを肯定したい

これは「集まりたがる人々」にも通じるところがあるのだが,VRクラブにおいて,座って音楽を聴きたい人はどうしてもフロアから排除されてしまいがちだった.どんなに有名で盛り上がっているクラブであっても,それこそ GHOSTCLUB においても,座って聴きたい人は大抵フロアの最後尾に追いやられていた.みんなが踊っている横で座るのは恥ずかしい・申し訳ないという心情ももちろんあるだろう.実際自分も生活が忙しくなって,座ってゆっくり音楽を聴きたいという気分の日も多くなってきた.しかし,同じような理由でどうしてもフロアの後ろに座るか,あるいは VRChat に入らず配信を聴いて済ませてしまうことが多くなってしまったのだ.

地下3.0は,この問題に対する部分解を図らずも提供してくれた.足場の柵の隙間から脚をぶらぶらさせて,座りながら聴く人が現れたのだ.しかし地下3.0の足場は狭く,数人しか座れない.それだけでなく,地下3.0の足場は元々仲良しグループ向けの場所を意図して作られたので,一人で座って聴きたい人にとっては,フロアからの距離が少し遠すぎるだろう.フロアの最前列と遜色ない距離で座って聴くことを可能にするには,より根本的な設計変更が必要だった.そのためには,フロアの形状は縦長ではなく横長にして,足場を拡大し,より多くの人が座る場所を確保する必要を感じた.

地下4.0にて,足場に座る人々 (2023/11/04)

DJ との距離を縮めて,フロアをもっと巻き込みたい

地下2.0の頃に考えていたことが,再び気になってきた.

DJ のノリは結局その人次第で,DJ 自身のノリをも引き出す空間設計があるのでは,とは感じていた.

そのきっかけは,2021年に入ってから現実世界での DJ 出演が増え,友人のライブに行く機会も増えたことだ.大阪のとあるクラブでレジデント DJ として定期的に回すようになって,SHaKa-iTCHi さんという DJ と知り合った.彼は独自の DJ スタイルを持っていて,ブースに入ってフロアの方を向いて DJ するのではなく,必ずフロア側に機材をセッティングして,フロアに背を向けて DJ をする.すると彼のグルーヴが背中越しに伝わってきて,あたかも彼に先導されているように,安心して踊ることができるのだ.そして自分の古くからの友人である TohLPeaks も,ライブではフロアの目の前,あるいは真ん中に立って,フロア全体を巻き込んだパフォーマンスをしていた.彼のライブではたびたびモッシュも巻き起こって(知らないお姉さんに割と思いっきり殴られたのが初モッシュの思い出だ),彼の持つ冷たい熱量の底知れなさに震えた.彼らに影響されて現実での DJ を重ねていくうちに思った.自分は VR での DJ でどれくらいフロアを巻き込めているだろうか?どれくらいフロアと寄り添えているだろうか?

DJ をフロアに引きずりおろす必要があった.TohLPeaks のように,自分の持つ熱量を直接フロアにぶつける必要があった.かといって,ボイラールーム・スタイルのような,フロアの力学の中心に DJ がいるような配置ではダメだった.「みんなで音楽を楽しむ」という大目的の前で,DJ は旗手であって,王様ではない.引きずりおろしたところに新たな玉座ができては意味がなかった.SHaKa-iTCHi スタイルを VR でやる必要を強く感じた.

地下4.0にて,自分の DJ の様子 (2023/11/04)
(撮影: Blue_copperさん

踊っている自分を見たい

現実のフロアと VR のフロアで大きく異なるのは,VR においてはそれぞれが自分の好きなアバターを使っていることだ.現実のクラブで踊るのは恥ずかしくても,VR のクラブでなら踊れる,という人は多いだろう.そして先も触れたが,VRChat ユーザは鏡を見るのが大好きだということを考えると,VR クラブに訪れる人は自分のアバターが踊っているところを見たいはずだ,と予想できた.流行病があまり真面目に対策されなくなり,現実世界でのイベント開催も再び増えてきた上で,それでもあえて VR でクラブをやる理由として,これ以上のものはないように思えた.しかしフロアに単純に鏡を置いてもうまくいかないことは,地下2.0の時点でわかっていた.

フロアに置いたらそこに人が集まるかな~と思ったのだが,これは思ったほどよくはなかった.DJのいる方向と鏡のある方向が違うので,フロアにいる人間の向きがバラけてしまうのだ.

これを解決するには,DJ の方向と鏡の方向を一致させるしかない.DJ を見ると同時に,鏡に映った自分を見る必要がある.それは物理的に無理じゃないか?と思い,長いこと検討していなかったのだが,SHaKa-iTCHi スタイルが突破口になった.つまり,フロア側に DJ を配置して,DJ を含めた全員で鏡に向かって踊ればいいのだ.DJ だって自分が DJ してるところを見たいはずだから,課題であった DJ 自身のパフォーマンスの誘発も,鏡によって実現できる.少々ズルい手段ではあるが,「音楽を聴く」ベクトルと「自分を見る」ベクトルを全員で一致させることで,今まで以上の一体感を得られるはずだと思った.

地下4.0にて,鏡を向いて DJ をしている様子 (2023/11/05)
(撮影: ひつぶさん

このように,それぞれの問題に対して何をすればいいかは明確だった.しかし,「全員で壁に向かって DJ をする」と「壁が鏡になっている」という,クラブワールドとしてはかなり突飛な要素を自然に受け入れてもらうには,ビジュアル面・コンセプト面での説得力がどうしても必要だった.普通の部屋に安直に DJ ブースと鏡を置き,そこでパーティをやっているところを想像してみても,部外者からはギャグにしか見えないだろう,と思った.別にギャグでもいいのかもしれないが,少なくとも「地下」ではなくなってしまう.地下のイデアを持たないのなら,何か別の名前でやるべきだ.

宮本茂いわくアイデアとは,複数の問題を一気に解決するものらしい.悩みながら毎日を過ごしていると,それはいきなり降ってきた.電車を置けばよかったのだ!

  • 地下鉄モチーフのワールドに電車が出てきても,何も違和感がない.

  • 地下鉄の駅のホームは横長である.

  • 電車の屋根の上に登って座るのは絶対に楽しい.

  • 地下鉄のホームから電車の方を見て踊るのは,壁の方を見て踊るよりは納得できる.

  • 電車の窓は自然に鏡になる.横幅も十分確保できる.

途端に,地下4.0に対する確信が持てた.それが2023年初め頃のことで,しかしワールド制作において二年のブランクがあったことと,VRクラブシーンの全体的なクオリティ上昇に合わせるため(最近のクラブワールドがどれくらいのリアリティレベルで勝負しているのかの "敵情視察" も何度かした),ワールド制作には丸一年近くかかってしまった.そして4周年記念パーティにおいて,ついにお披露目することができたのだ.

予想通り(傲慢!),パーティは大成功だった.

地下4.0にて,4周年記念パーティの様子(再掲)
  • 問題点と解決法の洗い出しが終わっていても,それを実際にワールドとして成立させられるかというと,難しい場合もある.

  • しかしその作業は決して無駄ではなく,考えることをやめなければ,それらを一挙に解決するアイデアはいつか浮かんでくるはずだ.

まとめ

クラブワールドで「みんなで音楽を楽しむ」を達成するためには,それを促すような位置取りをしやすくし,それを妨げるような位置取りはしにくくする,そのような設計が必要である.常にシーンやフロアを観察し,問題意識を洗い出し,それを解決する空間設計を行うとよい.この文章では,自分は一貫して同じ話を,手を変え品を変え繰り返してきたつもりだ.

冒頭でも書いたが,あなたがワールド制作者で,あなたの中に何か確信的なものがあるのであれば,手応えが得られるまでそれを貫き通すべきだと思う.しかし,わたしの記事がもしあなたのワールド制作の一助になるならば,とても幸いだ.VRクラブシーンのさらなる発展を願っている.そして,5年目の Club: The Underground をよろしくお願いします.


これは VRDJ Advent Calendar 2023 の24日目の記事である.11月中旬から書き続けていたのだが,なかなか書き上げられないでいたところにたまたま存在を知り,締切を設定して自分の尻を叩くのにちょうどよいと思い登録させてもらった.

もしよかったらおひねりを.(※有料部分にコンテンツはありません)

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