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荻原美里さんの個展

荻原美里さんの個展に伺ってきた。
荻原さんを知ったのは本の装画からだ。
「星のせいにして」という本で、内容と装画の雰囲気が本当にぴったりで何度も表紙を見返しながら読んだ。
(感想文はコチラ↓ ネタバレあり)

事前にSNSで目にしていた絵は、どれもモノクロでどこか寂寥感が漂っていて、観たら淋しくなってしまうだろうか、と予想しながら出かけた。
実際にギャラリーに着いてみると、通りに面した開放的な空間で、絵たちは静かに、でも決して淋しくはなく、風景画の中にも人の息遣いや温もりが感じられてとても穏やかな空間になっていた。

雪景色は、子どもの頃札幌に住んでいた私にとってどこか懐かしく感じられた。

鳥が好きなので、絵の中に登場する鳥たちにときめいた。

大画面の中に大きな白鳥が小さく存在している。

街中の窓辺にも鳥が留まっているだけで嬉しくなる。

群れの一羽一羽にそれぞれの命が感じられる。

一羽だけ休んでいる鳥の羽の下がり具合までリアルだ。

ところどころ絵にに添えられている言葉も、とても胸に響く。

人間は、真冬の中にあっても、
わずかな夏を心に持ち続けなければならない。
嵐が過ぎるのを待つことが人生の目的ではない。
嵐の中でもダンスを踊れる様になることが人生の目的である。


「星のせいにして」はなかったけれど、装画に使われた原画も飾られていた。どれも本を手にとってみたくなる素敵な絵ばかりだ。

在廊されていた荻原さんから「あの図書館の彼女たち」をおすすめして頂いたので、今度読んでみようと思う。

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