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選択


聞こえなかったあなたのために
言わなかったフリをした
「そうしなければ死んでいた
生きるのに必要だった」
重いと沈んでしまうので
軽い言葉だけ浮かべて差し出す
こぼしてしまっても拭えば
何もなかった顔ができる
涙は尽きることがない
愛は尽きるだろうか
覚えていないフリをして
笑い合って愚痴を聞いて
本当のことなど言わずに
さらっとふわっと通り過ぎる風で
洗濯物を乾かそう
選んだ道はわたしの骨になる
憎しみはいつか尽きて
踏み固められた道が残る
どこか渇いているので
酒をやめることができない
いつの間にか日々が畳まれている
昨日は既に洗われていて
新しい今日を着ている
あなたのお陰だと気付く
コーヒーをいれようかと思う

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