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#10 石けんのヌルヌルの正体は!?

固形石けんを使うのを躊躇する人の中には
「石けんのヌルヌルが不衛生だと思う」と感じている方が多いようです。

また、ネット上で石けんのヌルヌルの正体を調べると圧倒的に皮膚が溶けているからだと書いている内容のものが多くとても驚きました。

では、石けんのヌルヌルの正体とは何なのでしょうか?


1、石けんのヌルヌルは皮膚が溶けた?


人間の皮膚に対するアルカリの影響は、pHの数値だけでなく、
接触時間やアルカリの種類にも依存しますが、
一般的に、pHが高いほど皮膚への刺激や腐食性が強まります。


  • pH 7 は中性で、純粋な水のpHです。

  • pH 7.1 から 14 までがアルカリ性です。

  • pHの数値が高くなるにつれて、アルカリ性が強くなります。

通常、人の皮膚がアルカリで「溶ける」ような状態になるのは、
pH 11以上で起こりやすくなります。
特に、pH 12以上では、皮膚に対してかなり強い腐食性を持つため、非常に危険です。ただし、これは極端で、一般的な家庭用品や石けんなどではこのような高いpHはありません。
手作り石けんは植物油と強アルカリの苛性ソーダを混ぜてけん化という化学反応を起こして石けんになるのですが、けん化する前の石けんは確かにph値が高いので素手では触ってはいけないし、目にも入らないように注意が必要です。
石けんの製造過程で適切にけん化が行われていれば、最終的な製品に残るアルカリは非常に少なくph値は9前後のものになるので
皮膚が溶けてヌルヌルになるということはありません。


2、石けんのヌルヌルは天然のグリセリン


グリセリンは水分を引き寄せて保持する性質があり、石けんのグリセリンと水分が合わさると肌にヌルヌルとした感触を与えることがあります。
このヌルヌル感は、グリセリンが肌の表面に薄い保湿膜を形成するためであり、これが「滑らかで柔らかい感触」として感じられるのです。

石けんには天然のグリセリンが豊富に含まれていることもあり
ヌルヌルするのは当然のことなのです。

私が初めて石けん作りのクラスを受けた時、講師からも
「ヌルヌルはグリセリンという保湿成分だから、どんどん肌に使ってね!」と教わりました。

この知識がもっと広まることを願っています。


3、石けんがカビのエサになる⁈


2019年6月18日のウェザーニュースさんの記事のリンクを貼っておきます。
「石けんがカビのエサになる」というとても興味深い記事だったので
ぜひたくさんの方に知って欲しいと思いウェザーニュースさんにも許可をいただいてリンクを貼っています。

長年石けんはカビのエサになると言われていましたが真逆の研究結果に固形石けん愛好家にとってとても嬉しい発表です。


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