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味見

ころり、ころりと、転がり落ちた。
一粒の飴玉を拾い上げて、じっと見つめる。
ぱちくり、ぱちくり、君は瞬く。
どうしてこうなったのか、分からないという顔をして。
不思議そうに見つめる君が、あまりに稚けなかったから。
口の中に入れてみた。
甘くて、とろける、君の味。
案外美味しかったけれど、少し物足りなかったから。
カリッと噛んでみた。可愛い悲鳴が上がった。
ガリガリ、ガリガリ。砕けて、粉々になって、喉の奥に消えた。
甘い香りだけが残った。
次はもう少し、熟しておいでよ。
僕は飴玉がたくさん入った瓶を持つ少女に告げた。
少女はパッと駆け出して、僕の視界から消えていった。

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