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【返詩】蝋梅



ingotさんの詩「蝋梅」がとても心に響いたので、勝手に返詩?を捧げます。

蝋梅


下り坂の途中で

ふいに記憶を呼び覚ます

甘い香り

あの日

決して変えようとしない日課で

古いレコードをかけていたあなた

突如  飛んだ針が

次の音へと着地するまでの

一瞬の永遠に

すべての嘘と

ひとつの真実が

香りの中に溶け込んで

詩を編んだ

裁く者などいない

裁かれる罪などない

指に触れる直前まで美しかった結晶は

声の形に姿を変えて

ただ  そこに在った


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